2012年6月6日水曜日

ユーススポット Youth Spot Reseach and practice centre Youth Work

2011年海外調査11月【オランダ】⑪




ユーススポット Youth Spot  Reseach and practice centre Youth Work

訪問日:2011年11月11日(金)



■概要 「ユーススポット」はソーシャルワークを実施する7つの団体(大学、ROCなどの学校)が連携した組織。
この組織ではユースワークの専門職化を促進する為、ユースワークに関するリサーチと実践を行っている。オランダのユースワークはプロとして実践されている事が特徴である。
実際に訪問した先は大学の教室の一室。特にこの組織の建物があるという事ではなく、連携組織。

■目的 ユースワークを専門職化を普及する事により、若者と社会の未来に働きかける事を目的としている。

■活動内容(プレゼン内容)
アムステルダムの若者の現状について 
この10年オランダでは非常に格差が大きい社会になっている。移民、貧困、教育不全、ホモセクシャル、肌の色など様々な理由から社会的に排除される若者がいる。
ユースワークは専門職化しにくい分野(対象になる若者や社会の変化、分野としてもまだ小さい)であるが、ユースワークの専門家を増やす事ユースワークの専門職の質を上げる事の2つが目的として活動している。
専門職になる事の4つの条件は特定の知識、手法、能力、自立的な判断力(ユースワークの範囲を知る事)
ユースワークが普及しない2つの理由 対象がわかりにくい(若者のニーズが常に変わる。)分野として小さい。
例 Open Youth Work  誰もが参加できるユースワークの手法として紹介


OPZET (実践に基づいた研究)の紹介

 文献調査
6人の学生が5か所のユースセンターで活動し、参与観察する。
ディスカッション先生とユースワーカーにて
調査を元に分析と研究を行う。
成果物
論文とユースワーカーの為の教材作成


文献調査と実践を合わせた調査研究の説明

*リスクのある若者に対するユースワークについて(ここからはユースワーカーのセバスチャンさんからの説明)
リスクのある若者は家族問題(家が小さい、貧困、大家族など)教育の貧困、移民問題、犯罪に関わる問題、ストリートカルチャー(悪い事がかっこいいというような風潮)などがある。
ユースワーカーが現場で実践する3つの仕事
1)若者をグループ活動に参加させる事→スポーツや文化活動などに参加をする事により若者を社会化する。2)若者の様子をみる事→活動に参加したり、その他の場面でも若者の変化や問題に対して見守る事。3)他の専門職と協働する事→例えば学校へ行っていない若者がいたら学校との連携をするなど他団体や専門家と協働する事で若者を支援する。
(実践例) スポーツを通したユースワークの実践
若者自体にリーダーシップを取ってもらう実践。若者自身が輝く事も含め、実際に実践する事によってその後の進路にも良いアドバイスを与える事ができる。単なるアドバイスではなく、実際に実践する事により本人が体感する事が大切。
ユースワーカー自体がプロとして教える事から始まり、少しずつ若者自体に責任を持たせた仕事をさせつつ、出来た事は褒めたり、リーダーとしてするべき事ができなければ怒ったりして達成感を味わわせるまでサポートする。

ユースワーク普及の壁
リスクのある若者への対応が多い事、定時で終わる事ができない仕事 (問題が起きた時にいつでも対応しなければならない。)などがユースワークの職業普及への壁となっている。
また、ユースワーカーは様々な場面で道徳規範を問われる事がある事、また国の予算の削減もあり、来年度以降のユースワークへの予算削減も予想されている。
ユースワーカーとしてのするべき事、心得について最後に説明があった。
町で起きている事をよくわかる事、政治についてきちんと情報を持つ事、関係をつながり続ける事が大事である。

■質問・考察
質問1)困難な学校との連携は出来ているか? 
学校との連携はしているが、困難な若者に関してはグループとしてほとんど把握されている。
2)対象は何歳~何歳まで? 10歳~15歳 16歳~24歳(それぞれに違うアプローチをしている。)(10歳以下はチルドレンワークとしてケアされている。)
3)就労への促し等はしているか?
ユースビューローという若者専門の仕事紹介所があり、そのような機関と連携している。
4)ユースワーカーの主な活動場所は?
ユースセンター、スポーツセンターなど、また天気がよければ野外での活動など。