2012年6月6日水曜日

水原市(スウォン市)経済政策局

2010年度3月海外調査(韓国) [NO.1]


訪問先名称:水原市(スウォン市)経済政策局
訪問日時:2011.2.28


【概要】
社会的企業は、全国の自治体での取り組みが始まったところである。そこで、水原市の社会的企業施策について聞いた。
水原市はソウルから電車で1時間、人口100万人の大都市、韓国最大の企業であり、世界最大級の電機メーカー、サムスンの地元。ユネスコ世界文化遺産華城がある。
14時 水原市駅に職員が車で出迎えてくれた。市役所に移動。
14時~14時30分 観光センターで水原市の概略の説明を受ける。
14時30分~15時30分 局長室で、局長と担当職員から社会的企業に関する説明を受ける。

【若年雇用問題に関する局長の認識】
仕事はたくさんある。しかし、高学歴者に合った仕事が少ないということ(カンネヨンさんのコメント:間違っている)。社会的企業は若者というより、脆弱層(高齢者、障害者などの貧困層)を対象とする施策と考えている。脆弱層のために社会的企業法を作った。2010年に改正し、若者の方に目が移っている。若者の失業率は8%。青年インターン制度、職場体験、ベンチャー支援などをやっている。施策の理由は、従来は終身雇用だったが、技術発達のため寿命が短くなっているため。
韓国では非正規雇用とはいわない。常用雇用(1年以上の雇用契約)対 臨時雇用、という区分
水原市は6割が自営業、7割がサービス業、人口は100万人
職業訓練は国の事業なので水原市はかかわっていない。また、訓練は3K職には必要ない。

【社会的企業について】
日本のコミュニティビジネスが中国に紹介されているが、これは、地域作りで利益を出さなくても良いものという認識されている。一方、社会的事業は利益を出さなければならない。韓国の社会的事業は世界のどこにもないユニークな仕組み。地方自治体でモデルを作っている段階。
水原市に22団体、全国に329団体ある。国の労働部中心から自治体に1部をおろすことになった。国から財政支援を受けている。
なぜ社会的企業が必要になったのかといえば、IMF通貨危機以後、回復したが安定した仕事にならなかった(質のよい仕事が少なく持続可能性が低い)。高齢化問題から社会サービスに対するニーズが高まる。若者も仕事がないため、社会的企業への期待がある。

【水原市の取り組みの流れ】
  • 2010年8月30日 社会的企業育成総合計画策定
  • 2010年9月8日 社会的企業ネットワーク協議会を編成
    (専門家、協力機関、社会的企業代表、公務員など10名)
  • 2010年11月17日 社会的企業育成
  • 2010年11月24日 水原市社会的企業協議会のスタート
    (講演、ビジョン発表、フォーラム開催など)
  • 2010年12月16日 社会的企業説明会開催
    (自活共同体、社会的企業に関心がある人、参与16名)
  • 2011年2月23日 社会的企業育成委員会

【推進目標】
水原市は2014年までに社会的企業を100団体作る予定
  • 2010年 20団体 550人
  • 2011年 35団体 800人
  • 2012年 56団体 1100人
  • 2013年 74団体 1300人
  • 2014年 100団体 1500人

【事業概要】
  1. アイデア大会 8700万ウオン
  2. 世界を変える1000の職業行事イベント 3万ウオン
  3. 水原(スウオン)型予備社会的企業育成 3万3334ウオン
  4. 社会的企業事業費および人件費支援 9万6千ウオン(1人120万ウオン)
   補足:社会的企業への財政支援(エコウエディングの場合)
     3年間 1人毎月92万ウオン(最低賃金)の90%(80万ウオン)が支援される。
     10人以上の企業だと100万ウオンが150万ウオンになる。
     自治体ごとに金額が違う。首長選挙の時の公約に出ている。

育成するためには基盤作りが必要
   ネットワーク協議会
   行政が支援 ベンチマーク、各部署別に登録する
若者を募集して**モデルを作る
   3つを選んでモデルとする
   3000万ウオン×3団体 起業支援
   1000万ウオン 営業
IMF通貨危機の際、一時的仕事を作って失業者を吸収したが、持続可能性がなかったという反省から、社会的企業作りとなった。
広域自治体で条例作りをし、その後基礎自治体で条例を作っている段階。
スウオン市は早い方だったが、最近始まったところである。22団体る。
内訳 10件の認証社会的企業、249人の雇用
    12の予備社会的企業 372人の雇用
全国では1025団体 キョンギドウは193団体

【運営実態】
  地域条件に合った社会的企業、アイテムを発掘しようとしているがまだ十分ではない。まだ広報不足
  大部分は国家の支援を通して脆弱階層の雇用を作るかサービスを提供する型

10の認証社会的企業のリスト
  • 2007年 豆腐と豆の製造 雇用提供型 従業員6名
  • 2007年 美容サービス その他型 4名
  • 2007年 清掃衛星管理 その他型 85人
  • 2009年 家事・保育・産母サービス 雇用提供型 10人
  • 2009年 スウオンYMCA その他型 ??? 11人
  • 2009年 コーヒー専門店障害者塾(学院)運営 雇用提供型 9人
  • 2009年 希望連帯 ホームレス雇用 雇用提供型 16人
  • 2010年 老人雇用、清掃・警備 雇用提供型 38人
  • 2010年 障害者支援・福祉サービス提供 社会サービス型 18人
  • 2010年 専門クラッシック演奏 その他型 50人

【社会的企業の4タイプ】
  1. 雇用提供型 脆弱階層に雇用提供 従業員の30%以上が脆弱層
  2. サービス提供型 サービスする相手の中に脆弱階層が30%以上
  3. 混合型 脆弱階層が20%以上、対象者の20%が脆弱階層
  4. その他型 脆弱階層雇用比率と社会サービス提供比率の判断が難しい。労働部が決定する
市役所を出て、社会的企業豆腐製造事業所に移動する途中の道路の壁画プロジェクトに案内された。市民創造大会で2位に選ばれたプロジェクト。作ったのは29歳の男性で大学卒業直前。壁画の前で説明をしてくれた。
ここはもっとも交通量の多い道路で、バス停留所がある場所。長い塀が歩道に沿って立っている。この塀に落書きが絶えず、汚く殺伐とした雰囲気になってしまう。自分はすぐ近くに住んでいるので残念でたまらなかった。そこで、この壁にハングル文字の組み合わせができる仕掛けのボードを作った。市民や子ども達がそれで遊ぶようになった。その後、落書きがなくなった。彼は地域振興と学生をつなげる社会的企業家を目指している。