2012年12月18日火曜日

하비뱅크 .ホビーバンク



NO.

訪問先名称
하비뱅크 .ホビバンク
訪問日時
2012102310時~12
場所
ボクサコル文化センタ3階文化共同体プラザ
先方担当者
代表カビノさん(男性30歳)、イジンさん(女性26歳)Hobby sharing designer
先方連絡先
所在地:京畿道富川市遠美13942 ボクサコル文化センタ3階文化共同体プラザ
경기도 부천시 원미구 1 394-2 복사골 문화센터 3 문화공동체 플라자
電話番号:010-47b2-204b
メールアドレス:hobbybankkorea@gmail.com
訪問者
佐藤洋作、津富宏、白水崇真子、岩本真美、新谷周平、山本耕平、宮本みち子(記録)、白谷素子、畑山麗衣、カン・ネヨン(通訳)

■入手資料等
■参考URL等 www.hobbybank.net
■その他参考資料等

【概要】富川市認定の社会的企業である。趣味体験のためのマッチングをした後、それを実際にやるために会員制に敷き、会員として入会を促し、文化活動として展開することをめざしている。活動の場としては、コミュニティセンターを使って活動するのが一番容易な方法とねらいを定めている。文化センターは、社会的企業のインキュベーションもしている。
【目的と活動】
社会的企業としてスタートさせた理由は、人々の趣味の時間をより豊かにしようと考えたからである。人はみな124時間を平等に与えられている。働く時間は平均8時間、それぞれにスペアタイムがある。ほとんどの人は自分の働いている8時間に集中いているが、働いていない8時間を豊かにするには趣味が必要である。自分の趣味にお金をかけるのにもったいないとは考えない。カメラもすごく高いがわたしはカメラに投資した。しかし、趣味がない人はこの8時間が寂しいものになる。そこで、ホビー・バンクは趣味のない人があきらめなくてよいように、趣味を作ることに協力することを目的として活動している。それは、趣味をもっている人がもっていない人へとシャアすることである。まったく趣味のない人がいろんな趣味に接してその中から選択できるようになることを目的とする社会貢献である。
さらに、それが個人で終わるのではなくて、再生産されて社会に反映させていくことを目的にしている。最初からそこまでもっていくのは難しいので、今は趣味をもっている人のネットワークを作ろうとしている。それに関連した教育をしている。趣味を無理やり与えるのではなく自分で選択できるようにもっていく。一つの趣味に触れるのではなく多くのものに触れることでその中から趣味を選択できるようにするのがホビー・バンクの考え方で、具体的な方法としては、ホビー・マット(マーケット)を作ろうとしている。
その手順は、まず趣味を必要としている人をみつける。つぎに、その趣味を提供できる人(趣味家)を見つけて趣味を必要としている人に紹介する。これは無料のサービスである。提供する人とされる人とは平等な関係であり、両者の間の「分かち合い」である。
ホビー・ハウスのビジネスモデルは、趣味体験のためのマッチングをした後、それを実際にやるために会員制に敷き、会員として入会を促す。活動の場としては、コミュニティセンターを使って活動するのが一番容易な方法である。コミュニティセンターは外部化している。遊休施設を利用するということも行われる。市民が協働組合を作って運営するケースもある。ホビー・ハウスが、コニュニティ・ハウスの管理を委託されて活動するという線は考えらえる。

【組織・運営】スタッフは3名である。代表は30歳男性、社員の1人は26歳の女性である。この2人にインタビューした。()富川市の地域型社会的企業として事業費の助成を受ける。人件費は含まれていない。

【施設・設備】ボクサコル文化センターに一室が文化共同体プラザで、複数の若者社会的企業が部屋を共有して活動をしている。

【質疑】
質問:具体的な活動内容を教えてほしい。
回答:ホビーシェアリングは、趣味活動を必要としている人を探す。来所者の多い福祉館で探す。趣味をもっている人ともっていない人のマッチングで、それを無料でおこなっている、ホビーシェアリングは才能を寄付するのと違う。かわいそうだから善意であげるではなく、わかちあうことである。趣味を探している人に趣味を体験してもらうプログラムを作っている。マッチングに成功して本当に趣味をするということになれば会費をもらうというビジネスモデルを考えられると思う。
質問:自治体がコミュニティ・センターなどを外部委託し、それを民間団体が運営するためには、実力のある団体を育成する必要があると思うがどうか?
回答:(富川市文化センター長)その通りで同じ悩みをもっている。センターは、活動家や企画者を養成することを目的としている。地方自治体の予算の一部は住民参加で決めている。これを徐々に強化している。
質問:文化センターなどがたくさんあるなかで、ホビー・バンクがビジネスになるのか。
回答:差別化が必要だと思っている。通常の文化センターなどは、特定の趣味に関して少しずつ段階を上がっていくような仕組みをとっている。一方、ホビー・バンクは、一度にいろいろなこと試してみることができる点に違いがある。この仕事以外にいろいろなことをやって収入を得ている。それをあげると、①総合福祉館(脆弱階層の子どもから高齢者までが利用する施設)の講座に講師として呼ばれている。②イベントの記録を作成する仕事を依頼される。③子どもから高齢者までを対象とするプログラムへの協力を求められる。
質問:社会的起業と認証されることは価値があるということか。
回答:審査員からもそう言われた。富川社会的起業は(地域社会的起業)は人件費ではなく事業費だけもらっている。これは国の認証社会的企業である雇用型社会的起業ではないので人件費は出ない。この文化センターがインキュベートしているので、相談しながら日本の指定管理者制度のようにコミュニティセンターをつくるビジネスモデルをと考えている。
質問:事業費はどのようになっているか?
回答:富川市の地域型社会的企業として事業費の助成を受ける。人件費は含まれていない。()豊川文化センターはインキュベートをしていて、ホビー・クラブもそこからいろいろとサポートを受けている。今年は、この地区のコミュニティセンターで活動することになっている。市内にある他のコミュニティセンターは民間に外部委託されている。その線に乗ったということである。そのほかに遊休施設も使って活動をしている。これらを市民が協同組合を作って運営するケースもある。
質問:ホビーバンクの活動で生計は成り立つのか?
回答:社会的企業としてのホビー・ハウスは事業費の助成だけで、人件費の助成はなく現在はこれではくらせない。そこで、3人のメンバーそれぞれが、写真・デザイン・企画などの仕事で収入を得ている。収入を増やすより経費を減らすことが大事だと思っている。
質問:カビノさんのプロフィールを教えてほしい。
回答:30歳で大学4年生だが、休学してこの活動をしている。大学では社会学を専攻している。在学中に2年間軍隊に行っていたので、卒業が遅くなっている。なぜ、在学中に社会的企業を立ち上げたかというと、この年齢でやればうまくやれると思ったからである。30歳を過ぎると安定しないといけないというプレッシャがかかるから、やるなら今だと思っている。また、大学生の身分を利用すると、やりやすいと思う。
写真がとても好きである。その他、紙工芸、クレイアート、音楽演奏などもやる。なぜ、趣味(ホビー)に着目したかというと、近所で若い男性による殺人事件があった。彼は外国留学までした頭の良い人だったがゲーム以外の趣味がなかった。事件を聞いて、「ゲームではなく人との交流に時間を使えばよかったのに」と思った。自分は前働いていた会社でストレスが多かった時、自動車の趣味で解消することができたからだ。
ホビー・バンクが事業として可能なのかといえば、自分にとってこの事業自体が趣味である。事業の特徴としては、ネットワークを利用した事業である。
 
【感想・考察】
ボクサコル文化センターは、文化関係のインキュベーションセンターでもある。ホビー・バンクは、富川市の社会的企業の認証を得て活動しているが、コミュニティセンター等の社会教育機関が指定管理者制度による民間委託が進んでいることがビジネスの見通しを与えているように思われる。日本においても民間委託を進めるためには、それを受けることのできる民間事業者の育成が欠かせないと認識されている。その点で、韓国の民営化が、社会的企業を育成していく事業と歩調を合わせていることは参考にある。しかも、若者が社会的企業の担い手として文化・教育セクターに参画し、気概をもって活動していることに感心した。激烈な学歴競争の弊害がめだつ韓国で、既存の人生コースに乗るのではなく、趣味や生きがいを仕事に高めたいという気概をもつ若者たちにチャンスを与えるという点で、社会的企業の果たす役割は大きい。また、インキュベーションセンターとして、若者の社会的企業を育成する機能を果たしているボクサコル文化センターの存在も興味深い。