2012年6月6日水曜日

FNV Jong オランダ労働組合連盟若者部会

2011年海外調査11月【オランダ】 ⑦

FNV Jong
オランダ労働組合連盟若者部会

○日時
20111110日(木)9001100

○場所
オランダ労働組合連盟事務所

○インタビュイー
モニカ(政策アドバイザー)
エスター(マネージャー)
キム・コーネリッセンKim Cornelissen(広報担当)

○配布資料概要(一部、当日の聞き取りを追加) 
 FNV Jongは、若者のための労働組合ネットワークである。これは、伝統的な形の組合ではない。FNV は、かつていくつかの若者組織を有していた。だが、FNV Jongは、2006年に設立された。若者組織が再組織化された理由は、労働組合のなかでもっと積極的になるためにはプラットフォームを持つべきだと感じるFNVの若者がいたからである。若者問題についてもっと積極的になるよう、労働組合に対する内外の圧力挙がることも理由の一つである。FNV Jongは、組合の20万人以上の若者を代表する。われわれは数多くの仕方で若者を代表しようと努めている。

 一般的に、FNV Jongは、三つの主たる目的を持つ。
①若者問題に対する政策を作り、労働組合や政府の政策に影響を与える。
②労働組合のイメージを変え、労働組合は古い人々(成人や老人)の地位のためだけに戦うという考えを変える。
③若い労働組合メンバーの積極的な参加を促す。

 われわれは、次のような方法で若者問題に働きかける。
①政策:若者の利害を守るため、政党・政府・労働組合と接触する。例えば、新しい法律が議論に上るときには、積極的なロビー活動(大臣や議会への手紙、請願運動)を行い、積極的に法律に影響を与える。
②イメージ:若者が好きなものについて、じっくり見て、じっくり感じるプロジェクトやキャンペーンを組織化することによって、若者が自分自身を守るよう手助けする。例えば、MTVのようなテレビ局と連携する。
③参加:労働組合内で、若者の地位を強化するよう努める。若者がわれわれのキャンペーンに参加するよう促す。
 これらのことを実行するために、いくつかの会議やプロジェクトを組織化している。
 
 現在、FNV Jongが認識している若者問題は、次の点である。
①若者は組合のなかで自己主張できない。
②若者は自分の権利に気づいていない。
③若者は社会保障に対する権利が少ない。
④若者は家を買ったり、安定した生活を得たりする機会が少ない。

 最近の2年間で、われわれが実行したもっとも重要なテーマは、以下の通りである。毎年、テーマを設定していく。
①若年失業
②フレキシビリティとフレキシブルな労働
③実習生の立場と通常の実習制度(→Coloの話を参照)
④労働市場における若者の立場
⑤若者の最低賃金システム
⑥休暇期間中の労働についての年次調査
⑦若者の労働組合員のネットワーク構築

○インタビュー概要

FNV について
 FNV Jongには、8つのチームに分かれている。①政策アドバイザー2人、②スクール・プログラム・コーディネーター1人、③プロジェクト・サポーター2人、④渉外担当1人、⑤マーケティング1人、⑥渉内担当1人。
 そもそも、FNVは、1906年、ダイヤモンド鉱山の採掘労働者ヘンリー・ポラックが、劣悪な労働環境に抗して、労働者の組織化を行ったことに端を発する。
 FNVは、セクターごとの組合(19組合)のネットワークである。組合員は、140万人である。FNVの代表は、Agnes Jongerius(女性)である。35歳以下の若者組合員は20万人いて、それがFNV Jongのメンバーである。組合を維持するためには若者が必要という認識から、FNV Jong2006年に設立された。

FNV Jongが力を入れるテーマ
①若年失業
 若年失業はとても大きな問題で、現在約9%である。エスニック・マイノリティの失業率は高く、25%に上る。具体的には、ワークショップを行っている。
 ワークショップを行う前に、調査を行った。仕事が見つからない理由には、次のようなものがある。1.差別、2.面接がうまく行かず、仕事を見つけることができない、3.仕事を見つけても、意見を主張することができない。ワークショップでは、面接などのスキル改善を行う。
②インターンの地位改善
 インターンは賃金がもらえないため、地位としては非常に低く、それを問題視している。ウェブサイトで、自分のインターン体験を報告してもらい、それを評価する仕組みを作った。
③労働教育
 学校の休暇中に働く若者たちholiday workersの労働環境に焦点を当て、「ホリデイ・キャンペーン」をしている。来年度のプランとして、いくつかの会社で、若者に労働環境の安全と労働者の権利について講習会を実施する予定である。また、「スクール・プログラム」として、HAVOMBOの生徒たち(1520歳)を対象に、労働者の権利・労働契約のあり方・お金の使い方・ネットワーキングの講習会を行う。これは、いわばキャリア教育の前段階に該当する。
④最低賃金
 若者の最低賃金は低いため、ヨーロッパにおいて署名運動をしている。
⑤社会的ネットワーキング
 社会メディアを使って、社会的ネットワーキングを展開している。そのほか、若者とネットワーク会議を実施している。若者と話し、政策に反映させることが目的である。

オランダの若者政策の動向
 20082009年の金融危機で、若年失業率は約7%から約13%に急上昇した。20093月、FNV Jongは政府に対して対策プランを上申した。その後、6月に対策プランの採用が決定して、9月に政府の社会問題・雇用省によるアクション・プランが成立した。3年で25千万€の予算である。アクション・プランの結果、若年失業率は低下した。ただし、エスニック・グループの第二世代(トルコなど)の問題は、今なお残っている。
 アクション・プランを受け、FNV Jongでも、「どれだけ待たされるの?」キャンペーンを実施した。
 アクション・プランの後、自治体でも若者支援策が実施され、地域ごとにさまざまなプログラムが生まれた。例えば、ユトレヒトでは、雇い主に対して雇用助成金が支払われる仕組みが作られた。そのほか、成功した施策として、若年失業者が、もっと貧しい地域の若年失業者をカウンセリングするプログラムがあった。

オランダにおけるフレキシブルな労働
 オランダでは、フレキシブルな労働が広がっている。35歳以下の若者の場合、65%がフレキシブルな労働に従事している。また、27歳以下の若者の場合、43%がフレキシブルな労働に従事している。これらの若者は、少なくとも34年のあいだ、フレキシブルな労働に従事する。なぜなら、若者にフルタイムの仕事があてがわれることは少ないからだ。これらのフレキシブルな労働では、十分な教育schoolingの機会は提供されない。そして、社会保障の該当期間は、求職している36ヶ月しかないので、パーマネントな仕事を探すには短すぎる。そのあいだに別のフレキシブルな仕事を探さなくてはならない。
 もし、労働時間が短くて、生活に必要な賃金が稼げない場合、オランダの法律上、社会保障の申請は可能である。しかしながら、27歳以下の若者の場合、実際に給付をもらうことは難しい。政府の方針として、27歳以下であれば、別の仕事を探すことが求められるからだ。年齢に応じた規制regulationsの違いがある。
 われわれとしても、セクターごとに雇用を創出するよう働きかけている。ただし、パーマネントな仕事を獲得するためのプロジェクトはやっていない。本人に探してもらうしかない。政府は、もっと労働市場をフレキシブルにしたいと考えている(40%まで)。現在は、2035%である。これ以上、フレキシブルな労働市場にならないよう、われわれはロビー活動をしている。オランダでは、求職中の社会保障は3ヶ月だけである。したがって、フレキシビリティと社会保障securityが一致しているとは言いがたい(フレキシキュリティとは言いがたい)。
 フレキシブルな労働者は、企業のもとで教育を受ける権利がない。つまり、フレキシブルな労働者は、自分で勉強するしかない。雇い主がフレキシブルな若者に職業教育・訓練の機会を提供する=投資するように促す規制は存在しない。したがって、スーパーなどでは、単純労働者として若者が好まれることになる。しかしながら、フィリップスのように、企業によっては、フレキシブルな若年労働者に対して、学校に行かせる企業も存在する。