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2012年12月18日火曜日

「富川は創造大学」(「○○は大学」研究所、00은 대학 연구소)



NO.

訪問先名称
「富川は創造大学」(「○○は大学」研究所、00 대학 연구소
訪問日時
20121023日 10001520
場所
富川文化財団
(地下鉄1号線松内(ソンエ)駅 徒歩10分)
先方担当者
氏名 パク・?(「○○は大学」研究所職員)
   ホン・ソヨン(企画担当)
   ユン・ジソン
   キム・ボラム
先方連絡先
所在地:
경기도 부천시 원미구 1 394-2 복사골 문화센터 3 문화공동체 플라자
京畿道富川市遠美13942 ボクサコル文化センタ3階文化共同体プラザ
電話番号:
メールアドレス:
訪問者
宮本みち子、佐藤洋作、津富宏、白水崇真子、山本耕平、白谷素子、畑山麗衣、新谷周平(記録)、カン・ネヨン(通訳)
■入手資料等
■参考URL等 http://oouniv.org/
■その他参考資料等


【概要】
 この活動は芸術表現活動で有名な社会的企業であるノリダン内部のプロジェクトとして4年前に始まり、今年、研究所として独立した。
 ○○には地域名が入り、例えば、「○○は芸術大学」のように、その地域全体が学び場としての機能を果たすことをイメージしたまちづくりの事業を行っている。ソウル市の自治区や富川市、仁川市などで展開されている。また、ある地域で若者が集まってこういうものを作りたいという時に研究所が支援を行っている。

【目的と活動】
もともと若者支援のために始まったものだが、そのためには地域とつながる必要があるという考えから、地域と若者を結合させるものとしてこのような活動になっている。「誰でも教える、どこでも学べる」をモットーとし、「地域の学び場」となることを目指している。
 たとえば、20代、30代の若者が地域に入って、商店街の店主を講師として講座を開いたり、コミュニティバスの運転手さんを講師とした街のツアーを企画したり、市場の肉屋さんを講師として焼肉をしながら地域の話をしたりしているのだという。あわせて街の雑誌、祭、夜市場などのイベントを企画したりもしている。
この活動が、若者の仕事を作ることにつながっていくことを期待している。今年修了した若者は、社会的企業や協同組合を作る準備をしたり、メンバーそれぞれの地域で「○○は大学」をつくる準備をしたりしている。ビジネスモデルとしては、文化財団などからの委託事業を行ったり、地域コミュニティや商店街などからの要請で講座を行ったりすることで資金を得ている。

【参加の動機・経緯】
 研究所職員であるパク氏は、8年間の大学在学中(兵役代替の産業隊への勤務を含む)に雑誌を作りたいと起業準備をしていたなかで、この活動に関わり始めたという(ノリダンには関わっていない)。
 3人の女性メンバーは、大学生の活動を紹介するウェブサイト(「ステップアップ」)でこの活動を知り、文化活動の企画をしたくて、あるいは、絵を描くという自分の才能が地域でどう生かされるかその方法を学びたくて、この活動に関わったという。

【感想・考察】
 具体的なレベルでの話をあまり聞けなかったためはっきりしたことは言えないが、ホビーバンクや想像キャンプなどと同様に、若い世代の人々が在学中から自分達の自由な発想で、社会と関わり「社会的なるもの」を構築していくさまが感じ取れた。
 また、モンタンと同様にノリダンから派生した事業であるが、やはり社会的企業の「社会的」に欧米語のsocialに含まれるとされる、多様性を可能にする社会の基盤構築への意思が含まれていることを実感させられる。






2012年6月6日水曜日

FNV Jong オランダ労働組合連盟若者部会

2011年海外調査11月【オランダ】 ⑦

FNV Jong
オランダ労働組合連盟若者部会

○日時
20111110日(木)9001100

○場所
オランダ労働組合連盟事務所

○インタビュイー
モニカ(政策アドバイザー)
エスター(マネージャー)
キム・コーネリッセンKim Cornelissen(広報担当)

○配布資料概要(一部、当日の聞き取りを追加) 
 FNV Jongは、若者のための労働組合ネットワークである。これは、伝統的な形の組合ではない。FNV は、かつていくつかの若者組織を有していた。だが、FNV Jongは、2006年に設立された。若者組織が再組織化された理由は、労働組合のなかでもっと積極的になるためにはプラットフォームを持つべきだと感じるFNVの若者がいたからである。若者問題についてもっと積極的になるよう、労働組合に対する内外の圧力挙がることも理由の一つである。FNV Jongは、組合の20万人以上の若者を代表する。われわれは数多くの仕方で若者を代表しようと努めている。

 一般的に、FNV Jongは、三つの主たる目的を持つ。
①若者問題に対する政策を作り、労働組合や政府の政策に影響を与える。
②労働組合のイメージを変え、労働組合は古い人々(成人や老人)の地位のためだけに戦うという考えを変える。
③若い労働組合メンバーの積極的な参加を促す。

 われわれは、次のような方法で若者問題に働きかける。
①政策:若者の利害を守るため、政党・政府・労働組合と接触する。例えば、新しい法律が議論に上るときには、積極的なロビー活動(大臣や議会への手紙、請願運動)を行い、積極的に法律に影響を与える。
②イメージ:若者が好きなものについて、じっくり見て、じっくり感じるプロジェクトやキャンペーンを組織化することによって、若者が自分自身を守るよう手助けする。例えば、MTVのようなテレビ局と連携する。
③参加:労働組合内で、若者の地位を強化するよう努める。若者がわれわれのキャンペーンに参加するよう促す。
 これらのことを実行するために、いくつかの会議やプロジェクトを組織化している。
 
 現在、FNV Jongが認識している若者問題は、次の点である。
①若者は組合のなかで自己主張できない。
②若者は自分の権利に気づいていない。
③若者は社会保障に対する権利が少ない。
④若者は家を買ったり、安定した生活を得たりする機会が少ない。

 最近の2年間で、われわれが実行したもっとも重要なテーマは、以下の通りである。毎年、テーマを設定していく。
①若年失業
②フレキシビリティとフレキシブルな労働
③実習生の立場と通常の実習制度(→Coloの話を参照)
④労働市場における若者の立場
⑤若者の最低賃金システム
⑥休暇期間中の労働についての年次調査
⑦若者の労働組合員のネットワーク構築

○インタビュー概要

FNV について
 FNV Jongには、8つのチームに分かれている。①政策アドバイザー2人、②スクール・プログラム・コーディネーター1人、③プロジェクト・サポーター2人、④渉外担当1人、⑤マーケティング1人、⑥渉内担当1人。
 そもそも、FNVは、1906年、ダイヤモンド鉱山の採掘労働者ヘンリー・ポラックが、劣悪な労働環境に抗して、労働者の組織化を行ったことに端を発する。
 FNVは、セクターごとの組合(19組合)のネットワークである。組合員は、140万人である。FNVの代表は、Agnes Jongerius(女性)である。35歳以下の若者組合員は20万人いて、それがFNV Jongのメンバーである。組合を維持するためには若者が必要という認識から、FNV Jong2006年に設立された。

FNV Jongが力を入れるテーマ
①若年失業
 若年失業はとても大きな問題で、現在約9%である。エスニック・マイノリティの失業率は高く、25%に上る。具体的には、ワークショップを行っている。
 ワークショップを行う前に、調査を行った。仕事が見つからない理由には、次のようなものがある。1.差別、2.面接がうまく行かず、仕事を見つけることができない、3.仕事を見つけても、意見を主張することができない。ワークショップでは、面接などのスキル改善を行う。
②インターンの地位改善
 インターンは賃金がもらえないため、地位としては非常に低く、それを問題視している。ウェブサイトで、自分のインターン体験を報告してもらい、それを評価する仕組みを作った。
③労働教育
 学校の休暇中に働く若者たちholiday workersの労働環境に焦点を当て、「ホリデイ・キャンペーン」をしている。来年度のプランとして、いくつかの会社で、若者に労働環境の安全と労働者の権利について講習会を実施する予定である。また、「スクール・プログラム」として、HAVOMBOの生徒たち(1520歳)を対象に、労働者の権利・労働契約のあり方・お金の使い方・ネットワーキングの講習会を行う。これは、いわばキャリア教育の前段階に該当する。
④最低賃金
 若者の最低賃金は低いため、ヨーロッパにおいて署名運動をしている。
⑤社会的ネットワーキング
 社会メディアを使って、社会的ネットワーキングを展開している。そのほか、若者とネットワーク会議を実施している。若者と話し、政策に反映させることが目的である。

オランダの若者政策の動向
 20082009年の金融危機で、若年失業率は約7%から約13%に急上昇した。20093月、FNV Jongは政府に対して対策プランを上申した。その後、6月に対策プランの採用が決定して、9月に政府の社会問題・雇用省によるアクション・プランが成立した。3年で25千万€の予算である。アクション・プランの結果、若年失業率は低下した。ただし、エスニック・グループの第二世代(トルコなど)の問題は、今なお残っている。
 アクション・プランを受け、FNV Jongでも、「どれだけ待たされるの?」キャンペーンを実施した。
 アクション・プランの後、自治体でも若者支援策が実施され、地域ごとにさまざまなプログラムが生まれた。例えば、ユトレヒトでは、雇い主に対して雇用助成金が支払われる仕組みが作られた。そのほか、成功した施策として、若年失業者が、もっと貧しい地域の若年失業者をカウンセリングするプログラムがあった。

オランダにおけるフレキシブルな労働
 オランダでは、フレキシブルな労働が広がっている。35歳以下の若者の場合、65%がフレキシブルな労働に従事している。また、27歳以下の若者の場合、43%がフレキシブルな労働に従事している。これらの若者は、少なくとも34年のあいだ、フレキシブルな労働に従事する。なぜなら、若者にフルタイムの仕事があてがわれることは少ないからだ。これらのフレキシブルな労働では、十分な教育schoolingの機会は提供されない。そして、社会保障の該当期間は、求職している36ヶ月しかないので、パーマネントな仕事を探すには短すぎる。そのあいだに別のフレキシブルな仕事を探さなくてはならない。
 もし、労働時間が短くて、生活に必要な賃金が稼げない場合、オランダの法律上、社会保障の申請は可能である。しかしながら、27歳以下の若者の場合、実際に給付をもらうことは難しい。政府の方針として、27歳以下であれば、別の仕事を探すことが求められるからだ。年齢に応じた規制regulationsの違いがある。
 われわれとしても、セクターごとに雇用を創出するよう働きかけている。ただし、パーマネントな仕事を獲得するためのプロジェクトはやっていない。本人に探してもらうしかない。政府は、もっと労働市場をフレキシブルにしたいと考えている(40%まで)。現在は、2035%である。これ以上、フレキシブルな労働市場にならないよう、われわれはロビー活動をしている。オランダでは、求職中の社会保障は3ヶ月だけである。したがって、フレキシビリティと社会保障securityが一致しているとは言いがたい(フレキシキュリティとは言いがたい)。
 フレキシブルな労働者は、企業のもとで教育を受ける権利がない。つまり、フレキシブルな労働者は、自分で勉強するしかない。雇い主がフレキシブルな若者に職業教育・訓練の機会を提供する=投資するように促す規制は存在しない。したがって、スーパーなどでは、単純労働者として若者が好まれることになる。しかしながら、フィリップスのように、企業によっては、フレキシブルな若年労働者に対して、学校に行かせる企業も存在する。








オランダの若者団体  ダッチ・ナショナル・ユース・カウンシル(NJR)

2011年海外調査11月【オランダ】⑥


オランダの若者団体  ダッチ・ナショナル・ユース・カウンシル(NJR


訪問日:2011年11月9日(水) 











■概要
オランダの全国的若者団体、34団体を束ねる連合体。この34団体で、オランダの全国的若者団体の80%をカバーしている。34団体の代表からなる総会の決定のもとに動く、7名の若者からなる理事会のもとに、理事長が率いる事務局があり、20名から30名のスタッフがいる。団体のミッションは、若者が、現在と未来において、自分たちと他者のために、その才能を見出し伸ばし用いることである。

■設立の経緯・背景
2000年に、国際社会に対してオランダの若者を代表するVereniging 31、ナショナル・ユース・ディベートを行うNJD、持続可能な開発に関心を持つNJMOの三団体が、政府に対して若者を代表することを目的として合併し発足した。オランダでは、若者団体への加入率が低い(34団体で20%)ので、若者団体に参加していない若者への働きかけも担っている。

■活動の実際・特徴
 活動は、大きく分けて二つあり、提言とプロジェクトに分けられる。提言では、若者に関与する政府等の機関に対して、求められるか否かにかかわらず、政策やその実施に関する提言や、若者の活動の障害を取り除くための提言を行っている。
プロジェクトは、若者自身が動かしているという感覚から発意される。プロジェクトは、①若者政策と政治、②国際関係、③持続可能な開発、④教育・社会問題・若者文化の4つの分野に分かれている。①はNJD、②は Vereniging 31、③はNJMOの活動を引き継いでいる。①においては、オランダ国会を借りて、年に一日行う、ナショナル・ユース・ディベートが最大のプロジェクトで、12歳から18歳の若者が議論を行う。ここでの議論が、チャイルドオンブズマンの設置など、政策決定につながることもある。②においては、国連総会、ユネスコ、持続可能な開発のための国連小委員会、ヨーロッパ評議会へ、オランダの若者の声を届けるため、代表を送る活動を行っている。③においては、たとえば、自分の学校が環境にやさしいかどうかを点検するために、生徒自身が取り組むプログラム「ランク・ア・スクール」を開発して普及している。
④において、社会的排除に取り組むための、いくつかのプロジェクトを行っている。一つは、恵まれない条件にある9歳から12歳の子どもに対して、18歳から25歳の学生を「バディ(仲間)」としてペアにする、「手を取って」というプロジェクトである。一緒に、図書館に行ったり、劇場に行ったり、サッカーの練習をしたり、社会的クラブに行き、可能性を広げる。
また一つは、養護の必要がある、あるいは、非行を行った若者を収容する、ユースケア施設における若者参加を強化するプロジェクトである。NJRの若者指導者が、収容されている若者同士が生活環境について話すように訓練し、施設内の若者評議会や、施設運営者とのディベートを行う。
さらに一つは、「オープン・アップ」である。「身近の人が同性愛(あるいは、トランスセクシュアルなど)だったらどうしますか?」という問いかけを、ポスターの作製、イベントの開催、ディスカッションの実施などを通じて行っている。

■評価・考察
NJRは、ヨーロッパ各国にもある、若者団体を束ねるアンブレラ組織である。しかし、他国に多い、アドヴォカシー機能を中心とした組織ではなく、多くの事業を自ら実施している。日本円にして、2億円の予算を動かしているが、そのうち9割近くは、固定費でない事業経費であり、事務局スタッフもこの経費で雇用している。NJRは、多くの事業を政府から委託されており、若者の社会参加を図るための組織として、政府から信頼されていることが推察される。活動の中心は高学歴の若者であり、低学歴の若者にとっての当事者性は低い。それを補うため、プロジェクト実施に当たっては、参加者の構成を、学歴ごとの人口比に合致させている。

2010年10月9日土曜日

Allianssi

2007年度海外調査(フィンランド) [NO.7] 


訪問日時:2007年11月22日
訪問先名称:Jarkko Lehikoinen(Head of International Affairs)


*【会の概要】*
政府からは独立した組織で、15年前に3つの団体を統合して結成。統合した背景には財政的事情があった。青年団体の利益増進が目的。アンブレラ組織。
108の団体が加盟しており、個人加盟はない。うち80の組織が「青年組織」。青年組織とは、3分の2以上の青年がいる団体のことと青年法で定められている。青年の定義は29歳以下。公的財源を得るためには、団体がこの条件を満たす必要がある。80以外の団体は、おもにユースワークの団体で、たとえば赤十字もその一つ。
ヨーロッパの他の同種組織と違うところは、他の多くが青年団体だけを会員にしているのに対して、Allianssiは青年団体に限らず、青年研究の組織などもカバーしている点。ユースワーカー組織のアンブレラ組織が別にあるわけではない。
組織は相当多様な性格をもっており、小さな組織は数人のものから 大きな組織では80000人のものまである。政党支持もさまざまで、すべての政党が子ども・学生・青年団体をもっていて、それぞれが加盟団体になっている。Allianssiはそういうなかで中立的で政治的にも宗教的にも特定のところとの関係はない。でも団体の内部では政治的なディベートはしょっちゅうしている。役員の選出や会長の選出などの場面で。 同盟関係は非常に複雑になっている



*【会の運営・財政】
スタッフはフルタイムが28人。年間予算は300万ユーロ(教育省から70%、他省庁・EUから14%、その他スポンサーや売り上げなどで16%)国レベルでのすべてのユースワークでは4000万ユーロの予算。その予算はすべてnational lottery から出される。National Lotteryは4億ユーロの収益から、芸術、科学、スポーツ、ユースの事業に配分されている。ユースワークのシェアは、そのうち10%で、Alliansiiへの300万ユーロ以外には、市町村と、National Youth Organization、ワークショップなどに支出されている。市町村独自のユースワーク予算も、これらの他にある。
予算全体のうち70%を教育省からもらっていて、独立性があるといえるか、という問いがありうるが、それはあたっている。我々と教育省の間にはしばしばコンフリクトがある。教育省から要請される活動を断ることは難しい。でも全体としてはうまくいっており、教育省は我々の活動の自由を認めている。リソースは与えるが、どう扱うかは問わないのが原則。
運営は、会員組織から選出された14人の理事会組織が行う。その下部に国内委員会と国際委員会がある。

*【主たる活動】*
スポークスマン的活動/ユースワークのトレーニングコース
活動上重視している対象者は青年組織のメンバー、市町村のユースワーカー、教会のユースワーカー、学校教員など、例えば今週は月曜日~水曜日まで大きなセミナーがあった
そのほかに24時間のAllianssiクルーズ(青年やユースワーカーが1500人ぐらい参加)
などもある。その他、毎年1000人ぐらいの若者を国外交流に送り出している

*【マルチ・カルチュラルユースワーク】*
フィンランドは伝統的に単一民族国家だったが、最近少しずつ外国人がふえてきている。いまではその比率が2%まであがってきた。(スウェーデンでは10%以上)増えてくると人種差別が生まれてくるので、いまあらたにそうした活動にも取り組み始めている。
一番大きなエスニックグループはロシア、エストニア、ソマリア。とくにソマリア人は、見かけが違うのでいじめにあうことが多い。具体的には、外国から若者を青年組織に取り込む活動と、フィンランドの青年たちにもっと寛容さをという活動を2年間行っている。All different、All equal キャンペーンなど。普段のAllianssiの取り組みには、実は若者はあまり関心をもたないのだが、このキャンペーンは成功した。単なる人種差別問題だけでなく、その他のマイノリティ問題(障害者や性的少数者など)にも問題提起を行った。

*【青年選挙】*
4年に一度の国政選挙の前に、投票権をもっていない若者のための選挙をおこなっている。14~17歳まで。主に学校で、場合によってはユースセンターで投票する。実際の候補者に投票し、選挙5日前にその結果を公表する。多くのマスコミがその結果に関心をもっている。総選挙の投票率はいま67%(20年前は80%)特に若者の投票率が低下している。この青年選挙の目的は、もちろん若者が政治に関心をもってもらうこともあるが、もう一方で政治家に若者への関心をもってもらうことも目的としてある。いまフィンランドの国会で、200人の国会議員のうち29歳以下は1人。

*【cooperationプロジェクト】*
青年研究の研究者層との協力も自分たちの組織にとって非常に重要。例えば学校の中退に関するプロジェクトを合同で行ったりもした。また、失業している若者をNGOに雇用するプロジェクトも行い、EUから資金を得て1000人ぐらいの若者を雇用することに成功した。

*【政策決定時のロビーイング】*
予算審議などの際には、Allianssiに連絡が来ることもある。国会議員とのコンタクトも重視しているが、結成後徐々にその存在を知られるようになってきており、交渉も年々簡単になってきている。現在の財務大臣は10年前のAllianssiの理事会メンバーでもある。
Golden Helmetという取り組みを、半分本気半分冗談で始めている。国会議員を対象としたポイント制のコンペ。以下のような形。
・若者に関する良い法案をつくったら5ポイント
・そうした法案にサインしたら3ポイント
・若者に関する国会議員が質問したら3ポイント
・若者に関する国会発言をしたら3ポイント
・メディアでの若者に関する肯定的発言3ポイント
・Alliansiに参加したら1ポイント
・ 市町村のユースワークに参加したら2ポイント

オフィスで新聞などをフォローすると同時に、関係者などからの情報を受けて行っている。時々議員から連絡があり、自分はこういう記事を書いたのにどうしてポイントになっていないのか?と問い合わせされることもあり、議員に対してはまじめにやっている 随時のトップの数人をネット上に公開している。


参考URL: http://www.alli.fi/sivu.php?artikkeli_id=162



Helsinki City Council Youth Service

2007年度海外調査(フィンランド) [NO.8] 


訪問先名称:Helsinki City Council Youth Service (ヘルシンキ市青年局)


*【ヘルシンキ市の若者支援(Youth Service)】*

* フィンランド人のアイデンティティ:フィンランド語の国名“Suomen Tasavalta”(通称“ Suomi”は湖の国の意味、Finlandはスウェーデン語)

= シンプルな田舎生活(農業生活)をするライフ・スタイルと価値を持つ。

~ これに第2次世界大戦後新しくアメリカの文化が入って、現在の若者の意識が形成されているが、それはよいものではないという意識が残っている。


* ヘルシンキ市ユース・センターの設立

→ 第2次世界大戦で独立を守り、それを維持するのは若者たちであるという考えに基づく。現在のユース・センターの考え方は1960~70年代に形成された。


*【北欧福祉国家社会の“Ethos” = 1960~70年代に形成】

1. 普遍的サービス = 「全ての国民に」福祉サービスを提供

2. 平等

3. 公的セクターがサービスの責任を持つ

~ この精神に立ってヘルシンキ市のYouth Service(具体的にはYouth Centerを中心に展開されているプログラム)は「問題を抱える若者だけでなく全ての若者を」サービスの対象にしている。



*【普遍的サービスとしてのフィンランドの教育】*

* PISA(OECD生徒の学習到達度調査:Programme for International Student Assessment)の結果が示していること。

= 社会における決定の透明性(transparency)



* フィンランドの教育の特質・・・一言で言えば“equality”

= 「全ての人が普遍的で平等な教育を受けられること」



* フィンランドの教育達成はなぜ高いか?

1. 特別な学校がない(特別な人を集めた学校を作らない)

2. 図書館サービス・ネットワークが充実していて読書が盛ん(図書館サービスは公的サービス充実の一環であり、全てが無料である)

(注)OECD調査では1か月に1冊以上図書館から本を借りている生徒の割合が44%で調査国中最高(ちなみに日本は19%で下位の方)



* フィンランドでは若者のほとんどがコンピュータを使っている(15~39歳では95%

以上、全年齢平均でも75%以上:2007年では79%)



*【Equality = 平等性】*

1. 大統領:Tarja Halonen(タルヤ・ハロネン:1943~)はじめ女性が社会の重要なポジションを占める 

~ “equality”の具現化



2. 世界で最も早く(ヨーロッパで?)女性の投票権を実現

3. さまざまな委員会で男女の平等がはかられている ~ 2007年ヘルシンキ市議会は、さまざまな政策においてどのように平等がはかられているかを示す義務を決定した。



*【公的な責任】*

○基礎的サービスの一つとしてのYouth Service

~ Youth Center(ヘルシンキ市内に54カ所):市民が熱心に利用している。

Youth Worker(Polytechnic Collegeレベルのトレーニングを受けて資格をとった

ルシンキ市職員)

予算は2415万ユーロ(日本円にして約40億)



○ヘルシンキ市青年局の組織

1. Local Service:ヘルシンキ市を13の地域に分け、その中に4~5のユース・センターを設置・運営 ~ 「若者の声」キャンペーン

2. Centralised Service:福祉青年ワーク(リスクのある若者へのサービス)、文化的な問題へのサービス、NGOに対する支援

3. Administration:人的資源、財政支援、IT、コミュニケーション



*【パートナーシップ】*

《基本的コンセプト》

1. 大きなイベントを通して企業と協力

EX:ヘルシンキ市のパートナーシップ

ⅰ)新聞社(SANOMA):メディアタイムを提供~無料で広告を出せる

ⅱ)スーパーマーケットチェーン(HOK):多額の資金提供

= ヘルシンキ市と企業が協力して、若者に身近な作業を提示して、個人とくに若者の職

業能力開発と就業機会の提供を行う



2. ユース・センターで多様で特別なプログラムを用意して活動を展開する。



3. Activityを作るときには、アウトソーシングではなくパートナーシップ。



《パートナーシップの内容》

1. 国(政府):政府が自治体を尊重しているため自治体は大きな権限があり自立性高い。

EX:ⅰ)個人や企業から徴税可能

ⅱ)全ての自治体が国から資金提供をうけているが(若者政策ではヘルシンキ市は予算の3%が国からの資金)、国からの政策的指示は少ない



○ 国との協力の重要性=新しいプロジェクト(innovation)への援助

~ フィンランドには約400の自治体があり、その若者政策の中でYouth Workerがそれぞれの試みを展開。ただし、自治体間の情報共有などはあまり行われておらず、進んでいない・・・ネットワーク作りで対応“Club of 10”



2. 研究者との協力(Dr.Siuralaは初代のFYRN代表)

3. 市の他部局との協力 ~ とくに教育局、福祉局、健康保健局との協同PJを展開

4. NGOとの協力

5. 国際組織との協力:EU、欧州委員会など ~ 青年の交換制度

6. プライベート・セクターとの協力

= 以前はセクターを分離していたが、現在はPPPの考え方に立っている



○PPP(Public Private Partnership)とは?

1. 民間企業等に公的な仕事を依頼=公的サービスの商品化

2. プライベート・セクターは新しい情報を公的セクターに提供

3. お金が市などの自治体(公的セクター)に入る



*【政策的課題へのチャレンジ】*

1. 社会的不利(社会的資源のない者)の問題

2. 若者の職業生活へのインテグレーション ~ 移民、ロマニーなど

3. インターネットのどこかで消える ~ ユース・ワーカーが何をしているのか把握できなくなる若者

4. 代表的な民主主義システムからの疎外 ~ 政治家などが信用されていない

5. 健康問題:肥満、体調不良、睡眠不安、精神不安定、たばことアルコール摂取(18歳が法的可能年齢、たばこを毎日吸う16歳が30%)



*【積極的市民活動(Active Citizenship)の促進】*

1. 民主主義教育(Democracy education)

EX:若者の参加:2006青年法(Youth Act)第8章に規定

= オープン・フォーラム(Open Forums)、市長のフォーラム(Mayor’s Forum)、学校

評議会(School Councils)、ユースセンター委員会(Youth Centre committees)、Local Action Group



2. 若者支援組織(Support to youth organizations)

~ ヘルシンキでは約400の青年支援NPOが活動している

EX:今日(11月22日)のニュース・トピック

= 300人の若者がデモンストレーションを行い「古いコテージを利用してユース・センターを作る要求」 ~ 市はすぐに検討し行動する(局長が討論に参加)



○市のポリシー:「さまざまな活動を支援し、批判があれば受け入れる」

→デンマークでは警察に通報し、警察権力を使ってデモを暴力的に排除しようとしてさらに若者の暴動が激化した

~ ヘルシンキ市青年局はネゴシエイトの機能を担う



3. 文化的市民活動の強化(Enhancing cultural citizenships)

EX:若者の文化活動(ストリート・ダンス)の支援、ダンス・アクション(路上のダンスイベント)の支援、モーター・スポーツ(カートなど)の支援



4. インターネットを利用した若者支援(Youth work in the net)

EX:ⅰ)(市の?)サイトにバーチャルなホテルをつくり、アバターを通して80%の中学生がアクセスしている

ⅱ)国からの支援を受けてネット上のユース・ワークを展開

ⅲ)国と市の将来にわたる協力関係の基礎



5. リスクを抱える若者支援(Empowering youth at risk)

= ユース・ワークを通じた社会的包摂

ⅰ)早期の予防(ユース・センターでのプログラム展開、社会参加等の民主主義教育など)

ⅱ)目標を設定した介入(ピア教育活動、ワークショップなど)

ⅲ)Reintegration(すでに大きなリスクを抱える若者支援など)



*【質疑】*

Q:Work shopは青年局の活動か?

A:サービスの開発は約10年前でそのときの担当は青年局であったが、現在展開されているほとんど全ては教育局のプログラムである。

Helsinki Disadvantaged Young People Project

2007年度海外調査(フィンランド) [NO.9]  


訪問先名称:ヘルシンキ青年局Disadvantaged Young People関連プロジェクト
 

<主な事業内容>


*【フィンランドにおける若者の自立の現状】*
フィンランドでは、18歳になると多くの若者がアパートを借りて親の家庭から独立するのが一般的。
ヘルシンキ市では12歳に焦点を当て彼ら・彼女らに伝わるように若者政策を展開している。それは、さまざまな問題が起こる前に対処するためである。


*【ヘルシンキ市の若者政策=Social Youth Workプロジェクト】*

* ヘルシンキ市青年局職員は約400名、うち30名がユースワーカーである。

* Social Youth Workプロジェクトの中心はSocial Skillの育成であり、すべての活動に
social skill trainingをいれている。

*「赤い糸」は2つ
1. すべてが参加できる体制
2. 社会的な意識を強化する=若者に自信を与える

*Youth Act(2006)・・・29歳以下の若者を“Youth”とする

1. すべての決定に際して若者の意見を聞かなければならない
2. それ以外は各自治体(市町村)が自由に政策を作れる~かなり自由にできる
3. ヘルシンキ市では13~18歳の若者を中心に支援するプログラムを展開している


*【ヘルシンキ市青年局Social Youth Work(担当はカイサ・サキベルさん)の概要】*

1. 特別なリシクをかかえる12~15歳の若者に対するプロジェクト

* なぜ12~15歳か?
ⅰ)子どもからオトナへの変化が大きい時期である~環境との対立をひとつの特徴とする
ⅱ)周囲の影響をとくに受けやすい時期である
 
2. 教育、スポーツ、社会福祉局などの部局が連携して施策を実現

City of Helsinki ・・・
ⅰ)Youth Department
ⅱ)Social Department
ⅲ)Health Center

3. リスク=自分をダメにする子どもたち~学校は状況を把握している

ⅰ)19歳の問題は12~15歳ですでに見えている
ⅱ)ヘルシンキ市には5つのチーム(メンバーは互いに知っている)があり、すでに7年間継続してプログラムを展開している
ⅲ)ヘルシンキ市青年局はすべての青年を支援の対象にしているが、実際の支援は地域ごとにおこなわれている

4. フリースクールに来る3つの子ども・青年のタイプ

ⅰ)Depression、 Withdrawing、 Overly shy、Lonely
ⅱ)Antisocial behavior or Aggression
ⅲ)Hyperactivity

5. 若者の悪い状況

ⅰ)劣悪な家庭環境=母子・父子家庭、両親がいない、家庭が成立していない
~ (文化資源の伝達がないので)スキルがなく問題に対処することができない
ⅱ)経済的に厳しい=貧困


*【質疑】*

Q1:(宮本)家庭状況はどんなものですか?

A1:ⅰ)離婚は多い(ほとんどの場合それが何らかの影響をもっている)

~ 離婚率は50%を超える程度である。それだけが問題なのではなく、サービスそのものは無料であっても、親の失業が問題になっている。そこからウツ、アルコール中毒などの問題が生じる危険あり。~ 

ⅱ)若者の多くの状況は悪いわけではないが、社会的資源に関しては二極化が進んでいる

~ フィンランドはもともと平等な社会であったが格差が拡大している=社会福祉の後退が見え始めている~ 

Q2:格差はどのように顕在化しているのか?

A2:(前日に訪問したときに話題に出た)トマル・マルティカイネンの研究にあるように・・

ⅰ)地域ごとの若者の投票率に差がある
~ 収入の多い地域の投票への参加が多く、貧困地域の参加が少ない
= 政策に反映されるときに偏りが出る~ 

ⅱ)政策ではなく個人に投票する傾向がある


*【4.Social Youth Work(担当はカイサ・サキベルさん)の実際】*

1. スクール・カウンセラーが問題(たとえば暴力などの問題行動)を発見。

2. 子ども本人、または親にチームへの参加を提案。

3. 子ども、親、スクール・カウンセラーがセンターに来てチームとして支援可能かどうか話し合う。
→ 子どもの問題について気づいた人が電話する(ユース・ワーカーは学校の先生に対して、まずスクール・カウンセラーに相談するようにアドバイスしている)

(注)チーム(=学生福祉チーム)は教頭、教員(スペシャル・ティーチャー:通常のクラスでは生徒は22~25人であるが、特別クラスは8~9人でリソース方式の通級指導をする)、スクール・カウンセラー、スクール・ナース(非常勤で3日程度/週の勤務)、が主なメンバーで、ソーシャル・ワーカー、ユース・ワーカー、スクール・サイコロジストなどと連携して支援活動をおこなう。

4. チームで話し合って約束してから(agreementを子ども自身が見てから)活動する。
(注)その際、子ども自身が誰と相談したらよいのかを決めることができる。

5. 学校で協力相手を決めるときも子どもの意思で相談相手を選ぶ~活動の継続。

→ 原則として月に1~2回話し合いをする。その前に、担当者(ユース・ワーカー:だいたい1人のユース・ワーカーが10人程度を担当)が子どもと話し合う。

~ 学校との協力関係が必要である。なぜなら、それぞれの得た情報を伝え合うことにより適切な支援をおこなうことができるからである。~ 



*【5.Social Youth Work(担当はカイサ・サキベルさん)の特徴】*

1. 一人ひとりの子どもについてサポート・プログラムを作る

2. 具体的な行動をターゲット・スキルに!

3. 興味ある活動を作り、参加させる

4. 子ども自身のほかに、親の行動をサポートすることによって、親を励まし行動させる


*【6.Social Youth WorkのWorking Methods】*

1. Networking and Cooperation

2. Support Program including
- Time with an adult
- Group activities
- Camps
- Supporting parents and parenting school work
- Support for school work