2012年12月18日火曜日

自由想像キャンプ



NO.

訪問先名称
自由想像キャンプ
訪問日時
20121023日  19002000
場所

先方担当者
氏名 キム・ミギョン(肩書き:代表 )
先方連絡先
所在地:
電話番号:010-2553-9660
メールアドレス:freesangsangcamp@gamil.com
訪問者
宮本 佐藤 津富 山本 白水 岩本 新谷 白谷 畑山

■入手資料等
事前に配布された資料
■参考URL等
自由想像キャンプHP:http://www.sangsangcamp.net/

【概要】
地域の文化を生産して、様々な地域共同体が生成、成長しながら、地域の課題や問題意識を共有する場であり、青年の文化企画者を養成したり、地域の祭りや文化企画を行っている<青年の成長プログラム(青年企画者のレジデンスプログラム)>

【目的と活動】
富川市を基盤に青年の企画者を育成・祭りなど文化企画をおこなっている。
学歴や格差が関係なく、誰もが差別なく誰でも参加し学び、知識と学問を分かち合います。

-ビジョン-
地域の文化を促進し、生産する青少年地域文化企画の学びと成長のプラットフォームであり、答えを共有する共同体ではなく、質問を共有するコミュニティ。地域共同体の回復と再生を夢見て皆が一緒に作っていく知識の分かち合い運動であり、祭りでもある。最終的に、地域の文化を生産する様々なコミュニティが生成され、成長して、時には消滅し、新たな共同体を夢見るプラットホームとなることを願っている。青年の中から青少年の育ちの応援部隊を作り企画していく。

■自由想像キャンプでは人々が集まって地域の開かれた対話を交わすフォーラムを行う。
Readyセクション:地域ごとに持つ様々な質問や問題意識を共有します
自由想像キャンプのフォーラムは、発題者の一方的な発表だけを聞く場ではなく、一般参加者が開かれた対話の場に参加して一緒に考えて、話を交わし、知恵を集めて具体的な解決策と実践の機会を発見していく場である。
Jumpingセクション:地域共同体が持っている悩みや問題意識を具体化し、解決のポイントを探
してみる講座とワークショップで構成される
Togetherセクション:人々と日常であって一緒に作っていく地域プラットホームプロジェクト
持続可能な地域共同体を促進し、一緒に作っていく地域プラットホームとして、村の人々が日
常生活の中で出会い、交流し、共有し、コラボレーションする場をつくっていくプロジェクト。

自由想像キャンプは地域で青年地域文化企画者というプログラムを設けている。最近韓国で流行っているのは“若者が地域(※1)の戻る”ということです。しかし、地域と青年がどのように交わるかということに対しては、若者の地域を見る観点が確立されていない・地域も若者との交わりかたを知らないという課題がある。
※1:イメージ的に“地域”と言っている。日常生活の範囲を“地域”と考えている。

実際に自由想像キャンプの行ったプロジェクトを以下で4つ紹介する。
(地域と出会うプロジェクトの1):都市スキンケアリング
富川地域の社会観念のある団体に出会った。清掃業で勤めている人と家族と一緒に落ち葉を使って作品を作ることをした。掃除の対象になる落ち葉が遊びの対象になる。あまり必要性がないものが必要なものになる。

(地域と出会うプロジェクト2)掃除しているおばさんとのプロジェクト
彼女たちは病院や学校の清掃をしている。それぞれの区域で掃除をしているので交流がない。学校で清掃をしている人が学生と触れることにストレスを感じる人もいた。わたしたちは清掃道具を使って泡で絵を描くことをしてみました。彼女たちは福祉館などで文化教育をうけている(ハングルを知らない人)。絵を描くときに初めて息子の名前を書いたと言っていた。清掃員を雇っている会社も最初はこういった活動は彼らの悪いエネルギーにつながるのではないかと考え反対していたが、展示会を終え、彼らの作品を見てからは活動に賛同するようになったと言っていた。

(地域と出会うプロジェクト3)グレーキャンプ:グレーは前向きという意味と都市のイメージ
青少年たちは都市の生活に良いイメージをもっていない。私達が住んでいる地域で楽しく生活できないかという問題意識から始まった。キャンピングは郊外に行かないといけないとできないと思うが、自分たちの生活している地域でキャンプできないかとかんがえ、都心で遠足したり、住んでいる人とどのように触れ合うかなどを考え実施。都市の中で楽しく生活するために考えた方法。

(地域と出会うプロジェクト4)キンポ空港に近い一番地下が安い地域の青少年とのプロジェクト
青少年文化の家という建物がある。彼らは元気で音楽好き。周りから見ると金髪でたばこを吸う悪い子とみられている。貧困密集地域なので住民たちのストレスが青少年へ。地域が子どもたちと一緒に育つという考えがない。青少年たちも地域に関心がない。青少年たちと地域の人との関わりとつくるためにカートでお茶を販売しようということになり実施。
1388はソウルなどで青少年を保護するプログラム

■キャンプについて
-参加者-
高校生~大学生。50代のおばちゃんも参加。青年といっているが年の制限はない
1015人で半年間実施する。
-期間-
準備するため・青年を集める期間として4カ月~5カ月。キャンプは1カ月。あわせて半年。
年に夏と冬で2回実施。
-場所-
地域にある遊休空間を利用
-お金―
プロジェクト費用をもらう。スタッフの賃金は事業費として(講師代など)
-広報文句-
仲間に出会いたい人。自分の生活を応援してくれる人が必要な人。自分の問題意識からライフスタイルを開拓した人が一緒になってやっていきましょうといった文句で参加者を集める。

-質問―
津富:参加者は?友達がいないような孤立している人が多いのか、エネルギーがある人なのか?
A:半分・半分ですね。
津富:そういったバックグラウンドが違う人の集まりの中での運営の難しさは?
A:いろんなバックグラウンド・使う言葉も違う人との関係づくりには時間がかかる。人に出会って関係を作りたいというニーズはもっているが、出会って初めて関係を作っていくは難しい。自分たちが出会って関係性をつくる自体が地域の人とであって関係性をつくっていくことになる。6か月終われば持続的に会える関係になっている。途中でやめる人もいる。彼らと分かれる理由はやる媒介がないだけで。


【組織・運営】
ミンギョン
チョン・ヒーヨン
メンバーは5人(フルタイムではない)
※文化芸術教育活動・作家活動・研究員などと両立している
※代表は毎年かわっていく
現在は非営利法人:社会的企業にするかは検討中
社会的企業ではないが、去年社会的企業の資金をいくつかもらった。

-メンバーの出会い-
富川文化財団の支援を受けて一つプロジェクトを開き、今のメンバーに出会っていった。(参加者)
→今年1年が終わると、スタッフはもともと働いていた現場にもどっていく。

【施設・設備】
遊休空間利用
【質疑】
佐藤:活動範囲はどこでかんがえている?
A:地域限定はないが今は富川にしている
佐藤:若者の“地域”イメージは?
A:イメージ的に“地域”と言っている。日常生活の範囲を“地域”とかんがえている。
佐藤:地域に戻るということは具体的にどういったことをイメージしますか?
A:自分の生活の空間の中で感じたり、実際につく
佐藤:住民とともに出会う?
A;個人かではなく住民と。
佐藤:若者もその中に入っていくというイメージ。

【感想・考察】
青少年と地域が繋がるという意味で、キーワードとなっていたのが「アート」だった。どんな
人にとっても「アート」というワードによって地域問題・課題に取り組みやすくなるのかと思った。また、地域問題・課題に興味・関心がなくても「アート」が窓口になり、自由想像キャンプの開催するフォーラムやキャンプへと繋がっていき、最終的には地域へと繋がっていく流れができているのかと思った。実際に参加者の層を聞いてみると、“友達がいなくて孤独な子とエネルギーがある子”の参加の割合は半分半分だと言っていた。そこに対しての難しさも感じていると言っていたが、フォーラムやキャンプの内容によっても参加の層がかわってくると思う。色んな参加者がいると思うが実際のところどのように交流し、地域課題へとそして祭りの参加へとつながっていくのだろうかと気になった。しかし、こういった地域の青少年を集め、それぞれの問題意識にあったプログラムを企画するという事業はとても有意義なものだと感じた。そうすることによって地域と青少年の交流の前に、青少年と青少年の意識・知識の交流・共有の場になる。地域の中で企画や祭りを実施するとなっているが、実際に地域の方との交流や実態の部分はどうなっているのだろうか。また彼らと繋がれていないのは媒体がないだけであって媒体があれば彼らと繋がっていたいという点に関しては考えるべき点ではないだろうかと思った