2010年10月22日金曜日
Connexions City Center
2007年度海外調査(イギリス) [NO.1]
訪問先名称:Connexions City Center
訪問日時:2007年11月26日
場所:Birmingham
*【訪問意図(宮本)】*
景気が回復してきているけれども、学校から仕事への移行の制度が不十分な日本の参考にしたい。包括的な支援システム(ホリステックなアプローチ)から学びたい。高校中退ぐらいから34歳までの仕事に就けない人、メンタルに困難な人などへの支援のあり方を模索している。
*【若干の説明】*
・新しい転換期を迎えているコネクションズ:(笑い)義務教育後継続教育18歳まで。コネクションズは13歳から19歳を対象に働いている。コネクションズの財政は政府から来るが私的機関である。組織の形式の株主はいないが一般の会社と同じ。コネクションズは変化の時にある。
コネクションズの活動は関連組織と共同化していく形に変わる。ユースサービスとか少年犯罪関係の機関ともう少し緊密に働いていかなければならないということで資金がそちらにも回っていく。子どもが0歳から発達していくのになにが必要か考えてまとまった形で働いていくようになる。予算は1400万ポンド(30億)がバーミンガムのコネクションズに下りる。13歳から19歳までの14万人くらいの若者を対象に働く予算。軽度な障害者も含めて学習障害のある場合は25歳まで対象になる。
昔に比べて、成長が早くなっているのでもっと若くから始めないといけなくなっている。他の同じような機関とどのように組み合わせたら効果的か思案中。13歳以前と19歳以後の活動をしているところとの共同関係を模索している。19歳になろうという時点で、成人対象の活動に送り渡す活動をしている。学校在学中の13歳の時点でコネクションズの内容について教え、15歳から16歳の時点でPAと一緒に個人やグループで活動を始める。学校の中ではキャリアサービス、将来性のある仕事に就くためのガイダンスを行う。PAというのはその他のソーシャルサービスと協力して若者がニートにならないように見ていく。エデュケーションソーシャルサービスは、学校に出ているか、なぜ出ていないのか見たり、家庭に行ったりして調べる仕事で、市の職員である専門職のワーカーがあたる。一人で何校かの学校を対象にしている。
*【質疑】*
Q.チルドレンズトラストとはどういうものか?
A.組織があるわけではなく概念みたいなもので、それぞれの代表からなる委員会のようなもので、子どもにかかわる活動に対して中央からそこにお金が入ることになる。一箇所に集めて予算を割り当てていく。どのようにそれぞれの団体に配分していくのか、来年の4月1日から、どうやって配分されるかは委員会で決められる。コネクションズには4つのやらなければならないことがある。(説明はなされぬままに)。コネクションズにはそれに配分されるだろうが、実際にうまくいくのかはやってみなければわからない。理論では今までどおりにうまくいくはずだ。一人の専門の人が一人の子どもの面倒を見ると必要なものはすべてにアクセスできるようになるという理屈だ。その一人の責任者がいればすべて必要なものがカバーできる。コネクションズのお金が児童福祉の領域に流れるのではと言う不安についてバーミンガムでは、今の時点では、4つの仕事で今まで通り続くはずだ。それをやっている限りは有利な立場にあるはずだ。コネクションズのサービスが無効であることを証明しなければならないからだ。
Q.困難な若者へのサービスの手法は?
A.例えば、親でも先生でもこの子どもは危ないと言うときに書類に書き込む。照会書のようなもの。親か教師でないと書き込むことができない。本人でも書き込めるが、コネクションズのPAに見せてもいいけど、コネクションズを通して次の組織に行く。書類が届いた時点で、PAは専門の分野があり、問題によって適切なPAを選定して付けてやる。今の時点ではそうだが、今後はどんな問題にも対応できるように資格を取らせる。来年の4月までに資格を取らせようと考えている。この地域は7箇所に分かれているが、1箇所でカバーできるようにしたい。
Q.マルチエーゼンシーとは?
A.コネクションズが他の機関と働くという意味。例えば、貧しくてメンタルな問題を抱え仕事に就けないケースでは、来た時点でまずできることを見つけ、一週間後に来なさいと言っておいてその間に他の機関と連絡を取る。他の機関とは、ドラッグエイゼンシーとか、ホームレスの面倒を見るところ、そうゆうところと連絡を取る。男女の割はよくわからない。アクションプラン(行動計画)をつくってどんどんリファーしていく。今はPAが出かけていくが、これからは関係者が一堂に集まってカンファレンスやる。若者自身との相談ということでは、本人が初めからかかわっており本人が自分からやったことが大事だ。
Q.コネクションズはリード権を持っているのか?
A.その時点の事情によるだろう。情報共有が基本的なことであって、誰が主導的な立場たつかどうかではなく、その時々によって異なるだろう。
Q.予算配分について?
A.スタッフの人件費に予算が行くから、スタッフの頭数によって配分される。他に予備費を取るという形になるだろう。情報をできるだけ集めてどこに必要か予測を立てて計画を立てる。
Q.バーミンガムにはコネクションセンターがコネクションズの直営とユースセンターにもおかれているがそれは特徴か?
A.政府の方針として3種類ある、地域別に決定権を分けた。若い人がコネクションに来やすくした。
Q.19歳以後の若者をどこにつなげるのか?
A.19歳になる前からこの人はそれなりなところはへとつなげていく準備をしておいてこの時点でつなげていくのがPAの仕事。
*【現場のPAからの説明】*(10人のPAをまとめているリーダーPA)
・自分の仕事は児童保護などの法律などがわからない場合など、PAへの援助。PAの進歩の基準によってPAの観察。ちゃんとやるべきことをやっているか確認する。ニート作戦のとりまとめ。例えば土曜日などに来年卒業する生徒などに手紙をだしてニート・イベントを時々やる。そこにトレーニングプロバイダーなどがきてサービスを紹介する。社会福祉、エデユケーションソーシャルワーカーズなどと一緒に働く。問題のある子どもや学校に行かない子どもなどに支援機関を知らせる。カレッジとは職業学校とは違うが、ここがニートをとらなければならない。そのためには対処できるコースを設けて、そのアドバイスも仕事だ。関係ある人がみんな集まって一人の子どもを支援するという方向に進んでいる。
コネクションズはキャリアサービスだったが、そんなことばかりは言っておれなくなった。PAはキャリアサービスから来ていたがこの5年くらいでユースワークや心理等から来るようになった。コネクションズは若い人の生活全体を見なければならないから、やってみたらキャリアサービスだけではいけないことがわかってきた。キャリアサービスも薬やホームレスなどのバリアを乗り越えることを指導しなかったら不可能である。
初めはキャリアサービスで始まったが、次第にPAが若者と同じようなバックグラウンドから来る人が多くなってきた。キャリアサービスから来たPAとユースワークからきたPAでは、最初はいろいろあった。どうゆう組織でもそうゆうことはある。今はまとまってそうゆう問題はなくなった。コネクションズのPAがリファーすれば今は「コネクションズ」とは何かわかるし、政府の方針が周知されているから他の機関と連携がすぐ取れる。他の機関よりもコネクションズのPAは若者に深く関わっていることが知られてきている。始まった頃はキャリアサービスと変わらなかったが、今は若い人の生活にかかわってきているので変わってきている。
個人的なキャリアサービスはこれからも必要だが、学校に任せると、学校のためのキャリアサービスに陥りがちだ。学校では仕事の推薦だけで子どものバックグランドまで調べた指導をしない。PAはコネクションズのデプロマをとらなければならないからコネクションズのPAは全員必ず時間さえあれば、生徒を指導する学校の中に入るPAでもセンターで困難な若者をサポートすることもどんなところでもやれるはずだ。それでも難しい場合には自分が指導するようにする。
BAYC (Birmingham Association of Youth Clubs)
2007年度海外調査(イギリス) [NO.2]
訪問先名称:BAYC(Birmingham Association of Youth Clubs)
訪問日時:2007年11月26日
*【概要】*
ユースクラブの運営やユースグループのサポートを手がける団体。UK Youthという全国組織の一環という位置づけ。
*【活動内容】*
・BAYCは1898年に チョコレートのカウビーという会社が出した資金でできた団体。若い女性に自由な時間とか活動する機会を与えるためにできたもの。若い人と一緒に活動する長い歴史を持っている。百何年間の間に組織は必要に応じてだんだん変わってきた。といっても最終的な目的は若い人のために活動すること。若い人を世話をするのでなくて同等なパートナーとして活動すること。
・かつて炭坑があったブラックカントリーという地域の若者を対象に活動。
・若い女性と若い女性のために働く人のための活動を展開。代行レッスンや、教育から落ちこぼれた人のためのカリキュラム、若い未婚の母親などのための活動。アクションリサーチをやる若い人をサポートしている。このアクションリサーチはコミュニティーの中でどんな役割を負っているか若い人たち自身が調べに行く活動。若い障害者のために行っているプロジェクトもサポート。
・ユースチェンジというプロジェクト。13歳から25歳の中から選ばれた若者をパネルとして実際にプロジェクトが役に立っているかどうかを見るプロジェクトを展開。
・働いているユースワーカーはみんな資格のある人か資格を取る途中の人。その資格はデプロマ、大学卒業資格の一つ下だが、2010年までには大学卒業資格にかわる。フルタイムが8人、補助的にフルタイムの人が2人。その一人はコネクションサービスから来た人。事務関係のフルタイムが3人、その中の1人はユースワーカーとしても働いている。ボランティアは2人だが、実際にかかわっているボランティアは100人以上。90歳以上のボランテイアの人もいる。
*【質疑】*
Q.資格の内容は?
A.フルタイムで2年間、パートタイムでやると3年間かかります。ユースワークに関する理論に基づいた実践方法を教える。このコースの目的は、ボランティアのようなもので始めた人をマネージメントだとかプロジェクトをやるための資格です。ユースワークとかコミュニティーワーク、あとプレイワーク、あとマネージメントに関すること、文化的背景について、機会均等といったことについて理論に基づいた実践を勉強する。
Q.対象は?
A.主に13歳から19歳を対象にしています。援助金がここに集中しているからです。障害がある場合には28歳までです。そのやり方については公的なものであってもボランティアでも同じようなもの。一応基本的には若い人が自分で選んで活動に参加する。そのボランティアというのは学校教育と比べて義務ではないということです。
Q.コネクションズについて?
A.コネクションズでは若い人が自主的にかかわったこと以外では効果が現れていない。自主的に来ていないものに対しては事務的なことが多くなり学校的になってしまう。学校は嫌だと思っている若者に対してはコネクションズの効果は落ちてしまう。もともとコネクションズというのは若者がどこにいるか確認しておく必要があった。もともとキャリアサービスとして発展したわけだが、それがそれだけではだめでもっとインフォーマルなアプローチが必要になってきたが、それはユースワークがやってきたこと。今のコネクションズというのは書類の仕事が増えて統計を取る仕事が中心になってそんな仕事が増えてきている。コネクションズがユースワークに仕事を他の団体にコミッションしているところは成功している。そのような関係から連携したプロジェクトが始まっている。コネクションズが外部に委託して仕事をしているということだ。今、学校を出ても仕事がないので最初の仕事の体験をさせるというプロジェクトであるジャスタアス、障害者の仕事というのは政府の公金でやっているが、その活動をDVDでコネクションズに提出してコネクションズから仕事が来た。
Q.コネクションズは外に出すお金を持っているのか?
A.コネクションの資金には2種類あって、500ポンドまでの小規模なものはちょこちょこ出す。5000ポンドから10000ポンドまで出すものもある。このエリアでは50くらいのプロジェクトに援助している。財政というのは対象となる若者の数によって出る。例えば6000ポンドの支援より、3000ポンドを2つ支援することが一般的だ。このプロジェクトは効果があるかどうか考える。エリアごとの割り当てがある。あんまりいらないエリアには出ない。選択指標は仕事の質そのものよりは数的なもの。
Q.補助金の割合は?
A.コネクションズからは0.009%ぐらい。(笑い)個人の寄付が多い。まったくの寄付です。バーミンガム市からの補助金が全体の3%くらい。プロジェクトについてはそれぞれに基金をつくらなくてはならない。宝くじからはかなりくる。後、ソーシャルサービス(社会福祉)からの基金、銀行、プラミートラスト(?)、などからもらっている。例えば、自分たちの文化的遺産を維持するために出る宝くじ基金、若い人を調査してジャマイカに送ったりしてレポートを書いて、応募しもらっている。4ヶ月たったがそのようにして資金をつくっている。今やっているのは学校を退学させられた子どもたちを対象としたもの。学校を退学になったジャマイカ系の若い人たちを老人介護施設に送り込んで、昔話を集めて、最近は民族といわないで、文化的遺産についてレポートをしてウェブサイトにアップする。民族的アイデンティティーを確立するために。 文化的背景を確立させるプロジェクト。理論的には白人であろうと適応できる。
Q.そんな子どもたちがまじめにやるのか?
A.やって来ないからこっちか出ていく。退学になっている子どもを専門に扱っている組織に行って、そこに行かなくてはならないところ、そこでデモンストレーションをやってみせる。リファーラルユニットといってそこから専門に送る機関がある。そこへ出かけていく。学校の中にもリファーラルユニットがある。正規の学校教育は嫌だという子に、その代行教育の場をつくったり探したりして送る機関。いろいろネットがある。移行期間専用にいろいろある。正規の機関から落ちこぼれる人はいろいろあるのでユースワークの大きい役割がある。ユースワークというのは、正規の教育ではどうしようもないと言うところまでやった後に、具体的に働いたりさらになにかやりたい場合、どうゆう機会があるのか、どうゆう技術がいるのか、仕事体験をしてみるようなことに役に立っている。
Q.いろいろな問題を抱えている若者を地域の中で包括的な支援をやる政策がすすんでいるがその責任は?
A.コネクションズというのはもともとそんな理念に基づいて、就職だけではなくていろんなことでできてきた。しかし今はシュアスタートというところが住宅から、就職、それから食事まで全体の世話をする。結局コネクションズのパーソナルアドバイザー(PA)が責任を持ってみる。そのコネクションズの効果はPAの能力による。PAがユースワーク出身の場合には成功率が高い。PAの訓練はユースワークの2年の訓練を1年にまとめたものを使っている。
Q.コネクションズの統合政策はうまくいっていないのか?
A.5歳と19歳の真ん中は学校がやる。10代の妊娠が多いので、子どもを見るという場合に母親の面倒を見る。シュアスタートというのは、そういう名のセンターがある。子どもの時から始まるのでそういう地域を対象に初めている。
Q.今の制度は貧困層に対象としているがその他の層にはどんな問題があるのか?
A.統計として一度出てその地域への見方が確立するとそちらに資金が回る。バーミンガムの都市再生政策の対象になるところにお金が回る。空港の近くの地域を対象としているが白人が多くそうゆうところにはお金が回らない。実際には必ずしもそういう分けではなく、16歳で学校を出てその後をどうするかなどもユースワークの活動内容だ。そこにもお金は出る。5年前にそれまでの反省の結果、こうゆう仕事が必要だから何とかしようと言う方針に変わった。本当は、いろんなところで幅広く活動したいが、コネクションの規定に合わせて仕事しなくてはならないところがある。例えば、ユースワーカーと若者が一緒に仕事をしてユースワーカーのスキルを高めていくことが必要。将来に継続できるユースワーカーのスキルを高めたいがそんなことをやっている暇はない。プロジェクトの中で、そこのユースワーカーを訓練したいので、やっているがその時間は限られている。
Q.ユースワーカーはどんなところに配置されているのか?
A.ソーシャルワーカーとかそんなところにもユースワーカーを取り入れています。決められたことがやれるだけでなくそれ以上の活動ができように訓練したい。他のユースワークとも連携している、また政策をいかに実行するか注目している。若者自身が自分たちの声で政策決定者に届ける活動をしている。
Q.政策に影響を与えることができるか?
A.そう思いたい。政策機関とのネットワークに忠言を絶えず出している。我々はユース機関をまとめている組織だが、日本にはこれに対応するような組織はあるか?ここの活動はなぜアソシエーションかというと、資格もなくいろいろ善意だけでやっているような団体を援助する役割をやっている。登録しておくとここの資格のあるワーカーが支援する。そんなアソシエーションである。
訪問先名称:BAYC(Birmingham Association of Youth Clubs)
訪問日時:2007年11月26日
*【概要】*
ユースクラブの運営やユースグループのサポートを手がける団体。UK Youthという全国組織の一環という位置づけ。
*【活動内容】*
・BAYCは1898年に チョコレートのカウビーという会社が出した資金でできた団体。若い女性に自由な時間とか活動する機会を与えるためにできたもの。若い人と一緒に活動する長い歴史を持っている。百何年間の間に組織は必要に応じてだんだん変わってきた。といっても最終的な目的は若い人のために活動すること。若い人を世話をするのでなくて同等なパートナーとして活動すること。
・かつて炭坑があったブラックカントリーという地域の若者を対象に活動。
・若い女性と若い女性のために働く人のための活動を展開。代行レッスンや、教育から落ちこぼれた人のためのカリキュラム、若い未婚の母親などのための活動。アクションリサーチをやる若い人をサポートしている。このアクションリサーチはコミュニティーの中でどんな役割を負っているか若い人たち自身が調べに行く活動。若い障害者のために行っているプロジェクトもサポート。
・ユースチェンジというプロジェクト。13歳から25歳の中から選ばれた若者をパネルとして実際にプロジェクトが役に立っているかどうかを見るプロジェクトを展開。
・働いているユースワーカーはみんな資格のある人か資格を取る途中の人。その資格はデプロマ、大学卒業資格の一つ下だが、2010年までには大学卒業資格にかわる。フルタイムが8人、補助的にフルタイムの人が2人。その一人はコネクションサービスから来た人。事務関係のフルタイムが3人、その中の1人はユースワーカーとしても働いている。ボランティアは2人だが、実際にかかわっているボランティアは100人以上。90歳以上のボランテイアの人もいる。
*【質疑】*
Q.資格の内容は?
A.フルタイムで2年間、パートタイムでやると3年間かかります。ユースワークに関する理論に基づいた実践方法を教える。このコースの目的は、ボランティアのようなもので始めた人をマネージメントだとかプロジェクトをやるための資格です。ユースワークとかコミュニティーワーク、あとプレイワーク、あとマネージメントに関すること、文化的背景について、機会均等といったことについて理論に基づいた実践を勉強する。
Q.対象は?
A.主に13歳から19歳を対象にしています。援助金がここに集中しているからです。障害がある場合には28歳までです。そのやり方については公的なものであってもボランティアでも同じようなもの。一応基本的には若い人が自分で選んで活動に参加する。そのボランティアというのは学校教育と比べて義務ではないということです。
Q.コネクションズについて?
A.コネクションズでは若い人が自主的にかかわったこと以外では効果が現れていない。自主的に来ていないものに対しては事務的なことが多くなり学校的になってしまう。学校は嫌だと思っている若者に対してはコネクションズの効果は落ちてしまう。もともとコネクションズというのは若者がどこにいるか確認しておく必要があった。もともとキャリアサービスとして発展したわけだが、それがそれだけではだめでもっとインフォーマルなアプローチが必要になってきたが、それはユースワークがやってきたこと。今のコネクションズというのは書類の仕事が増えて統計を取る仕事が中心になってそんな仕事が増えてきている。コネクションズがユースワークに仕事を他の団体にコミッションしているところは成功している。そのような関係から連携したプロジェクトが始まっている。コネクションズが外部に委託して仕事をしているということだ。今、学校を出ても仕事がないので最初の仕事の体験をさせるというプロジェクトであるジャスタアス、障害者の仕事というのは政府の公金でやっているが、その活動をDVDでコネクションズに提出してコネクションズから仕事が来た。
Q.コネクションズは外に出すお金を持っているのか?
A.コネクションの資金には2種類あって、500ポンドまでの小規模なものはちょこちょこ出す。5000ポンドから10000ポンドまで出すものもある。このエリアでは50くらいのプロジェクトに援助している。財政というのは対象となる若者の数によって出る。例えば6000ポンドの支援より、3000ポンドを2つ支援することが一般的だ。このプロジェクトは効果があるかどうか考える。エリアごとの割り当てがある。あんまりいらないエリアには出ない。選択指標は仕事の質そのものよりは数的なもの。
Q.補助金の割合は?
A.コネクションズからは0.009%ぐらい。(笑い)個人の寄付が多い。まったくの寄付です。バーミンガム市からの補助金が全体の3%くらい。プロジェクトについてはそれぞれに基金をつくらなくてはならない。宝くじからはかなりくる。後、ソーシャルサービス(社会福祉)からの基金、銀行、プラミートラスト(?)、などからもらっている。例えば、自分たちの文化的遺産を維持するために出る宝くじ基金、若い人を調査してジャマイカに送ったりしてレポートを書いて、応募しもらっている。4ヶ月たったがそのようにして資金をつくっている。今やっているのは学校を退学させられた子どもたちを対象としたもの。学校を退学になったジャマイカ系の若い人たちを老人介護施設に送り込んで、昔話を集めて、最近は民族といわないで、文化的遺産についてレポートをしてウェブサイトにアップする。民族的アイデンティティーを確立するために。 文化的背景を確立させるプロジェクト。理論的には白人であろうと適応できる。
Q.そんな子どもたちがまじめにやるのか?
A.やって来ないからこっちか出ていく。退学になっている子どもを専門に扱っている組織に行って、そこに行かなくてはならないところ、そこでデモンストレーションをやってみせる。リファーラルユニットといってそこから専門に送る機関がある。そこへ出かけていく。学校の中にもリファーラルユニットがある。正規の学校教育は嫌だという子に、その代行教育の場をつくったり探したりして送る機関。いろいろネットがある。移行期間専用にいろいろある。正規の機関から落ちこぼれる人はいろいろあるのでユースワークの大きい役割がある。ユースワークというのは、正規の教育ではどうしようもないと言うところまでやった後に、具体的に働いたりさらになにかやりたい場合、どうゆう機会があるのか、どうゆう技術がいるのか、仕事体験をしてみるようなことに役に立っている。
Q.いろいろな問題を抱えている若者を地域の中で包括的な支援をやる政策がすすんでいるがその責任は?
A.コネクションズというのはもともとそんな理念に基づいて、就職だけではなくていろんなことでできてきた。しかし今はシュアスタートというところが住宅から、就職、それから食事まで全体の世話をする。結局コネクションズのパーソナルアドバイザー(PA)が責任を持ってみる。そのコネクションズの効果はPAの能力による。PAがユースワーク出身の場合には成功率が高い。PAの訓練はユースワークの2年の訓練を1年にまとめたものを使っている。
Q.コネクションズの統合政策はうまくいっていないのか?
A.5歳と19歳の真ん中は学校がやる。10代の妊娠が多いので、子どもを見るという場合に母親の面倒を見る。シュアスタートというのは、そういう名のセンターがある。子どもの時から始まるのでそういう地域を対象に初めている。
Q.今の制度は貧困層に対象としているがその他の層にはどんな問題があるのか?
A.統計として一度出てその地域への見方が確立するとそちらに資金が回る。バーミンガムの都市再生政策の対象になるところにお金が回る。空港の近くの地域を対象としているが白人が多くそうゆうところにはお金が回らない。実際には必ずしもそういう分けではなく、16歳で学校を出てその後をどうするかなどもユースワークの活動内容だ。そこにもお金は出る。5年前にそれまでの反省の結果、こうゆう仕事が必要だから何とかしようと言う方針に変わった。本当は、いろんなところで幅広く活動したいが、コネクションの規定に合わせて仕事しなくてはならないところがある。例えば、ユースワーカーと若者が一緒に仕事をしてユースワーカーのスキルを高めていくことが必要。将来に継続できるユースワーカーのスキルを高めたいがそんなことをやっている暇はない。プロジェクトの中で、そこのユースワーカーを訓練したいので、やっているがその時間は限られている。
Q.ユースワーカーはどんなところに配置されているのか?
A.ソーシャルワーカーとかそんなところにもユースワーカーを取り入れています。決められたことがやれるだけでなくそれ以上の活動ができように訓練したい。他のユースワークとも連携している、また政策をいかに実行するか注目している。若者自身が自分たちの声で政策決定者に届ける活動をしている。
Q.政策に影響を与えることができるか?
A.そう思いたい。政策機関とのネットワークに忠言を絶えず出している。我々はユース機関をまとめている組織だが、日本にはこれに対応するような組織はあるか?ここの活動はなぜアソシエーションかというと、資格もなくいろいろ善意だけでやっているような団体を援助する役割をやっている。登録しておくとここの資格のあるワーカーが支援する。そんなアソシエーションである。
Birmingham Strategic Partnership
2007年度海外調査(イギリス) [NO.3]
訪問先名称:バーミンガム市子ども・若者・家族局 戦略・委任部
Birmingham Strategic Partnership
訪問日時:2007年11月29日
*【ヒヤリングの骨子】*
○Every Child MattersやChildren’s Act、あるいはYouth Matters以降の子ども・若者行政の再編成をバーミンガム市では、どうとらえているか?ポジティブに評価する面、ネガティブに評価する面。(政策理念に関して、実際の運用や予算などの条件整備面に関して)
○こうした一連の動向以前に、バーミンガム市が手がけてきた子ども・若者行政の特徴・特色はどのようなものか、またとりわけパートナーシップ型政策・行政の経過や蓄積について。バーミンガムはパートナーシップ型行政運営の先駆けと言われていると思うが、なぜそれが可能であったと考えるか?
○市で作成したThe Children and Young People's Plan2006-2009に関して ここまでの蓄積にたって、今は何をとりわけ重視しようとしているか? またどのような点が今後の子ども・若者行政の実施において難しい課題だと認識しているか?
*【質疑】*
Q.宮本:every child matters以降、イギリスで子どもサービスに関して具体的な取り組みがどのように進んでいるのかを知りたい。実際には縦割り行政を横に括りなおすには、相当の協力や政治的な力が働かないと進まないと思うが、具体的にどういう形でその意取り組みがおこなわれているのか、そのあたりをお聞きしたい。
A.・公共部門では「うちのサービス」という意識がかなりある。それを払拭し、「子どもと若者にとって必要なものは何か」を優先し、それにあわせて仕事をするという風に考え方を変えなければいけない。
まず、子どもの成長・生活についてすべて、あらゆる人たちがサポートしなくてはいけないという考え方を導入した。そうは言っても、理想を完成するということと、実際の組織を変えていくということはまったく別の話である。そういう点では、政府が新しい方針、つまりこういうやり方で子どもたちのことを考えるべきだと主張したのは非常に立派なことだった。
今までどちらの政権においても、問題のある子に対して何かをするということだったのだが、子どもと若者をすべて対象にするという考え方は非常に新しくて斬新なことである。
・まず国が5つのスローガンを立て、これに自治体が同意した。
・いままで伝統的に、学校は成績を上げるという成果にだけ集中していた傾向にある。福祉は二次的な問題であるとされてきた。今はすべて平等に、すべての子どもがこれを享受すべきだという考えを導入した。これは餌である。監査は罰というセットで進めている。
・監査に対しては十分に金をつぎ込んでいる。国は枠組みを提示し、実行は自治体に任せた。これまでの監査では、「どういう風にやっているか、何をしたか」を主に聞いた。そして最後に、たまに、「成果はどうだったのか」と結果について、たまに聞くだけだった。いまは、「子どもたちがどういうことになっているのか」、何をしたかではなく、「どうやってそれを確認しているのか」、「なぜそれがわかるのか」を問うようになった。
Q.宮本:それは財政的な問題もあって、成果に対してシビアになったのですか?
A.・政府の意見としては、政府はかなり十分に財政をつぎ込んでいる。政府がいうのは成果であり、そのためにこれだけのお金を入れます、ただし、それをいかに効果的にやるかは自分たちで考えなさいという姿勢である。政府が方針を出したのではなくて、「これを達成するためにはこうしなくてはいけない」と、結果の重視に変わったということです。
・どうやってやるのかは言わないというのは、その責任を取らないというのではなく、集中化を和らげようということで、そこは地方で責任を持ってやりなさい、というように見たほうがいいだろう。
・ここにはOfstedが監査に来る。教育に関係あるところだからである。監査では、どうやっているかに関しては口を出さないけれども、成果にはどんどん口を出す。Ofstedは、学校に関しては非常にすぐれた専門家だったが、その他の分野(ここのような)については必死になって勉強している。
・監査の対象が年々広がるにつれて、Ofstedに対する社会の要求も大きくなっている。子どもの福祉に関して監査をやっていた機関を閉鎖し、その職員をOfstedに移したというような形である。それだけ、まったく別な背景の組織が一緒になってやっているということで、今さまざまな問題がある。
・戦略ディレクターStrategic directorのTony Howell がバーミンガムの子どもの福祉と教育の全てに責任がある。
・バーミンガム市の子ども・若者・家族局の5人のディレクター以外に、子どもにかかわる例えば警察とかコネクションズも、バーミンガム市カウンシルの外部にある機関だが、それも全部合わせてこの人が全て責任を取る。
Q.宮本:これはこれまで責任をもたなくてもよかったということですか。
A.・このポジションがなかったという意味である。
・代議士と行政職で構成されるキャビネットがある。市の内閣でメンバーは10人。その中に、Tony Howellもいるわけです。
・この人の責任のひとつに、関係各機関が協力して働くこと、働かせなくてはいけないというのものがある。
・Children’s trustをおかなければいけない。しかしその形態に関しては具体的には示していない。公共の運営になるのか、私的なものになるのか、このことはそれぞれの地で決める。
・バーミンガムの場合は、子どもの福祉・教育に関係のある機関の長が集まって、月に1回は討議をするという形になった。2年前に開始。Every child mattersが2003年に出て、2004年から開始された。
・共同に関しては、チーフ全員で同意書を作った。
・伝統的に、子どもの福祉については手薄だった。学校教育については非常に高水準の成果があった。
・コネクションズとLSCのように、政府が地方当局を通り抜けて作ったものもいくつかある。
・それぞれの機関には組織の文化というものがある。しかし今回の改革では、政府はそういうものは脇において、子どもの福祉と教育に関して成果を上げるよう努力をしなさいと言っている。
・子どもにいろいろな問題があっても、それぞれの関係機関が分離している限りは、全体像を見る人がいないので、このような政策を出した。
・2004年のChildren’s Actのなかに、Chldren’s Act 1989年が失敗した理由が書いてあるはず。
・子どもサービス全体にとって、コア・スキルの確立が重要。つまり子どもに関係ある機関から来た人たちが、まず子どもと働くことに必要なコア・スキルというものをもつことが非常に大切である。
そこで、子どもサービス職業者集団の発達Children’s workforce developmentが重視された。
・今は、当初の熱意が少し収まった感じである。いざ始めてみたら、それは非常に難しいということがわかって、現実に目覚めたという感じだろう。頭が冷えてきた。できないことは無いけれども、コア・スキルといっても、これまでにあった組織がそれぞれのやり方でやっているのであり、それを越えて皆で共有するということは、非常に難しいことである。ただし、非常に重要なことであるから、それは達成するべきである。
・イギリスというのは、他のヨーロッパ諸国と比べて子どもをあんまり喜ばないという伝統的な雰囲気があるのではないか。子どもとか若者に対して恐怖感を感じている大人がいるようである。他のヨーロッパと比べてイギリスはその傾向が強い。
・それを何とかしなくてはいけない。われわれは歓迎されていないと子ども達自身が感じている。例えば試験の結果なんかが出たときには、結果がどうであろうとよくやったと、みんながそういうことが大事である。
・そこで、あちこちに子どもの書いたポスターを貼っている。われわれは君たちを誇りに思っているというメッセージである。あんまり子どもというのを尊重しないという風土を変えようという試みである。この方法だとそんなにお金はかかっていないだろう。2~3000ポンドだろう。
・それは子ども達へのメッセージだけではなく、ここで働く人たちも、自分たちの目標はこれである、子どもを尊重するということを常に確認していくためでもある。
・TVやマスコミが描く子どもや若者のイメージが良くない。そういうものに対抗するためにも使われている。
・子どもといったときには、上限19歳。特殊な事情があるときには29歳くらいまでは責任を持つけれども、一般にはそれ以後は大人として扱われる。
・これまで ある教育段階が終わったら次の教育に行くか、訓練か、仕事に就きなさいといってきたが、法的な規制はなかった。18歳までは必ずどこかにいなければいけないという法律が始まりつつある。
それまだ最終的には法律化していないけれども、もうしたも同然になっている。だた、18歳まで全員学校教育を受けなさいということではない。
・ニートになっている子どもというのは、80年代に雇用関係で辛い思いをした親の子どもが多い。親を見ているから、わざわざせっせと働いたりしても無駄であるという傾向が強くなっている、親の影響というのが強くなっている。80年代には製造業が相次いで閉鎖した。10万の会社がなくなった。そのため文化を子どもに伝えられなくなった。
・親たちがリストラにあって、その低学歴の親の子ども達が、勉強してもしょうがないという風になって、仕事も就かないでぶらぶらするようになった。労働問題という話が出たが、結局、親がなにもしないというのを見て育った子どもは、そうなってしまう。
・25年前に非常に失業率が高くなってしまった地域は、今でも難しい問題を抱えている。この状況が正確に分析されて、統計数値で出ている。
■参考URL等
http://www.bhamsp.org.uk/
訪問先名称:バーミンガム市子ども・若者・家族局 戦略・委任部
Birmingham Strategic Partnership
訪問日時:2007年11月29日
*【ヒヤリングの骨子】*
○Every Child MattersやChildren’s Act、あるいはYouth Matters以降の子ども・若者行政の再編成をバーミンガム市では、どうとらえているか?ポジティブに評価する面、ネガティブに評価する面。(政策理念に関して、実際の運用や予算などの条件整備面に関して)
○こうした一連の動向以前に、バーミンガム市が手がけてきた子ども・若者行政の特徴・特色はどのようなものか、またとりわけパートナーシップ型政策・行政の経過や蓄積について。バーミンガムはパートナーシップ型行政運営の先駆けと言われていると思うが、なぜそれが可能であったと考えるか?
○市で作成したThe Children and Young People's Plan2006-2009に関して ここまでの蓄積にたって、今は何をとりわけ重視しようとしているか? またどのような点が今後の子ども・若者行政の実施において難しい課題だと認識しているか?
*【質疑】*
Q.宮本:every child matters以降、イギリスで子どもサービスに関して具体的な取り組みがどのように進んでいるのかを知りたい。実際には縦割り行政を横に括りなおすには、相当の協力や政治的な力が働かないと進まないと思うが、具体的にどういう形でその意取り組みがおこなわれているのか、そのあたりをお聞きしたい。
A.・公共部門では「うちのサービス」という意識がかなりある。それを払拭し、「子どもと若者にとって必要なものは何か」を優先し、それにあわせて仕事をするという風に考え方を変えなければいけない。
まず、子どもの成長・生活についてすべて、あらゆる人たちがサポートしなくてはいけないという考え方を導入した。そうは言っても、理想を完成するということと、実際の組織を変えていくということはまったく別の話である。そういう点では、政府が新しい方針、つまりこういうやり方で子どもたちのことを考えるべきだと主張したのは非常に立派なことだった。
今までどちらの政権においても、問題のある子に対して何かをするということだったのだが、子どもと若者をすべて対象にするという考え方は非常に新しくて斬新なことである。
・まず国が5つのスローガンを立て、これに自治体が同意した。
・いままで伝統的に、学校は成績を上げるという成果にだけ集中していた傾向にある。福祉は二次的な問題であるとされてきた。今はすべて平等に、すべての子どもがこれを享受すべきだという考えを導入した。これは餌である。監査は罰というセットで進めている。
・監査に対しては十分に金をつぎ込んでいる。国は枠組みを提示し、実行は自治体に任せた。これまでの監査では、「どういう風にやっているか、何をしたか」を主に聞いた。そして最後に、たまに、「成果はどうだったのか」と結果について、たまに聞くだけだった。いまは、「子どもたちがどういうことになっているのか」、何をしたかではなく、「どうやってそれを確認しているのか」、「なぜそれがわかるのか」を問うようになった。
Q.宮本:それは財政的な問題もあって、成果に対してシビアになったのですか?
A.・政府の意見としては、政府はかなり十分に財政をつぎ込んでいる。政府がいうのは成果であり、そのためにこれだけのお金を入れます、ただし、それをいかに効果的にやるかは自分たちで考えなさいという姿勢である。政府が方針を出したのではなくて、「これを達成するためにはこうしなくてはいけない」と、結果の重視に変わったということです。
・どうやってやるのかは言わないというのは、その責任を取らないというのではなく、集中化を和らげようということで、そこは地方で責任を持ってやりなさい、というように見たほうがいいだろう。
・ここにはOfstedが監査に来る。教育に関係あるところだからである。監査では、どうやっているかに関しては口を出さないけれども、成果にはどんどん口を出す。Ofstedは、学校に関しては非常にすぐれた専門家だったが、その他の分野(ここのような)については必死になって勉強している。
・監査の対象が年々広がるにつれて、Ofstedに対する社会の要求も大きくなっている。子どもの福祉に関して監査をやっていた機関を閉鎖し、その職員をOfstedに移したというような形である。それだけ、まったく別な背景の組織が一緒になってやっているということで、今さまざまな問題がある。
・戦略ディレクターStrategic directorのTony Howell がバーミンガムの子どもの福祉と教育の全てに責任がある。
・バーミンガム市の子ども・若者・家族局の5人のディレクター以外に、子どもにかかわる例えば警察とかコネクションズも、バーミンガム市カウンシルの外部にある機関だが、それも全部合わせてこの人が全て責任を取る。
Q.宮本:これはこれまで責任をもたなくてもよかったということですか。
A.・このポジションがなかったという意味である。
・代議士と行政職で構成されるキャビネットがある。市の内閣でメンバーは10人。その中に、Tony Howellもいるわけです。
・この人の責任のひとつに、関係各機関が協力して働くこと、働かせなくてはいけないというのものがある。
・Children’s trustをおかなければいけない。しかしその形態に関しては具体的には示していない。公共の運営になるのか、私的なものになるのか、このことはそれぞれの地で決める。
・バーミンガムの場合は、子どもの福祉・教育に関係のある機関の長が集まって、月に1回は討議をするという形になった。2年前に開始。Every child mattersが2003年に出て、2004年から開始された。
・共同に関しては、チーフ全員で同意書を作った。
・伝統的に、子どもの福祉については手薄だった。学校教育については非常に高水準の成果があった。
・コネクションズとLSCのように、政府が地方当局を通り抜けて作ったものもいくつかある。
・それぞれの機関には組織の文化というものがある。しかし今回の改革では、政府はそういうものは脇において、子どもの福祉と教育に関して成果を上げるよう努力をしなさいと言っている。
・子どもにいろいろな問題があっても、それぞれの関係機関が分離している限りは、全体像を見る人がいないので、このような政策を出した。
・2004年のChildren’s Actのなかに、Chldren’s Act 1989年が失敗した理由が書いてあるはず。
・子どもサービス全体にとって、コア・スキルの確立が重要。つまり子どもに関係ある機関から来た人たちが、まず子どもと働くことに必要なコア・スキルというものをもつことが非常に大切である。
そこで、子どもサービス職業者集団の発達Children’s workforce developmentが重視された。
・今は、当初の熱意が少し収まった感じである。いざ始めてみたら、それは非常に難しいということがわかって、現実に目覚めたという感じだろう。頭が冷えてきた。できないことは無いけれども、コア・スキルといっても、これまでにあった組織がそれぞれのやり方でやっているのであり、それを越えて皆で共有するということは、非常に難しいことである。ただし、非常に重要なことであるから、それは達成するべきである。
・イギリスというのは、他のヨーロッパ諸国と比べて子どもをあんまり喜ばないという伝統的な雰囲気があるのではないか。子どもとか若者に対して恐怖感を感じている大人がいるようである。他のヨーロッパと比べてイギリスはその傾向が強い。
・それを何とかしなくてはいけない。われわれは歓迎されていないと子ども達自身が感じている。例えば試験の結果なんかが出たときには、結果がどうであろうとよくやったと、みんながそういうことが大事である。
・そこで、あちこちに子どもの書いたポスターを貼っている。われわれは君たちを誇りに思っているというメッセージである。あんまり子どもというのを尊重しないという風土を変えようという試みである。この方法だとそんなにお金はかかっていないだろう。2~3000ポンドだろう。
・それは子ども達へのメッセージだけではなく、ここで働く人たちも、自分たちの目標はこれである、子どもを尊重するということを常に確認していくためでもある。
・TVやマスコミが描く子どもや若者のイメージが良くない。そういうものに対抗するためにも使われている。
・子どもといったときには、上限19歳。特殊な事情があるときには29歳くらいまでは責任を持つけれども、一般にはそれ以後は大人として扱われる。
・これまで ある教育段階が終わったら次の教育に行くか、訓練か、仕事に就きなさいといってきたが、法的な規制はなかった。18歳までは必ずどこかにいなければいけないという法律が始まりつつある。
それまだ最終的には法律化していないけれども、もうしたも同然になっている。だた、18歳まで全員学校教育を受けなさいということではない。
・ニートになっている子どもというのは、80年代に雇用関係で辛い思いをした親の子どもが多い。親を見ているから、わざわざせっせと働いたりしても無駄であるという傾向が強くなっている、親の影響というのが強くなっている。80年代には製造業が相次いで閉鎖した。10万の会社がなくなった。そのため文化を子どもに伝えられなくなった。
・親たちがリストラにあって、その低学歴の親の子ども達が、勉強してもしょうがないという風になって、仕事も就かないでぶらぶらするようになった。労働問題という話が出たが、結局、親がなにもしないというのを見て育った子どもは、そうなってしまう。
・25年前に非常に失業率が高くなってしまった地域は、今でも難しい問題を抱えている。この状況が正確に分析されて、統計数値で出ている。
■参考URL等
http://www.bhamsp.org.uk/
Birmingham City Council Youth Service
2007年度海外調査(イギリス) [NO.4]
訪問先名称:バーミンガム市学校教育・変形教育部ユースサービス担当
Birmingham City Council Youth Service
訪問日時:2007年11月29日
*【ヒヤリングの骨子】*
Every Child MattersやChildren’s Act、あるいはYouth Matters以降の子ども・若者行政の再編成をバーミンガム市では、どうとらえているか?ポジティブに評価する面、ネガティブに評価する面。(政策理念に関して、実際の運用や予算などの条件整備面に関して)
こうした一連の動向以前に、バーミンガム市が手がけてきた子ども・若者行政の特徴・特色はどのようなものか、またとりわけパートナーシップ型政策・行政の経過や蓄積について。バーミンガムはパートナーシップ型行政運営の先駆けと言われていると思うが、なぜそれが可能であったと考えるか?
市で作成したThe Children and Young People's Plan2006-2009に関して ここまでの蓄積にたって、今は何をとりわけ重視しようとしているか? またどのような点が今後の子ども・若者行政の実施において難しい課題だと認識しているか?
*【子ども・若者・家族局は5つのセクションから構成されている】*
1.transforming Education, 2.inclusion Services 3.specialist service 4.strategy & commissioning 5.Business support
ユースワークは、もともと教会の活動から出たもの。1960年以後ユースワークが仕事として確立してきた。現在は大学卒業の資格をもつユースワーカーができた。
・ユースサービスは4つの目標(Youth Mattersで提示)を達成しなければならない。
「10年計画 the National Service Framework for Children, Young People and Maternity Service, 10 years programme to stimulate long-term and sustained improvement in children’s health」
政府が出した初めてのもの。妊娠から大人になるまでの公正で高い質と統合された保健・社会的ケアを強化する、子ども・若者・妊産婦の保健・社会サービスの標準を確立するもの。
*【1.ユースサービスは、ユニバーサルサービスである】*
問題がある若者だけの対策ではなく、若い人一般の政策である。
若者のための場所(プログラムを実施している場所)は、安全に楽しく皆で一緒に過ごせる所であり、そこにいる大人は資格を持っている。若者に何をどのようにサポートするかを理解している人がそこにいるということ。若い人なら誰でも行ける。問題を持っている人でなければいけないということではない。
これが、とくにコネクションが中心にやるようなサービスである。義務教育が終わった先のことをサポートするサービスである。
*【2.情報、助言、ガイダンス】*
この中の一つがキャリアサービスである。
情報サービス:インフォメーションショップ(学校教育の外にあるいろいろな問題についての様々な情報提供)市内に5ヶ所ある。
*【3.コミュニティに積極的に参加する】*
全国に100万の機会を作ろうという計画
自分が役に立っている、コミュニティの中に役割があると若者は責任をもって仕事をしようという気持ちになる。
*【質疑】*
Q.宮本:フィンランドでも若者の参加への取り組みが積極的に行われていたがイギリスでもそうか?
A.・だいたい北ヨーロッパではそういうことがかなり広く行われているのではないか。
・これの一番いいところは、今まで過去20年間くらい若者政策というと、若者対策をどうするか、若者の犯罪であるとか、そういったことをどういうふうにするかということだけが政策の対象だったのが、この政策はそういうのではなく、健全な若者にさらに機会を与える、そういうところを見ているところが非常にいい。問題がある若者を引き上げるとか、問題があるから対策をとっていくのではなくて、若者であるからそういうことがあって当然だという気持ちであたることが重要である。
Q.宮本:2007年の提言の長所:ポジティブ・シフトになった理由は何ですか?
A.・過去20年間は、若者対策だったが、ポジティブ・シフトになった。それは、今の大臣が非常に楽観的であるという個人的な性格、その人の個人的理念によるものではないか。それがかなり大きく影響しているのだろう。
・学問的な調査結果でも、全体を上げれば、問題グループも底上げされることが明らかにされている。
Q.宮本:例えばシュアスタートとかを見ると、全体をあげるというよりも問題が多い部分を底上げするという印象を受けるが、それとは違うか?
A.・ここは18歳から19歳が対象だから、シュアスタートについてはそちらの方が良く知っているだろう。
Q.ポジティブ・シフトというのは、シュアスタートなどとは違う独立した傾向なのでしょうか?10代ですね?
A.・ユースサービスは13から19歳なので、そこをみる傾向がある。0歳とか5歳ということについてはあまり関与していない。
・シュアスタートは、子どもの保護から出てきている。保護というのは問題があるから保護するのであり、そういうかたちでネガティブな方面が見やすいのではないか。子どもの福祉全体というと悲劇的な事件をきっかけにしたということがあるので、ネガティブなところを治そうという風に見えがちである。
10代になると、積極的に可能性を高めるという方向にある。
*【4.困難な問題を抱えた若者を対象にする】*
複合的な問題をもった若者を対象としている。
複合的な問題のある若い人というのは、解決のためにはたとえば14ヶ所くらい行かないと改善されない。しかし、これまでは横のつながりが全くなかった。
〈統合的な若者サービス(IYS)〉
サービスは統合的に行われなければならない。
実際にどういう組み合わせで、どのようにやるかは各地方に任されている。
各地方でいろんなやりかたがでてきている
一般的な例:ユースサービス、コネクションズ、犯罪防止関係、10代の妊娠、麻薬関係などの機関が集まる傾向がある。
諸機関の統合は、言うのは簡単だが実際には問題がある。
1.情報の共有、2.訓練の共同実施、3.会員で頻繁に会合をもつ
・目指すべき方向はみんな理解している。問題は、どうやってやるか、何をやるかである。ごちゃごちゃ言わず、とにかく成果が現われるようにすることが大切である。また、何をやるかではなく、どうやってやるかだ。
・今後、ユースサービス向け予算が、青少年のその他のものへと移動することもある。既得権はきかない。その一つの傾向として、政府のお金が地方当局に来る場合、細かく分かれずまとまってくる。使い方は地方が決める。人口サイズに応じて、ラベルをつけないで国からまとめてくるのである。
この隣の建物は中央政府の支所で、そこからお金がくる。学校関係に関しては配分が決まっている。しかし徐々にその傾向を緩めていくといわれている。「追加達成目標」といって、超困難な課題を達成したらより自由に予算を使ってよい。
・政府は徐々にお金の決まりを緩めていく方向にある。そうすると言っている。
・ユースサービスは、法的に絶対やらなければいけないという法令はないので、お金を出さなくてもよいと理屈的にはいえる。非常に有効なユースサービスなら、若者一人につき一年に120ポンドを使ってよいとされている。現在バーミンガムは60ポンドくらい使っている。
・今までユースサービスは法律がなかったが、今回初めて法律でユースサービスを位置づけ、地方当局は若者にさきほどあげた4つのことを提供しなければいけないという法律になっている。
・ユースサービスの法的義務化とは?
25%の若者に接触しなければならない。若者がこちらを一目見て「いや」と言ってもそれは構わない。ここは27%に達した。
*【質疑】*
Q.宮本:27%というのは調査で把握しているのか?
A.・若者の27%がまず機関に来る。その次の目標として、その中の60%が実際にそこの活動を利用するようにならなければいけない。
・最初の27%が、その後何回も来るようだと、その時点で書類を渡して、名前、住所、民族などを書いてもらい、それを記録に載せる。最初は若者が書いてくれるか心配だったが、結構何の困難もなくやってくれる。
・データは、各地のユースセンターごとにまとめて、中央にまとまる。
・最初やったときはユースワーカーの反対があった。そういうことはユースワークがすることではないという反対だった。最初はそういうことを聞き出すと若い人が来なくなるかもしれないという心配があったが、そういうことはなく若い人は来てくれた。
・そういうことをすると、お金をもらうための証拠になる。統計的に説明できるので結果的には皆非常に喜んでいる。
・年に1回は中央政府に集めた統計を報告する。それによって中央のデータベースができる。中央のデータベースとは、ユースサービスの関係のデータベースである。
・統合政策のなかで、各自がそれぞれやっていることを、どうやってまとめるかということが問題となっている。この用紙は去年の結果である。何人職員がいるとか・・・1年に一度・・・全国比較である。
情報の取り扱いとか統計の取り方が非常に洗練されてきて、それを大いに使っている。
Q.宮本:非常にいいことだけれども、統計を取るために非常に多くのエネルギーを使っているのでは?
A.・最初の投資は非常に大きかった。各ユースセンターにコンピューターを入れて、その専門職員を雇う。そういうことで準備にお金がかかったけれども、それについては中央政府からお金が出た。
・一番重要な変化というのは関係者の職員の中の意識の変化である。こういうことが重要であるということを皆意識してきた。
・議論のやり方として、例えば学校の教師でとか、医者とかの職業は記録が全部ある。ところがユースサービスはそういうことがなかった。医者・教師・弁護士の仕事と同等の仕事としてみてもらうために、こっちもそれなりの記録をとっておくべきだ、そういうことを利用するべきだということが議論された。
・ユースサービスで働く人は、最初は面倒なことを言う人がいるけれども、ちゃんと説明して、子どものためになるということを説明すれば、なんだかんだ言わずに非常に熱心に働く。とくにここに来る人たちというのはお金を目当てにする人はいない。初め反対する人もいるが、いかに子どものためになるかということを筋道立てて説明すれば非常に良く働くし、変化に非常に柔軟に対応する。
・特に問題がある若者に関しては、このデータを関係各当局の人たちが共有できるようにする。今までユースサービス関係は政府に対して非所に批判的だった。これに関しては非常にいい方向に進んでいると思う。
Q.宮本:数値で出すというのは大変重要なことだが、場所によって困難なところとか楽なところとか当然あると思う。そこのところはどう勘案するのか?
A.・全市合わた数字でものをいうから、ちゃんと合う。
Q.宮本:評価のポイントは?
A.・利用する若者の数で評価するということはない。年に1回、年の初めに、各ユースセンター、ユースクラブはそこの達成目標を提出する。その目標に達したか、達してないかが評価のポイント。
だから、それぞれが現実に添った目標をたてて、それにむかって活動する
・ユニットプラン(達成目標)を各地区ごとに立てて、それを合わせた形でバーミンガムの達成目標というのを作る。それに基づいて市のユースサービスの活動プランというものを立てて、年の終わりにそれを検討して、どのくらい達成したか、何が達成できなかったかを検討する。
・下から積み上げて活動計画ができるが、達成目標はすべてあの5つの達成目標につながっていく。
・例えば今日どのユースセンターに行っても、ユースワーカーは、なぜやっているのか、5つの目標にどう結びついているかということを説明できるはずだ、理屈では。そこのリーダーはその背景としてなぜそういうものが出てきたかということもすべて説明できるはずだ。
・ちゃんとした計画があっても、何事かが起こると柔軟に変化していかなければいけない。
・もともとは、ユースワークというものは計画等立てるべきではない、若い人がそこに来てやりたいといったらやるものだ、それがユースワークだったのだけれども、それでは現実的な結果がでない、成果があまり出ない。
・今、計画を立てて、達成目標を立て、それがわかって活動するというふうになっている。ただ、ユースワークサービスは若者自身の意志でやるものだから、こっちで計画を立てても向こうが来なければ仕方ない。来てもこっちと全く違うことをやりたがる、そこは常に柔軟に対応している。
・そういう意味でここのスタッフは非常に技術が必要だ。常に若者の心を捉えていなければいけない。
Q.宮本:この3日間ユースワークの現場を見せてもらいましたが、若者の心を捉えながらやっているユースワーカーがいることに非常に感銘を受けました。
A.・それほどうまくいってないところもあることはあるけれども、全体としてはうまくいっている。
・10年計画の中に、社会全体として若者は問題であるという見方をやめなければいけない、ということも入っている。
・先日結婚式に招待されたが、子どもはつれてこないで下さいと書いてあった。子どもを入れないというのはわりと多くあることで、この国では珍しいことではない。若者というのは問題であるという雰囲気は非常に強い。
Q.宮本:今回私たちがフィンランドとイギリスと両方見て、ユースワークというものがきちんとある社会だと思いました。日本の場合にはその歴史がない。そこが大きな違いと思います。
A.・アメリカにもユースワークという形はない。
・児童保護に関して、アメリカやヨーロッパに比べてイギリスの法律は非常に厳しい。
・ユースワークのエッセンスというのは、理由抜きで若者と付き合う。理由なき付き合い。他の若者に関係ある仕事の場合は何かしら訳があって付き合う。ユースサービスは若者がいやだといえばそうだと認める。一切が若者の意志による。それがユースサービスのエッセンスである。
・一人のユースワーカーが1週間のうちに子どもを裁判所に連れて行かなければいけないとか、休みの計画を立てるとか、試験の成績が悪かった子を慰めるとか家庭の相談を受けるとか非常に幅広いことを何でもやっている。若者の生活の何事も批判したり批評したりしないで、大人がサポートするのがユースサービスだ。
・ユースワーカーというのは行けば必ずいる、まずそれが非常に重要なことである。
・批判したり反対したりしないとは言っても、基準ははっきり作る。「こういうことは社会的に受け入れられないのでここでは受けられない」という基準。境界線ははっきりしている。外の大人に罵詈雑言を浴びせるとか暴力を働くようなものは受けられないということをはっきりさせて、そういうことをする子は入れないのではなく、受け入れていくように活動していく。はっきり初めにわからせることは大切である。誰でも何でも無条件に受け入れているわけではない。
・コネクションというのは悪口が書かれることが良くあるが、実際にいいことはかなりやっている。悪いことは新聞に載りやすい。
Q.宮本:今回、コネクションズとユースワークの両方にヒヤリングをしたが、ユースワークの人たちは、はじめコネクションズに対してかなり批判的だったけれども、5年くらいの間にコネクションズを受け入れるようになっているという印象を持ったが?
A.・コネクションズは悪口を書かれることが多いが、よくやっているところもある。5年間でユースワークがコネクションズを受け入れるようになっている。
ここで資格を取った9人のユースワーカーが、コネクションズに出向して働いている。あるコネクションズ(私たちが訪問したところ)の7人の中の1人がここのメンバーで、パーソナルアドバイザーとして働いている。若い人のデータを入力してここによこす。
・現在は各機関が異なった地域割をしているため、連携で障害になっている。それは今の問題である。
悲観的に見れば、すでにしっかりと確立した警察であるとかそういうものが、自分たちのやり方を変えるということはまずないだろう。完全に協力することは難しいのではないか。それでも働いている人に真摯な気持ちはある。
■参考URL等
http://services.bgfl.org/services/youth/default.htm
訪問先名称:バーミンガム市学校教育・変形教育部ユースサービス担当
Birmingham City Council Youth Service
訪問日時:2007年11月29日
*【ヒヤリングの骨子】*
Every Child MattersやChildren’s Act、あるいはYouth Matters以降の子ども・若者行政の再編成をバーミンガム市では、どうとらえているか?ポジティブに評価する面、ネガティブに評価する面。(政策理念に関して、実際の運用や予算などの条件整備面に関して)
こうした一連の動向以前に、バーミンガム市が手がけてきた子ども・若者行政の特徴・特色はどのようなものか、またとりわけパートナーシップ型政策・行政の経過や蓄積について。バーミンガムはパートナーシップ型行政運営の先駆けと言われていると思うが、なぜそれが可能であったと考えるか?
市で作成したThe Children and Young People's Plan2006-2009に関して ここまでの蓄積にたって、今は何をとりわけ重視しようとしているか? またどのような点が今後の子ども・若者行政の実施において難しい課題だと認識しているか?
*【子ども・若者・家族局は5つのセクションから構成されている】*
1.transforming Education, 2.inclusion Services 3.specialist service 4.strategy & commissioning 5.Business support
ユースワークは、もともと教会の活動から出たもの。1960年以後ユースワークが仕事として確立してきた。現在は大学卒業の資格をもつユースワーカーができた。
・ユースサービスは4つの目標(Youth Mattersで提示)を達成しなければならない。
「10年計画 the National Service Framework for Children, Young People and Maternity Service, 10 years programme to stimulate long-term and sustained improvement in children’s health」
政府が出した初めてのもの。妊娠から大人になるまでの公正で高い質と統合された保健・社会的ケアを強化する、子ども・若者・妊産婦の保健・社会サービスの標準を確立するもの。
*【1.ユースサービスは、ユニバーサルサービスである】*
問題がある若者だけの対策ではなく、若い人一般の政策である。
若者のための場所(プログラムを実施している場所)は、安全に楽しく皆で一緒に過ごせる所であり、そこにいる大人は資格を持っている。若者に何をどのようにサポートするかを理解している人がそこにいるということ。若い人なら誰でも行ける。問題を持っている人でなければいけないということではない。
これが、とくにコネクションが中心にやるようなサービスである。義務教育が終わった先のことをサポートするサービスである。
*【2.情報、助言、ガイダンス】*
この中の一つがキャリアサービスである。
情報サービス:インフォメーションショップ(学校教育の外にあるいろいろな問題についての様々な情報提供)市内に5ヶ所ある。
*【3.コミュニティに積極的に参加する】*
全国に100万の機会を作ろうという計画
自分が役に立っている、コミュニティの中に役割があると若者は責任をもって仕事をしようという気持ちになる。
*【質疑】*
Q.宮本:フィンランドでも若者の参加への取り組みが積極的に行われていたがイギリスでもそうか?
A.・だいたい北ヨーロッパではそういうことがかなり広く行われているのではないか。
・これの一番いいところは、今まで過去20年間くらい若者政策というと、若者対策をどうするか、若者の犯罪であるとか、そういったことをどういうふうにするかということだけが政策の対象だったのが、この政策はそういうのではなく、健全な若者にさらに機会を与える、そういうところを見ているところが非常にいい。問題がある若者を引き上げるとか、問題があるから対策をとっていくのではなくて、若者であるからそういうことがあって当然だという気持ちであたることが重要である。
Q.宮本:2007年の提言の長所:ポジティブ・シフトになった理由は何ですか?
A.・過去20年間は、若者対策だったが、ポジティブ・シフトになった。それは、今の大臣が非常に楽観的であるという個人的な性格、その人の個人的理念によるものではないか。それがかなり大きく影響しているのだろう。
・学問的な調査結果でも、全体を上げれば、問題グループも底上げされることが明らかにされている。
Q.宮本:例えばシュアスタートとかを見ると、全体をあげるというよりも問題が多い部分を底上げするという印象を受けるが、それとは違うか?
A.・ここは18歳から19歳が対象だから、シュアスタートについてはそちらの方が良く知っているだろう。
Q.ポジティブ・シフトというのは、シュアスタートなどとは違う独立した傾向なのでしょうか?10代ですね?
A.・ユースサービスは13から19歳なので、そこをみる傾向がある。0歳とか5歳ということについてはあまり関与していない。
・シュアスタートは、子どもの保護から出てきている。保護というのは問題があるから保護するのであり、そういうかたちでネガティブな方面が見やすいのではないか。子どもの福祉全体というと悲劇的な事件をきっかけにしたということがあるので、ネガティブなところを治そうという風に見えがちである。
10代になると、積極的に可能性を高めるという方向にある。
*【4.困難な問題を抱えた若者を対象にする】*
複合的な問題をもった若者を対象としている。
複合的な問題のある若い人というのは、解決のためにはたとえば14ヶ所くらい行かないと改善されない。しかし、これまでは横のつながりが全くなかった。
〈統合的な若者サービス(IYS)〉
サービスは統合的に行われなければならない。
実際にどういう組み合わせで、どのようにやるかは各地方に任されている。
各地方でいろんなやりかたがでてきている
一般的な例:ユースサービス、コネクションズ、犯罪防止関係、10代の妊娠、麻薬関係などの機関が集まる傾向がある。
諸機関の統合は、言うのは簡単だが実際には問題がある。
1.情報の共有、2.訓練の共同実施、3.会員で頻繁に会合をもつ
・目指すべき方向はみんな理解している。問題は、どうやってやるか、何をやるかである。ごちゃごちゃ言わず、とにかく成果が現われるようにすることが大切である。また、何をやるかではなく、どうやってやるかだ。
・今後、ユースサービス向け予算が、青少年のその他のものへと移動することもある。既得権はきかない。その一つの傾向として、政府のお金が地方当局に来る場合、細かく分かれずまとまってくる。使い方は地方が決める。人口サイズに応じて、ラベルをつけないで国からまとめてくるのである。
この隣の建物は中央政府の支所で、そこからお金がくる。学校関係に関しては配分が決まっている。しかし徐々にその傾向を緩めていくといわれている。「追加達成目標」といって、超困難な課題を達成したらより自由に予算を使ってよい。
・政府は徐々にお金の決まりを緩めていく方向にある。そうすると言っている。
・ユースサービスは、法的に絶対やらなければいけないという法令はないので、お金を出さなくてもよいと理屈的にはいえる。非常に有効なユースサービスなら、若者一人につき一年に120ポンドを使ってよいとされている。現在バーミンガムは60ポンドくらい使っている。
・今までユースサービスは法律がなかったが、今回初めて法律でユースサービスを位置づけ、地方当局は若者にさきほどあげた4つのことを提供しなければいけないという法律になっている。
・ユースサービスの法的義務化とは?
25%の若者に接触しなければならない。若者がこちらを一目見て「いや」と言ってもそれは構わない。ここは27%に達した。
*【質疑】*
Q.宮本:27%というのは調査で把握しているのか?
A.・若者の27%がまず機関に来る。その次の目標として、その中の60%が実際にそこの活動を利用するようにならなければいけない。
・最初の27%が、その後何回も来るようだと、その時点で書類を渡して、名前、住所、民族などを書いてもらい、それを記録に載せる。最初は若者が書いてくれるか心配だったが、結構何の困難もなくやってくれる。
・データは、各地のユースセンターごとにまとめて、中央にまとまる。
・最初やったときはユースワーカーの反対があった。そういうことはユースワークがすることではないという反対だった。最初はそういうことを聞き出すと若い人が来なくなるかもしれないという心配があったが、そういうことはなく若い人は来てくれた。
・そういうことをすると、お金をもらうための証拠になる。統計的に説明できるので結果的には皆非常に喜んでいる。
・年に1回は中央政府に集めた統計を報告する。それによって中央のデータベースができる。中央のデータベースとは、ユースサービスの関係のデータベースである。
・統合政策のなかで、各自がそれぞれやっていることを、どうやってまとめるかということが問題となっている。この用紙は去年の結果である。何人職員がいるとか・・・1年に一度・・・全国比較である。
情報の取り扱いとか統計の取り方が非常に洗練されてきて、それを大いに使っている。
Q.宮本:非常にいいことだけれども、統計を取るために非常に多くのエネルギーを使っているのでは?
A.・最初の投資は非常に大きかった。各ユースセンターにコンピューターを入れて、その専門職員を雇う。そういうことで準備にお金がかかったけれども、それについては中央政府からお金が出た。
・一番重要な変化というのは関係者の職員の中の意識の変化である。こういうことが重要であるということを皆意識してきた。
・議論のやり方として、例えば学校の教師でとか、医者とかの職業は記録が全部ある。ところがユースサービスはそういうことがなかった。医者・教師・弁護士の仕事と同等の仕事としてみてもらうために、こっちもそれなりの記録をとっておくべきだ、そういうことを利用するべきだということが議論された。
・ユースサービスで働く人は、最初は面倒なことを言う人がいるけれども、ちゃんと説明して、子どものためになるということを説明すれば、なんだかんだ言わずに非常に熱心に働く。とくにここに来る人たちというのはお金を目当てにする人はいない。初め反対する人もいるが、いかに子どものためになるかということを筋道立てて説明すれば非常に良く働くし、変化に非常に柔軟に対応する。
・特に問題がある若者に関しては、このデータを関係各当局の人たちが共有できるようにする。今までユースサービス関係は政府に対して非所に批判的だった。これに関しては非常にいい方向に進んでいると思う。
Q.宮本:数値で出すというのは大変重要なことだが、場所によって困難なところとか楽なところとか当然あると思う。そこのところはどう勘案するのか?
A.・全市合わた数字でものをいうから、ちゃんと合う。
Q.宮本:評価のポイントは?
A.・利用する若者の数で評価するということはない。年に1回、年の初めに、各ユースセンター、ユースクラブはそこの達成目標を提出する。その目標に達したか、達してないかが評価のポイント。
だから、それぞれが現実に添った目標をたてて、それにむかって活動する
・ユニットプラン(達成目標)を各地区ごとに立てて、それを合わせた形でバーミンガムの達成目標というのを作る。それに基づいて市のユースサービスの活動プランというものを立てて、年の終わりにそれを検討して、どのくらい達成したか、何が達成できなかったかを検討する。
・下から積み上げて活動計画ができるが、達成目標はすべてあの5つの達成目標につながっていく。
・例えば今日どのユースセンターに行っても、ユースワーカーは、なぜやっているのか、5つの目標にどう結びついているかということを説明できるはずだ、理屈では。そこのリーダーはその背景としてなぜそういうものが出てきたかということもすべて説明できるはずだ。
・ちゃんとした計画があっても、何事かが起こると柔軟に変化していかなければいけない。
・もともとは、ユースワークというものは計画等立てるべきではない、若い人がそこに来てやりたいといったらやるものだ、それがユースワークだったのだけれども、それでは現実的な結果がでない、成果があまり出ない。
・今、計画を立てて、達成目標を立て、それがわかって活動するというふうになっている。ただ、ユースワークサービスは若者自身の意志でやるものだから、こっちで計画を立てても向こうが来なければ仕方ない。来てもこっちと全く違うことをやりたがる、そこは常に柔軟に対応している。
・そういう意味でここのスタッフは非常に技術が必要だ。常に若者の心を捉えていなければいけない。
Q.宮本:この3日間ユースワークの現場を見せてもらいましたが、若者の心を捉えながらやっているユースワーカーがいることに非常に感銘を受けました。
A.・それほどうまくいってないところもあることはあるけれども、全体としてはうまくいっている。
・10年計画の中に、社会全体として若者は問題であるという見方をやめなければいけない、ということも入っている。
・先日結婚式に招待されたが、子どもはつれてこないで下さいと書いてあった。子どもを入れないというのはわりと多くあることで、この国では珍しいことではない。若者というのは問題であるという雰囲気は非常に強い。
Q.宮本:今回私たちがフィンランドとイギリスと両方見て、ユースワークというものがきちんとある社会だと思いました。日本の場合にはその歴史がない。そこが大きな違いと思います。
A.・アメリカにもユースワークという形はない。
・児童保護に関して、アメリカやヨーロッパに比べてイギリスの法律は非常に厳しい。
・ユースワークのエッセンスというのは、理由抜きで若者と付き合う。理由なき付き合い。他の若者に関係ある仕事の場合は何かしら訳があって付き合う。ユースサービスは若者がいやだといえばそうだと認める。一切が若者の意志による。それがユースサービスのエッセンスである。
・一人のユースワーカーが1週間のうちに子どもを裁判所に連れて行かなければいけないとか、休みの計画を立てるとか、試験の成績が悪かった子を慰めるとか家庭の相談を受けるとか非常に幅広いことを何でもやっている。若者の生活の何事も批判したり批評したりしないで、大人がサポートするのがユースサービスだ。
・ユースワーカーというのは行けば必ずいる、まずそれが非常に重要なことである。
・批判したり反対したりしないとは言っても、基準ははっきり作る。「こういうことは社会的に受け入れられないのでここでは受けられない」という基準。境界線ははっきりしている。外の大人に罵詈雑言を浴びせるとか暴力を働くようなものは受けられないということをはっきりさせて、そういうことをする子は入れないのではなく、受け入れていくように活動していく。はっきり初めにわからせることは大切である。誰でも何でも無条件に受け入れているわけではない。
・コネクションというのは悪口が書かれることが良くあるが、実際にいいことはかなりやっている。悪いことは新聞に載りやすい。
Q.宮本:今回、コネクションズとユースワークの両方にヒヤリングをしたが、ユースワークの人たちは、はじめコネクションズに対してかなり批判的だったけれども、5年くらいの間にコネクションズを受け入れるようになっているという印象を持ったが?
A.・コネクションズは悪口を書かれることが多いが、よくやっているところもある。5年間でユースワークがコネクションズを受け入れるようになっている。
ここで資格を取った9人のユースワーカーが、コネクションズに出向して働いている。あるコネクションズ(私たちが訪問したところ)の7人の中の1人がここのメンバーで、パーソナルアドバイザーとして働いている。若い人のデータを入力してここによこす。
・現在は各機関が異なった地域割をしているため、連携で障害になっている。それは今の問題である。
悲観的に見れば、すでにしっかりと確立した警察であるとかそういうものが、自分たちのやり方を変えるということはまずないだろう。完全に協力することは難しいのではないか。それでも働いている人に真摯な気持ちはある。
■参考URL等
http://services.bgfl.org/services/youth/default.htm
Youth-wise Detached Project
2007年度海外調査(イギリス) [NO.5]
訪問先名称:Youth-wise Detached Project
訪問日時:2007年11月28日 18時~20時
*【概要】*
オフィスは、地域のユースセンター(コミュニティセンターが一体になった場所?)の一角にある。あとで話を聞いてわかったが、彼らはvoluntary組織だが、ここは市のユースサービスのオフィスと同居しているのだという。同じ部屋の彼らの机スペースの隣には、シティカウンシルのユースワーカーたちの机スペースもあった。この日は、NickとBerdyが話を聞かせてくれた。二人とも20代後半から30代という感じ?この二人以外にあと、たぶん20代前半ぐらいのより若いスタッフが二人いて、彼らは私たちと入れ違いに、夕方の街に出かけて行った。YouthWiseというイニシアル入りのトレーナを来て、腕章のようなものを付けていた。
ここは独立したチャリティ団体で、市からも少しは資金を得ている。若者たちとは先生でも大人でも警官でもない、平等な大人としての関係を築こうとしている。それはプロフェッショナルな関係という意味でもある。
*【歴史・経過】*
ここは1985年にできた。が、決まった収入がないので、途中で予算が来なくなったこともある。当初はデタッチドワークをやっていたが、プロジェクト的活動を始めるようになったら、そちらに予算が来ることもあり、当初の活動ができなくなっていた。そこでプロジェクトも終わりに近づき、次の予算の目処が立たなくなったとき、もう一度自分たちの活動を見直すために、2006年9月から2007年3月までここを閉じることにした。
その後、あらたな予算としてneighborhood renewed fundを申請して、あらたなスタッフを募集し、07年4月からあらためて当初のデタッチドワークの活動に戻って再スタートを切った。いまはようやく組織が安定してきたところ。Berdyだけが当初からのメンバーで、あとはみなあらたなメンバー。4月からで延べ600人ぐらいとコンタクトをもっている。実数でいえば100人ぐらいか。そのうち深く関わった人が30人ぐらい。
85年前後にこの組織を立ち上げた経過は、当時この地域に4つのユースセンターがあったが、若者たちは寄りつずうろつき回っていた。たむろするだけで暴力をふるったりするわけではなかったが、そういう現状を案じるなかから、まずはうろつき回っている連中に、何が面白くてそうしてるのか?と聞いて回った。そうしたらユースセンターの活動は規則がありすぎる、それより友達と楽しくしていたいとのこと。でも、そうは良いながらも何かをやりたがっていた。犯罪の加害者にも被害者にもなりうるところを、彼らは問題を認識しようとせずに、現状にあきらめているようにみえた。自分たちは、そんな彼らに他のチョイスもありうることを伝えていくことが仕事だった。かつてはアプレンティスシップに入って、そこでいろんな年代と関わることができたが、いまは同年代としかつきあう機会がないので、ソーシャル・スキルを養う機会が乏しい。
*【活動スタイル・性格】*
活動の基本は、彼ら当事者が関心あることをやること。それが結果的には何かの学習経験になることもある。ただぶらぶらしているよりいい。主な活動はここのユースセンターなどで行うが、休暇中は課外活動に連れて行くこともある。自分たちの活動は、disadvanttagedな若者とこうしたユースセンターを結びつける仕事ともいえる。
乗馬に関心ある人を集めて一週間ぐらいのプログラムをつくったりしているが、そういった活動はいわば「エサ」みたいなもので、それを通じて当人が抱えている問題を解決していくことが目的。オートバイに不法に乗っている連中に近づいていって、もっと合法的に楽しもうよと持ちかけて、そこから仕事に繋いでいくということもある。またワーカー自身が個々にもっているスキルをうまく生かしながら、若者と関わることも工夫している。乗馬の好きなワーカーは、それでつながりをつくるなど。
若者に近づいていくときの決まり文句みたいなものは、「やったことがあることで、やりたいことは何か」「やったことがないことで、やってみたいことは何か」というもの。中にはスタッフ自身やったことがないこともあるが、それを一緒にやっていくと自信もついて次に何かやりたいと思うようになる。
*【若者へのアプローチ】*
他の機関への紹介などだが、若者たちが抱えている様々な問題のなかには専門家が必要になる場合もあるが、若者への関わり方としては、明らかに危険になる場合以外は、当事者が求めたり同意した場合に関わるようにしている。どういうサポートが必要かは、若者自身が選ぶもの。
若い人との関係づくりには時間が必要で、ワーカーたちにもトレーニングが必要。仕事の上で難しいのは、信頼関係を打ち立てること。若い人は目が肥えているから、人を見分けられる。自分たちに最初近づいてくるときも「こういうことして、金もらってるのか」とか聞いてくる。そこでいろいろしゃべっている中から関心をもって、ユースワーカーを目指すようになる人もいる。この仕事に就いている人は、概してユースワークの経験があることが多い。
*【スタッフとして】*
こういう仕事に就いたきっかけ・動機としては、Berdyの場合は、若い人たちが頼れる人がおらず、機会を与えられていないことに怒りをおぼえたこと。Nickは、自分が豊かな機会に恵まれて育ってきたために、自分が得た利益を少しは返していきたくて、この仕事に就いたという。
Nickは市の職員として、ここに派遣されている立場。市がお金を出すのでなく、人を出した形。その方が結局お金がかかるものだから。両者の立場を持つことのジレンマについては、市当局のターゲットと民間団体のターゲットがずれるようなことがあると難しいだろう。どちらかを選ばなければならなくなったら、YouthWiseの方を選ぶだろう。ここに来ているのは市の権威を示すためでなく、YouthWiseのために来ているのだから。
*【周辺地域の特性・状況】*
この地域の特徴について、白人中心で、British National Partyも一定の力をもつなど、レイシズムが生まれやすい地域。以前にかなり差別的な状況があって、いったんは地域にいたパキスタン系の人たちなどが出て行った。しかし7~8年前に人種対等のための職員がおかれてから、コミュニティの意識が少し変わってきた。そのなかで、もう一度この地域に戻ってくるパキスタン系の人たちが増えつつあり、そうすると再びその傾向への反感も生まれつつある。もともとあった製造業がなくなり、サービス業が増えているのだが、遠くまで仕事を見つけに行きたがらないために、結果的に失業率が高くなっている。
こうした話をうかがったあと、既に先に街に出ていたスタッフと合流する予定のNickとともに少しだけ周囲を一緒に歩いた。その日は雨模様だったこともあり、Nickがいうには非常に静かな晩で、ほとんど外にいる人には出会わなかったが、夏場などは途中にあった公園と空き地の中間のような場所が、若者たちの格好の夜の遊び場・たまり場になるのだと話していた。
■参考URL等
http://www.bgfl.org/bgfl/44.cfm?zs=n (Birmingham Youth Service)
訪問先名称:Youth-wise Detached Project
訪問日時:2007年11月28日 18時~20時
*【概要】*
オフィスは、地域のユースセンター(コミュニティセンターが一体になった場所?)の一角にある。あとで話を聞いてわかったが、彼らはvoluntary組織だが、ここは市のユースサービスのオフィスと同居しているのだという。同じ部屋の彼らの机スペースの隣には、シティカウンシルのユースワーカーたちの机スペースもあった。この日は、NickとBerdyが話を聞かせてくれた。二人とも20代後半から30代という感じ?この二人以外にあと、たぶん20代前半ぐらいのより若いスタッフが二人いて、彼らは私たちと入れ違いに、夕方の街に出かけて行った。YouthWiseというイニシアル入りのトレーナを来て、腕章のようなものを付けていた。
ここは独立したチャリティ団体で、市からも少しは資金を得ている。若者たちとは先生でも大人でも警官でもない、平等な大人としての関係を築こうとしている。それはプロフェッショナルな関係という意味でもある。
*【歴史・経過】*
ここは1985年にできた。が、決まった収入がないので、途中で予算が来なくなったこともある。当初はデタッチドワークをやっていたが、プロジェクト的活動を始めるようになったら、そちらに予算が来ることもあり、当初の活動ができなくなっていた。そこでプロジェクトも終わりに近づき、次の予算の目処が立たなくなったとき、もう一度自分たちの活動を見直すために、2006年9月から2007年3月までここを閉じることにした。
その後、あらたな予算としてneighborhood renewed fundを申請して、あらたなスタッフを募集し、07年4月からあらためて当初のデタッチドワークの活動に戻って再スタートを切った。いまはようやく組織が安定してきたところ。Berdyだけが当初からのメンバーで、あとはみなあらたなメンバー。4月からで延べ600人ぐらいとコンタクトをもっている。実数でいえば100人ぐらいか。そのうち深く関わった人が30人ぐらい。
85年前後にこの組織を立ち上げた経過は、当時この地域に4つのユースセンターがあったが、若者たちは寄りつずうろつき回っていた。たむろするだけで暴力をふるったりするわけではなかったが、そういう現状を案じるなかから、まずはうろつき回っている連中に、何が面白くてそうしてるのか?と聞いて回った。そうしたらユースセンターの活動は規則がありすぎる、それより友達と楽しくしていたいとのこと。でも、そうは良いながらも何かをやりたがっていた。犯罪の加害者にも被害者にもなりうるところを、彼らは問題を認識しようとせずに、現状にあきらめているようにみえた。自分たちは、そんな彼らに他のチョイスもありうることを伝えていくことが仕事だった。かつてはアプレンティスシップに入って、そこでいろんな年代と関わることができたが、いまは同年代としかつきあう機会がないので、ソーシャル・スキルを養う機会が乏しい。
*【活動スタイル・性格】*
活動の基本は、彼ら当事者が関心あることをやること。それが結果的には何かの学習経験になることもある。ただぶらぶらしているよりいい。主な活動はここのユースセンターなどで行うが、休暇中は課外活動に連れて行くこともある。自分たちの活動は、disadvanttagedな若者とこうしたユースセンターを結びつける仕事ともいえる。
乗馬に関心ある人を集めて一週間ぐらいのプログラムをつくったりしているが、そういった活動はいわば「エサ」みたいなもので、それを通じて当人が抱えている問題を解決していくことが目的。オートバイに不法に乗っている連中に近づいていって、もっと合法的に楽しもうよと持ちかけて、そこから仕事に繋いでいくということもある。またワーカー自身が個々にもっているスキルをうまく生かしながら、若者と関わることも工夫している。乗馬の好きなワーカーは、それでつながりをつくるなど。
若者に近づいていくときの決まり文句みたいなものは、「やったことがあることで、やりたいことは何か」「やったことがないことで、やってみたいことは何か」というもの。中にはスタッフ自身やったことがないこともあるが、それを一緒にやっていくと自信もついて次に何かやりたいと思うようになる。
*【若者へのアプローチ】*
他の機関への紹介などだが、若者たちが抱えている様々な問題のなかには専門家が必要になる場合もあるが、若者への関わり方としては、明らかに危険になる場合以外は、当事者が求めたり同意した場合に関わるようにしている。どういうサポートが必要かは、若者自身が選ぶもの。
若い人との関係づくりには時間が必要で、ワーカーたちにもトレーニングが必要。仕事の上で難しいのは、信頼関係を打ち立てること。若い人は目が肥えているから、人を見分けられる。自分たちに最初近づいてくるときも「こういうことして、金もらってるのか」とか聞いてくる。そこでいろいろしゃべっている中から関心をもって、ユースワーカーを目指すようになる人もいる。この仕事に就いている人は、概してユースワークの経験があることが多い。
*【スタッフとして】*
こういう仕事に就いたきっかけ・動機としては、Berdyの場合は、若い人たちが頼れる人がおらず、機会を与えられていないことに怒りをおぼえたこと。Nickは、自分が豊かな機会に恵まれて育ってきたために、自分が得た利益を少しは返していきたくて、この仕事に就いたという。
Nickは市の職員として、ここに派遣されている立場。市がお金を出すのでなく、人を出した形。その方が結局お金がかかるものだから。両者の立場を持つことのジレンマについては、市当局のターゲットと民間団体のターゲットがずれるようなことがあると難しいだろう。どちらかを選ばなければならなくなったら、YouthWiseの方を選ぶだろう。ここに来ているのは市の権威を示すためでなく、YouthWiseのために来ているのだから。
*【周辺地域の特性・状況】*
この地域の特徴について、白人中心で、British National Partyも一定の力をもつなど、レイシズムが生まれやすい地域。以前にかなり差別的な状況があって、いったんは地域にいたパキスタン系の人たちなどが出て行った。しかし7~8年前に人種対等のための職員がおかれてから、コミュニティの意識が少し変わってきた。そのなかで、もう一度この地域に戻ってくるパキスタン系の人たちが増えつつあり、そうすると再びその傾向への反感も生まれつつある。もともとあった製造業がなくなり、サービス業が増えているのだが、遠くまで仕事を見つけに行きたがらないために、結果的に失業率が高くなっている。
こうした話をうかがったあと、既に先に街に出ていたスタッフと合流する予定のNickとともに少しだけ周囲を一緒に歩いた。その日は雨模様だったこともあり、Nickがいうには非常に静かな晩で、ほとんど外にいる人には出会わなかったが、夏場などは途中にあった公園と空き地の中間のような場所が、若者たちの格好の夜の遊び場・たまり場になるのだと話していた。
■参考URL等
http://www.bgfl.org/bgfl/44.cfm?zs=n (Birmingham Youth Service)
Jericho Foundation
2007年度海外調査(イギリス) [NO.6]
訪問先名称:Jericho Foundation
訪問日時:2007年11月27日 15時~
*【概要】*
バーミンガムで多様なビジネスを展開し、長期失業者に職業訓練と有給雇用の機会を提供し、その後
【事業のミッション】
バリアを超える事。
充実した価値のある人生になるために技術をもった
非雇用者にさせること。
*【リチャードさんの自己紹介と事業の始まり】*
もともとはエンジニア、2004年にここに来た。90年代にスタート
この地域は売春の町だった(長期失業。ドラッグ。などなど)教会を中心にはじまった。
Dropping Centre(気軽に立ち寄れる場所) をつくった いろんな問題をもった人が来るところ
公共のサービスをどうやって受けるかわからないので、そこにつなげる指導をした。
CVをつくったり、失業保険をもらう手段を教えたり、などなど
仕事に就ける事は案外簡単だったが、続けさせる事は大変だった。
いままで、まともな職に就いたことがない、また仕事経験がない、という様々な問題を抱えている為。
そのためにまずはJOB Experienceをさせる事をはじめた。
しかし、雇う側は問題のある人をとりたくない、なかなか就業率が上がらない事から自分たちで仕事の場を作った。印刷業からスタートし、カフェ、クリーニング、建築業などを企業として立ち上げ、彼らの働く場を広げている。
*【事業の概要】*
失業者のためのトレーニング、職業体験の場の提供、職業斡旋、各種サポート
Jericho Foundation =チャリティー団体
Jericho CIC(Community Interest Company)=企業として下記のスモールビジネスを運営。
Jericho Foundationで集めた資金を元に運営
現在 コントラクト(市からの補助金など)64% グラント(寄付)15% トレイディング(業務による収益)21% 今後は半分を企業の利益からまかないたい。
政府に頼らず、政治的な問題から離れた就労支援活動をしていきたいと考えている。
プリント業 グリーンバック、プロモーショングッズ、名刺、Tシャツなどのデザインと印刷
デザイン部門 広告デザイン、WEBデザイン、マーケティングなど
クリーニングビジネス オフィス、教会、ショップなどの日々の清掃から特別なクリーニングまで
カフェ オフィス横に運営している。パーティーフードやサンドイッチの配達などもしている。
( 当日は3名が働いていた。)
建築業 ソーラーシステムの設置、古い家屋の改築、配管工など
*【売り上げ・収益と利用者】*
06-07年 100万ポンド (1.1ミリオン ポンド)
30名スタッフ。 50名有給者 850名がガイダンスを受けている。
*【対象者】*
16歳以上の失業者対象
2つ以上の問題を持っている事が条件 ドラッグ、犯罪経験者、麻薬、自信がない、職業経験がない、学校を出ていない など
年齢構成 18歳~24歳 75% 25歳~49歳 20% 50歳以上 5%
男女比 男性75% 女性25%
人種:アジア人 33% アフリカ、カリビアン 13% 白人 49% その他 5%
*【典型的な例による就労までのステップ】*
27歳 家なし、ホステルぐらし、長期休業 読み書き最低限しかできない
麻薬・かるい窃盗でつかまった 自信がない、人を信頼できない
→個人的な問題を解決しないと仕事につながらない
トレーニング方法
3日間仕事 1日 仕事探し 1日 訓練(ソーシャルスキル、自信をつける、お金の使い方など)
ブリッジ(麻薬から助けるためのグループホーム)との連携により生活面をサポート
30パーセントは雇用に就くが、15パーセントは戻ってくる。
失業から雇用へは簡単に移行できるが、すぐ舞い戻ってしまう。
スキルコーチング(最終的にどんな仕事をしたいかを本人からヒアリングし、現状とのギャップを埋めていくことについて計画を立て、ソフトランニングで仕事に就くまでをサポートする)市などによる補助金でサポートされる。
本人はニューディールから出る補助金+いくらかのジョブエキスペリエンスによる収入があり、生活保護よりも少し収入は高く、いろいろな訓練を受けられる。
ニューディールは仕事に就ける事を重視しているために本人の抱えている問題には感知しない。
ここでは問題を多く抱えた若者がゆっくりと仕事に付くためのサポートをしている。
⑤
④
③ スキルトレーニング
② メンタルサポートトレーングスタート
*【その他のサポートプログラム】*
○FREE イベント 1ヶ月に一回 パーティー、イベント、アクティビティーなどを行っている。
ソーシャルスキルを身につけるための場として提供している。
○ネットでできるテスト Barrier Break 自分自身でネットでテストを受ける事で自信を持てるシステム。
成果を数字として見せるために有効である。 HYPERLINK "http://www.barrierbreak.com"www.barrierbreak.com
就職まではいたらなくとも、自信、動機付けが確実に上達しているとわかる。
*【スタッフについて】*
各仕事のエキスパート(15人)スキルを持っている人
クライアントサポート(8,9人)カウンセラー、メンタル、ガイダンスティーチャー
コントラクトデパートメント(5人ぐらい)補助金を取るための仕事 一番重要
Q.ソーシャルエンタープライズに対しての税金などの対応はどのようなものか?
A. 企業としては一般企業と同じような料金でしている。税金に関してはチャリティー団体と子会社が別になっているので、子会社で利益が出たらチャリティーに戻す為にあまり税金は払わないでよい。
Q.ジェリコファンデイションがチャリティーであるためにはどのような条件があるのか?
A.チャリティー委員会が選定する。条件を満たす事が必要。
Q. 他団体との連携はありますか?
A. 《トレーニングエンプロイメントプラスタ》10~15ぐらいの(経済社会セクター)同じような志をもった組織のリーダーをこの団体がしている。EREF(ヨーロッパにある団体)からの補助金をもらうため、一団体では弱いので、また 団体の発展、組織同士での交流・トレーニング、基金の要求の為に動いている。
政府は都市(インナーシティー)、大規模な団体に集中している。小さな団体や地方には支援の手が届きにくい。小さな団体にも資金がいくように目指している。
Q.ジェリコを出た後はどのような将来を歩むのか?
A. 30パーセントは仕事に就く、10パーセント~15パーセントは戻ってくる。
Q. 企業を大きくしたい目的は利用者を増やす事なのか、もしくは雇用をしていきたいという事なのか
A.現在はワークエキスペリエンスを提供しているが、将来的には本格的な仕事を提供したい。
現在6ヶ月に1度は訓練生の中から人を雇っている。もっと雇えるような基盤を作りたい。
*【地域*】
地域には移民が多く住んでおり、近くにはイスラムリソースセンター
コネクションズの看板もあった。
カフェと事務所は同じビルの中にあり、研修室などもあり、活動を
している様子だった。
■参考URL
http://www.jcp.org.uk/"http://www.jcp.org.uk/
訪問先名称:Jericho Foundation
訪問日時:2007年11月27日 15時~
*【概要】*
バーミンガムで多様なビジネスを展開し、長期失業者に職業訓練と有給雇用の機会を提供し、その後
【事業のミッション】
バリアを超える事。
充実した価値のある人生になるために技術をもった
非雇用者にさせること。
*【リチャードさんの自己紹介と事業の始まり】*
もともとはエンジニア、2004年にここに来た。90年代にスタート
この地域は売春の町だった(長期失業。ドラッグ。などなど)教会を中心にはじまった。
Dropping Centre(気軽に立ち寄れる場所) をつくった いろんな問題をもった人が来るところ
公共のサービスをどうやって受けるかわからないので、そこにつなげる指導をした。
CVをつくったり、失業保険をもらう手段を教えたり、などなど
仕事に就ける事は案外簡単だったが、続けさせる事は大変だった。
いままで、まともな職に就いたことがない、また仕事経験がない、という様々な問題を抱えている為。
そのためにまずはJOB Experienceをさせる事をはじめた。
しかし、雇う側は問題のある人をとりたくない、なかなか就業率が上がらない事から自分たちで仕事の場を作った。印刷業からスタートし、カフェ、クリーニング、建築業などを企業として立ち上げ、彼らの働く場を広げている。
*【事業の概要】*
失業者のためのトレーニング、職業体験の場の提供、職業斡旋、各種サポート
Jericho Foundation =チャリティー団体
Jericho CIC(Community Interest Company)=企業として下記のスモールビジネスを運営。
Jericho Foundationで集めた資金を元に運営
現在 コントラクト(市からの補助金など)64% グラント(寄付)15% トレイディング(業務による収益)21% 今後は半分を企業の利益からまかないたい。
政府に頼らず、政治的な問題から離れた就労支援活動をしていきたいと考えている。
プリント業 グリーンバック、プロモーショングッズ、名刺、Tシャツなどのデザインと印刷
デザイン部門 広告デザイン、WEBデザイン、マーケティングなど
クリーニングビジネス オフィス、教会、ショップなどの日々の清掃から特別なクリーニングまで
カフェ オフィス横に運営している。パーティーフードやサンドイッチの配達などもしている。
( 当日は3名が働いていた。)
建築業 ソーラーシステムの設置、古い家屋の改築、配管工など
*【売り上げ・収益と利用者】*
06-07年 100万ポンド (1.1ミリオン ポンド)
30名スタッフ。 50名有給者 850名がガイダンスを受けている。
*【対象者】*
16歳以上の失業者対象
2つ以上の問題を持っている事が条件 ドラッグ、犯罪経験者、麻薬、自信がない、職業経験がない、学校を出ていない など
年齢構成 18歳~24歳 75% 25歳~49歳 20% 50歳以上 5%
男女比 男性75% 女性25%
人種:アジア人 33% アフリカ、カリビアン 13% 白人 49% その他 5%
*【典型的な例による就労までのステップ】*
27歳 家なし、ホステルぐらし、長期休業 読み書き最低限しかできない
麻薬・かるい窃盗でつかまった 自信がない、人を信頼できない
→個人的な問題を解決しないと仕事につながらない
トレーニング方法
3日間仕事 1日 仕事探し 1日 訓練(ソーシャルスキル、自信をつける、お金の使い方など)
ブリッジ(麻薬から助けるためのグループホーム)との連携により生活面をサポート
30パーセントは雇用に就くが、15パーセントは戻ってくる。
失業から雇用へは簡単に移行できるが、すぐ舞い戻ってしまう。
スキルコーチング(最終的にどんな仕事をしたいかを本人からヒアリングし、現状とのギャップを埋めていくことについて計画を立て、ソフトランニングで仕事に就くまでをサポートする)市などによる補助金でサポートされる。
本人はニューディールから出る補助金+いくらかのジョブエキスペリエンスによる収入があり、生活保護よりも少し収入は高く、いろいろな訓練を受けられる。
ニューディールは仕事に就ける事を重視しているために本人の抱えている問題には感知しない。
ここでは問題を多く抱えた若者がゆっくりと仕事に付くためのサポートをしている。
⑤
④
③ スキルトレーニング
② メンタルサポートトレーングスタート
*【その他のサポートプログラム】*
○FREE イベント 1ヶ月に一回 パーティー、イベント、アクティビティーなどを行っている。
ソーシャルスキルを身につけるための場として提供している。
○ネットでできるテスト Barrier Break 自分自身でネットでテストを受ける事で自信を持てるシステム。
成果を数字として見せるために有効である。 HYPERLINK "http://www.barrierbreak.com"www.barrierbreak.com
就職まではいたらなくとも、自信、動機付けが確実に上達しているとわかる。
*【スタッフについて】*
各仕事のエキスパート(15人)スキルを持っている人
クライアントサポート(8,9人)カウンセラー、メンタル、ガイダンスティーチャー
コントラクトデパートメント(5人ぐらい)補助金を取るための仕事 一番重要
Q.ソーシャルエンタープライズに対しての税金などの対応はどのようなものか?
A. 企業としては一般企業と同じような料金でしている。税金に関してはチャリティー団体と子会社が別になっているので、子会社で利益が出たらチャリティーに戻す為にあまり税金は払わないでよい。
Q.ジェリコファンデイションがチャリティーであるためにはどのような条件があるのか?
A.チャリティー委員会が選定する。条件を満たす事が必要。
Q. 他団体との連携はありますか?
A. 《トレーニングエンプロイメントプラスタ》10~15ぐらいの(経済社会セクター)同じような志をもった組織のリーダーをこの団体がしている。EREF(ヨーロッパにある団体)からの補助金をもらうため、一団体では弱いので、また 団体の発展、組織同士での交流・トレーニング、基金の要求の為に動いている。
政府は都市(インナーシティー)、大規模な団体に集中している。小さな団体や地方には支援の手が届きにくい。小さな団体にも資金がいくように目指している。
Q.ジェリコを出た後はどのような将来を歩むのか?
A. 30パーセントは仕事に就く、10パーセント~15パーセントは戻ってくる。
Q. 企業を大きくしたい目的は利用者を増やす事なのか、もしくは雇用をしていきたいという事なのか
A.現在はワークエキスペリエンスを提供しているが、将来的には本格的な仕事を提供したい。
現在6ヶ月に1度は訓練生の中から人を雇っている。もっと雇えるような基盤を作りたい。
*【地域*】
地域には移民が多く住んでおり、近くにはイスラムリソースセンター
コネクションズの看板もあった。
カフェと事務所は同じビルの中にあり、研修室などもあり、活動を
している様子だった。
■参考URL
http://www.jcp.org.uk/"http://www.jcp.org.uk/
Connexions base K/S Youth Information Shop
2007年度海外調査(イギリス) [NO.7]
訪問先名称:Connexions base K/S Youth Information Shop
訪問日時:2007年11月27日
*【概要】*
比較的困難な地域で、若者自身の声や動きに依拠しながら、区域内の多くの団体がパートナーシップをつくって組織化されてきたセンター、それが母体となって後にコネクションズ、ユースサービスの拠点となっている。
*【設立の経緯】*
6年前にバーミンガム市ユースサービスと若者が話し合いの場を持った。
本当に若者が必要なサービスは何かを話し合った。
若者の声は
自分たちの個人を尊重し、秘密を守って相談できる場所がほしい
様々な情報が取れる場所がほしい
その後、アドバイザリーグループ(Staling Group)を作り、協力をしてくれるパートナーたちと話し合いながら組織を作っていった。
最初はスタッフ2名(Full Time)パートタイム1名ではじめた。
まずは、ドアを開け、若者が来ることから始まり、くる若者の相談に乗りながら必要な事をしていった。
*【現在の組織】*
スタッフ フルタイム3名 パート1名
他、専門スタッフなどはそのつど招聘している。
*【資金】*
予算:80000~90000ポンド
バーミンガム市からの支援は小額
Children Mental Health(こどもと青少年に対する補助金)、妊娠に関する援助金など色々な
プロジェクトに対する補助金から資金を得ている。
コネクションズからは1名分のスタッフがまかなわれている。
*【対象者】*
11歳~25歳ぐらいまでの若者全般としているが、
問題のある若者が主(性、麻薬、お金、家庭内暴力、DV、妊娠、などなど)
そのような問題に対するアドバイス、対応を行っている。
一日に100名程度の若者が利用 うち、80名がリピートしてくる。一人の若者には長期的にかかわる。
*【理念】*
パートナーシップに基づいて、いろいろな機関の専門家を招いて活動する。
(ミッドワイフ(助産婦)カウンセリングサービス、お金の専門家、看護婦など)
もともとユースワークから始まっている活動なので、普段相談できないようなことが気軽に相談できるのが利点。(それぞれの専門家のところには若者は行けない)若者をサポートする専門家であるユースワーカーがこのような問題に取り組んでいるのは他に例がない。
*【実際の活動】*
個別相談(まずは、仕事を探しているといって来所するが、
実際にはほとんどがいろいろな問題を抱えている。)
専門家による相談 (専門の窓口の利用の仕方がわからない。行かない。)
性教育 (性病のテストが可能 親や学校に知られずに受けられる。
性病の検査をできる (このような場所でははじめての取り組み)
普通はGP(家族が登録している病院に行かなければ医者には診てもらえない))
学校でのデモンストレーション(Family Planningなど)
*【地域性】*
10代の妊娠が一番多い地域である、この問題が一番深刻。
すでに妊娠してしまっていたり、こどもを生むことを決めた場合、それをPositiveに支援したり、また2人目を生まないように教育指導する。また、産んでしまった後のサポートなど
いろいろな問題を複数に抱える若者が多い。
Q.他の団体などとの協働例を教えてください。
A.若者の声を必要としてる職業の人はここに来れば彼らの声が必要なので、ここに専門家が集まり、若者と触れる事が大事。
*【たとえば・・・借金を抱える若者は】*
普通の相談機関には行きにくい(使い方が解らない)消費者金融は家に訪ねてきて、セールスをしてくる。安易に借りてしまう。(金利は40パーセント)特に若くしてこどもをもった女の子などは借りてしまうことが多い。また、安易に借りて、自分の収入があっても返さずに居ることが多い、
まず、今持っている借金の書類をすべてもってきてもらい、専門家と共に相談する。
持っているお金、支払わなければならないものなどを書き出して、本人が自覚する事を促す。
返済の仕方をアドバイスし法律的な手続きをとる事もできるが、習慣的にできない若者もいる。
金融機関と若者の間に入り交渉する場合、基金から返済できる制度もある。
*【妊娠・性に関して】*
コンドームの使い方のレクチャーをし、無料でコンドームを渡している。
どこでも買えるが、実際にどうやって使えばよいか解らないし、いろいろな噂話と区別がつかなくなっている。
妊娠検査をできる。個人情報が家族などにわからずに守られる。普通はGPに行かないとできない。
*【質疑】*
Q.協働している専門家への費用は?
A.パートナー会社によって違うが、仕事の一環としてきている人もいれば、給与をこの団体から支払っている部分もある。できればパートナー会社が給与を支払って専門家を派遣してもらうのが理想。
Q.コネクションズに入っている理由は
A.コネクションズができた時は錦の御旗を掲げて、何をやっているかという気持ちだったが、今は協力関係でやっている。
最初はコネクションズの看板、電話の出方まで指導された。
しかし、コネクションズの看板は今は出していない。
自分たちはコネクションズということで成果を出してきたのではなく、自分たち特有のプロジェクトでやってきた成果が出ていると自負しているからだ。
コネクションズに入っている理由はお金。一人分の給与が出ている。
金銭関係のスタッフは今は彼女の会社に給与を支払っているが、これからは出向という形で給与をパートナーから出してもらいたいと思っている。
パートナー組織も若者に関わる機関は若者の声を聞かなければならないという規則がある。
そのため、K/ Cの若者達を招集して、リサーチをしたり、お互いに協力関係になっている。
Q.利用者は他からの紹介もあるのか?
A.コネクションズ、福祉関係など紹介で来る人も多い。
ほとんどは口コミなど 宣伝する必要はあまりない
学校などでいろいろなセミナー等もしている。
実際のターゲットは16-17が多い。
コネクションズは達成目標があるので、若者達本意でない時がある。
ここではそのような対応はない。
Q 現在の活動に関して相談ができる若者のグループがありますか?
A若者達にとって、ここは通過地点(いやな事があって相談に来る場所だから)継続的に付き合うのは難しいが、いいところであったと思ってくれるOBも多いので、彼らは呼べば来てくれる。話し合いの場をいろいろ持っている。4000人の名簿があり、1年に一回のアンケートを送付している。
Q.ここが居場所になっているのか?
A.そうではない、ここは相談に来る場所であって、基本的に横のつながりはない。
うろうろさせたりはしない。
やっていいこと、いけないことははっきりさせているので、ここで揉め事になったりはしない。
*【感想】*
非常に大変な問題を抱えている若者達をサポートしているが、入り口としてユースサービス、コネクションズという事で敷居が低く、気軽に来ることができるのだと感じた。
やはり若い人は専門機関、公的機関には行きにくいし、方法も知らないのがどこでも同じ問題。
つなぐ役割が必要だと感じた。
日本のサポートステーションが地域に根ざした活動になるために必要なモデルだと感じた。
■参考URL等
http://www.bbc.co.uk/birmingham/teens/2002/08/connexions.shtml
Positive Steps(Acocks Green Detached Project)
2007年度海外調査(イギリス) [NO.8]
訪問先名称:Positive Steps(Acocks Green Detached Project)
訪問日時:2007年11月26日
場所:Bierton Community Centre
*【オフィスにて】*
Bierton Community Centreという、広い敷地に立っている平屋建ての建物のなかにこのユースプロジェクトの拠点がある。室内はポスターやらが賑やかに貼られていて、雑然とした雰囲気。いかにも「たまり場」という感じ。掲示物の中に地図のようなものがある。それが彼らデタッチドユースワーカーが出かけていくエリア図とのこと。赤い線でくくられている内部が彼らのエリア、そのなかで青いピンが付いているのが既にコンタクトのある若者グループ、黒いピンはそこに若者グループがいるのはわかっているが、まだコンタクトが付いていないグループ。
彼らは、多くは夕方に、いつも3人組で出かけていく。そしてたむろしている若者たちを見つけて声をかける。スケートボードをもって遊んでいるグループの場合は、居場所自体が動いても行く。コンタクトが取れて、さらに人間的接触ができるようになるのには数ヶ月かかることもあるという。関わり方は、若者たちが好きなこと、彼らの関心事に依拠しながら麻薬教育や性教育をプロジェクト化していったりする。彼らの声かけに関心をもつグループもあれば、もたないグループもある。対象とするのは12歳から19歳ぐらい。
ここに来れば自分が関心もっていることをやれるよ、ということで呼びかけて、その後ここに来て何か活動するなかで、自尊感情を育てていき、次に何かする気持ちになるのを助ける活動といえる。ただ家庭に問題があり、例えば虐待があったりしたら、当人の意思に関わりなくソーシャルワーカーに連絡を取ったりもする。チームワークが非常に重要な仕事で、自分たちも互いに良く助け合う。
このプロジェクトの発足経緯は、墓地のVandalism(破壊行為)が問題になっており、それをどうにかしようとした市当局がプロジェクト募集したことに発する。そこに集まってきた多様なバックグラウンドをもつ人たち(看護士、麻薬関係、ユースワーカーなど)が、このチームを結成した。ここには7人のワーカー(フルタイム2人、パートタイム5人 他にボランティア)がいて、もう一つワークショップがある? 近いうちに地域内にもユースセンターができる予定、でもそこが彼らの拠点にはならない。活動の資金面では、Youth Oppotunity FundとYouth Capital Fundなどに申請して、受けてきた。
*【コネクションズとの関連】*
コネクションズとは適宜情報交換をおこなっている。コネクションズは初め、キャリアサービスのようだったが、それでは仕事にならないことがわかってきて、PAがユースワークを学ぶようになってきた。初めは予算面での反発意識(ユースワークが予算不足でピーーピー言っているのに、コネクションズは莫大な予算をもってやってきたので)もあったが、組織面で統合されるようになってくるなかで、それも取り除かれてきたと思う。こういう場は若者たちが自主的にも来るが、コネクションズは自主的には来る場ではないので、それで軋轢があったこともある。ただ、デタッチドユースワークは来ない若者たちにアプローチする活動だが。
*【活動場所にて】*
こうした話をオフィス(?)でうかがったあと、活動の場となる部屋に案内してくれた。飲食やスヌーカーができるクラブ風の部屋と、音楽などの録音編集ができる小部屋がある。ここでも自分たちがやりたいことができるんだよと誘って、連れてくることで、危険なファクターがたくさんある街の文化から彼らを切り離し、彼らのやりたいことをもう少し別の形で育てていくことが彼らの仕事。使いたい人は基本的に自由にカギを開けて使うことができるという。でも中で暴力をふるうなどこの場のルールを犯したら、立ち入りできなくなることもある。小部屋に案内してくれたChrisとPaulは、ここでは自分たちがやりたいことが自分たち自身でできることが非常に楽しいと言っていた。Chrisはバンドの楽器を購入するために自分が責任者となってYouth Opportunity Fundを申請して、取得したのだそうで、大きな方の部屋にはそのドラムがあった。Chrisは今は19歳だが、13歳からここの常連?だったそうで、まさに「Positive Step」っ子という感じ。街でぶらぶらしている連中を見かけると、「ここに来いよ、やりたいことができるぜ」といってこの場の宣伝をして回っているのだという。あとでPatに聞いた話では、3人組で歩き回るとき、Chrisらもボランティアワーカーとしてその一員となることがあるという。
つまりこの場には、利用者でもありワーカーでもあるような中間的な立場の若者が何人かいるようだった。彼らは給与は得ていないボランティアだが、Patの話では、ここでのボランティア経験は履歴書に記載できるのだそうで、経験やスキルの獲得とあわせて有利な履歴書記載事項を増やしていくうえでも、その活動は彼ら自身にも寄与するという。ただし彼ら3人は、生育のバックグラウンドに特別な困難はないということだった。
*【スポーツカー組立プロジェクト】*
その後更に、同じ敷地内にある車の修理工場風の建物に案内された。ここが数週間前にBBCで紹介された、車の組立をするユースワークプロジェクトの現場だったところで、仕上がったピカピカのスポーツカーが置いてあった。市販されている組立型の車のキットがあるそうで、それを5000ポンドで買ったのだそうだ。主要にリードしたワーカーはJulesだが彼自身もこの作業の経験や知識があったわけではなく、周囲にさんざんやめておいた方がよいと言われながら、必死にwebで学びつつやったのだという。最初12人の若者が関わり、最後まで続けたのが5人。いずれも長いこと学校に行っていない若者たち。得ていた活動資金はdrug astion関係。最後まで続けたうちの1人はモーターバイクの店で働くようになり、他の1人はカレッジで学ぶようになり、あと1人はまだカレッジに行く年齢になっていないので、ここに残ったという。5人のうち1人は、次のプロジェクトのリーダー的な存在になっているという。
以下はJulesの話。この活動はそのままGCSEの資格には結びついていないが、ここでの経験は雇用者側に高く評価されており、履歴書に書くには非常に有利になっている。また現在行っているモーターバイクの組立プロジェクトは、Open College Networkのクレジットになる。Lifelong Learningの賞も受けた。出来上がった車は、クラシックカーの展示会に何度か出しに行っているとのこと。売ったら1万ポンドになるという。こうした活動には規則もいろいろあり、適当な場所も必要なので、どこででもはできない。この場だからこそできたと思う。
初めキットが来たときには、みな呆然としていて、これでいったい何をやるんだと。みんなにさんざん「できるわけない」と言われながらの作業だったので、やり遂げていく過程で、みな本当に自信をつけた。これまで学校からも見放されてきた若者たちだったので、こうして、努力すれば何とかできるんだという経験をして、また次に何かしてみたいという気持ちをもてるようになったように思う。またワーカー自身も、リスクがあってもやってみるということを学んだと思う。実はJules自身も(彼は30代半ば)、街でたむろしているところを、デタッチド・ユースワーカーから声をかけられた青年だったという。
夕食時のPatとの話。彼女の勤務は月曜日から金曜日までの9時から4時半がschool nurseとしての仕事。月曜日の5時から8時半までがユースワーカーとしての仕事だという、school nurseとしてはNHSに雇用されており、youth workerとしてはCity Councilに雇用されている関係。20年以上school nurseとして働くなかで、徐々にユースワークの仕事に関心をもつようになり、このプロジェクトの公募の祭に応募したのだという。
*【付録】バーミンガム市ユースサービスによるDetached Youth Work(アウトリーチ型ユースワーク)の定義
デタッチドユースワークとは、若者たちと出会える場でならどこででも、彼らと活動するユースワーカーをいう。その仕事は、時に施設型ユースワークが有する縛りから自由で、何らかの理由で他のユースワーク拠点にアクセスできなかったりしなかったりしている若者たちにとって、その柔軟なアプローチは、しばしば理想的な学習の機会となりうる。
デタッチドユースワークは、その仕事が参加する若者たちのペースや納得に依拠して展開していくよう、彼らとの注意深い協議・相談が常に必要とされる。
デタッチドユースワークには、施設・乗り物などから要請される規則がなく、その「権力基盤power base」は特異である。したがって、若者たちはデタッチドユースワーカーとどこまで・どのように関わるかについて、自分たち自身でコントロールすることができる。
若者たちのユースワーカーとの関わりが自主的で話し合いを媒介したものであり続けるように、若者との関係を構築していく。
デタッチド・ユースワーカーは、丹念な事前調査や、若者たちとの討議・相談などを通じて若者たちが必要とするものが何かを見きわめていく。こういうプロセスを経ることで初めて、若者への関与や活動の提供は、予見にもとづくのでなく、本当の意味で彼らが必要とするものに依拠してやっていくことができる。
デタッチド・ユースワーカーは、若者たちの身近にあって、彼らが寄せる問題に対応し、彼らが確かな意思決定をできるよう、明確な情報、アドバイス、サポートを提供する仕事である。
■参考URL
http://www.birmingham.gov.uk/GenerateContent?CONTENT_ITEM_ID=9396CONTENT_ITEM_TYPE=0&MENU_ID=737
http://news.bbc.co.uk/player/nol/newsid_7070000/newsid_7079900/7079994.stm?bw=bb&mp=rm&asb=1&news=1(本プロジェクトによるSports Car Projectを報じるBBC番組’Cash to keep pupils to schools’)
http://www.bbc.co.uk/blogs/nickrobinson/2007/11/05/index.html (上記番組レポーターの解説)
http://news.bbc.co.uk/1/hi/education/7075763.stm (関連BBCニュース)
訪問先名称:Positive Steps(Acocks Green Detached Project)
訪問日時:2007年11月26日
場所:Bierton Community Centre
*【オフィスにて】*
Bierton Community Centreという、広い敷地に立っている平屋建ての建物のなかにこのユースプロジェクトの拠点がある。室内はポスターやらが賑やかに貼られていて、雑然とした雰囲気。いかにも「たまり場」という感じ。掲示物の中に地図のようなものがある。それが彼らデタッチドユースワーカーが出かけていくエリア図とのこと。赤い線でくくられている内部が彼らのエリア、そのなかで青いピンが付いているのが既にコンタクトのある若者グループ、黒いピンはそこに若者グループがいるのはわかっているが、まだコンタクトが付いていないグループ。
彼らは、多くは夕方に、いつも3人組で出かけていく。そしてたむろしている若者たちを見つけて声をかける。スケートボードをもって遊んでいるグループの場合は、居場所自体が動いても行く。コンタクトが取れて、さらに人間的接触ができるようになるのには数ヶ月かかることもあるという。関わり方は、若者たちが好きなこと、彼らの関心事に依拠しながら麻薬教育や性教育をプロジェクト化していったりする。彼らの声かけに関心をもつグループもあれば、もたないグループもある。対象とするのは12歳から19歳ぐらい。
ここに来れば自分が関心もっていることをやれるよ、ということで呼びかけて、その後ここに来て何か活動するなかで、自尊感情を育てていき、次に何かする気持ちになるのを助ける活動といえる。ただ家庭に問題があり、例えば虐待があったりしたら、当人の意思に関わりなくソーシャルワーカーに連絡を取ったりもする。チームワークが非常に重要な仕事で、自分たちも互いに良く助け合う。
このプロジェクトの発足経緯は、墓地のVandalism(破壊行為)が問題になっており、それをどうにかしようとした市当局がプロジェクト募集したことに発する。そこに集まってきた多様なバックグラウンドをもつ人たち(看護士、麻薬関係、ユースワーカーなど)が、このチームを結成した。ここには7人のワーカー(フルタイム2人、パートタイム5人 他にボランティア)がいて、もう一つワークショップがある? 近いうちに地域内にもユースセンターができる予定、でもそこが彼らの拠点にはならない。活動の資金面では、Youth Oppotunity FundとYouth Capital Fundなどに申請して、受けてきた。
*【コネクションズとの関連】*
コネクションズとは適宜情報交換をおこなっている。コネクションズは初め、キャリアサービスのようだったが、それでは仕事にならないことがわかってきて、PAがユースワークを学ぶようになってきた。初めは予算面での反発意識(ユースワークが予算不足でピーーピー言っているのに、コネクションズは莫大な予算をもってやってきたので)もあったが、組織面で統合されるようになってくるなかで、それも取り除かれてきたと思う。こういう場は若者たちが自主的にも来るが、コネクションズは自主的には来る場ではないので、それで軋轢があったこともある。ただ、デタッチドユースワークは来ない若者たちにアプローチする活動だが。
*【活動場所にて】*
こうした話をオフィス(?)でうかがったあと、活動の場となる部屋に案内してくれた。飲食やスヌーカーができるクラブ風の部屋と、音楽などの録音編集ができる小部屋がある。ここでも自分たちがやりたいことができるんだよと誘って、連れてくることで、危険なファクターがたくさんある街の文化から彼らを切り離し、彼らのやりたいことをもう少し別の形で育てていくことが彼らの仕事。使いたい人は基本的に自由にカギを開けて使うことができるという。でも中で暴力をふるうなどこの場のルールを犯したら、立ち入りできなくなることもある。小部屋に案内してくれたChrisとPaulは、ここでは自分たちがやりたいことが自分たち自身でできることが非常に楽しいと言っていた。Chrisはバンドの楽器を購入するために自分が責任者となってYouth Opportunity Fundを申請して、取得したのだそうで、大きな方の部屋にはそのドラムがあった。Chrisは今は19歳だが、13歳からここの常連?だったそうで、まさに「Positive Step」っ子という感じ。街でぶらぶらしている連中を見かけると、「ここに来いよ、やりたいことができるぜ」といってこの場の宣伝をして回っているのだという。あとでPatに聞いた話では、3人組で歩き回るとき、Chrisらもボランティアワーカーとしてその一員となることがあるという。
つまりこの場には、利用者でもありワーカーでもあるような中間的な立場の若者が何人かいるようだった。彼らは給与は得ていないボランティアだが、Patの話では、ここでのボランティア経験は履歴書に記載できるのだそうで、経験やスキルの獲得とあわせて有利な履歴書記載事項を増やしていくうえでも、その活動は彼ら自身にも寄与するという。ただし彼ら3人は、生育のバックグラウンドに特別な困難はないということだった。
*【スポーツカー組立プロジェクト】*
その後更に、同じ敷地内にある車の修理工場風の建物に案内された。ここが数週間前にBBCで紹介された、車の組立をするユースワークプロジェクトの現場だったところで、仕上がったピカピカのスポーツカーが置いてあった。市販されている組立型の車のキットがあるそうで、それを5000ポンドで買ったのだそうだ。主要にリードしたワーカーはJulesだが彼自身もこの作業の経験や知識があったわけではなく、周囲にさんざんやめておいた方がよいと言われながら、必死にwebで学びつつやったのだという。最初12人の若者が関わり、最後まで続けたのが5人。いずれも長いこと学校に行っていない若者たち。得ていた活動資金はdrug astion関係。最後まで続けたうちの1人はモーターバイクの店で働くようになり、他の1人はカレッジで学ぶようになり、あと1人はまだカレッジに行く年齢になっていないので、ここに残ったという。5人のうち1人は、次のプロジェクトのリーダー的な存在になっているという。
以下はJulesの話。この活動はそのままGCSEの資格には結びついていないが、ここでの経験は雇用者側に高く評価されており、履歴書に書くには非常に有利になっている。また現在行っているモーターバイクの組立プロジェクトは、Open College Networkのクレジットになる。Lifelong Learningの賞も受けた。出来上がった車は、クラシックカーの展示会に何度か出しに行っているとのこと。売ったら1万ポンドになるという。こうした活動には規則もいろいろあり、適当な場所も必要なので、どこででもはできない。この場だからこそできたと思う。
初めキットが来たときには、みな呆然としていて、これでいったい何をやるんだと。みんなにさんざん「できるわけない」と言われながらの作業だったので、やり遂げていく過程で、みな本当に自信をつけた。これまで学校からも見放されてきた若者たちだったので、こうして、努力すれば何とかできるんだという経験をして、また次に何かしてみたいという気持ちをもてるようになったように思う。またワーカー自身も、リスクがあってもやってみるということを学んだと思う。実はJules自身も(彼は30代半ば)、街でたむろしているところを、デタッチド・ユースワーカーから声をかけられた青年だったという。
夕食時のPatとの話。彼女の勤務は月曜日から金曜日までの9時から4時半がschool nurseとしての仕事。月曜日の5時から8時半までがユースワーカーとしての仕事だという、school nurseとしてはNHSに雇用されており、youth workerとしてはCity Councilに雇用されている関係。20年以上school nurseとして働くなかで、徐々にユースワークの仕事に関心をもつようになり、このプロジェクトの公募の祭に応募したのだという。
*【付録】バーミンガム市ユースサービスによるDetached Youth Work(アウトリーチ型ユースワーク)の定義
デタッチドユースワークとは、若者たちと出会える場でならどこででも、彼らと活動するユースワーカーをいう。その仕事は、時に施設型ユースワークが有する縛りから自由で、何らかの理由で他のユースワーク拠点にアクセスできなかったりしなかったりしている若者たちにとって、その柔軟なアプローチは、しばしば理想的な学習の機会となりうる。
デタッチドユースワークは、その仕事が参加する若者たちのペースや納得に依拠して展開していくよう、彼らとの注意深い協議・相談が常に必要とされる。
デタッチドユースワークには、施設・乗り物などから要請される規則がなく、その「権力基盤power base」は特異である。したがって、若者たちはデタッチドユースワーカーとどこまで・どのように関わるかについて、自分たち自身でコントロールすることができる。
若者たちのユースワーカーとの関わりが自主的で話し合いを媒介したものであり続けるように、若者との関係を構築していく。
デタッチド・ユースワーカーは、丹念な事前調査や、若者たちとの討議・相談などを通じて若者たちが必要とするものが何かを見きわめていく。こういうプロセスを経ることで初めて、若者への関与や活動の提供は、予見にもとづくのでなく、本当の意味で彼らが必要とするものに依拠してやっていくことができる。
デタッチド・ユースワーカーは、若者たちの身近にあって、彼らが寄せる問題に対応し、彼らが確かな意思決定をできるよう、明確な情報、アドバイス、サポートを提供する仕事である。
■参考URL
http://www.birmingham.gov.uk/GenerateContent?CONTENT_ITEM_ID=9396CONTENT_ITEM_TYPE=0&MENU_ID=737
http://news.bbc.co.uk/player/nol/newsid_7070000/newsid_7079900/7079994.stm?bw=bb&mp=rm&asb=1&news=1(本プロジェクトによるSports Car Projectを報じるBBC番組’Cash to keep pupils to schools’)
http://www.bbc.co.uk/blogs/nickrobinson/2007/11/05/index.html (上記番組レポーターの解説)
http://news.bbc.co.uk/1/hi/education/7075763.stm (関連BBCニュース)
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