2012年12月18日火曜日

서울시 대안교육센터 ソウル市代案教育センター

NO.

訪問先名称
서울시 대안교육센터  ソウル市代案教育センタ
訪問日時
2012102410時~12
場所
ソウル市西大門延禧洞 167-1西大門青少年 3
先方担当者
キム・ミンギョン
訪問者
佐藤洋作、津富宏、白水崇真子、岩本真美、新谷周平、山本耕平、宮本みち子(記録)、白谷素子、畑山麗衣、カン・ネヨン(通訳)


概要】ソウル市代案学校センターは競争と他律的学習ではなく暖かいケアと自己主導的学習が可能な都市型代案学校を支援し、ソウルの学校外側青少年の学びや成長を支えている。ソウル市において小学校から高校までで(企業と接続した職業学校であるマイスター校含む)で2012年には18,578名(約1.5%)が学校の外側におり、そうした学校外側青少年を対象にした29ケ所のフリースクールと4ケ所の飛び石拠点空間とその他の施設を含め36ケ所をネットワーキングしている。生徒数は924人に上る。「ソウルは楽しい学校だ」というコンセプトでセンターは学校外側青少年事業のハブ的な役割を担っている。ソウル市代案教育センターにネットワークされたフリースクールはソウル市の保健福祉委員会や児童青少年委員会からの支援を受けているが、教育長管轄の代案学校も30以上あり、こちらは教育課程が規定され卒業資格も得られる。

活動
)都市型フリースクールモデリング事業
・都市型フリースクール発掘/支援拡大
・新しい都市型代案をコンサルティング
)教育研究事業
・フリースクール教師養成、専門教育強化
・一般学校教師向けのフリースクール職務履修過程家庭を運営、学術研究、フォーラム
3)総合支援事業
・代案的空間とプログラムを提供し、学校外側青少年とソウルな多様な学び場をつなぐ
・インターンシッププロジェクト、メントー、導き教師の配置
4)広告対外協力事業
 ・社会資源連携プロジェクト…早期発見、OB協力、メントプールづくり
 ・オンライン、オフライン広告支援…HP、ニュースレター、広告物、イベント企画

組織・運営
2001年から延世大学がソウル市から委託されてソウル市代案教育センターが運営されてきたが、2011年からはソウル市学校外側青少年支援の法律的基盤を備えてソウル市学校外側青少年支援センター(ソウル市が(社)韓国青少年財団に委託して運営)へ拡大改変。職員現況は11人。

質疑】一部
質問:韓国の青少年問題の中心は家出だと聞いている。家出の場合は、このプログラムの対象にはならない
回答:家出は韓国では危機青少年の分類になるので別の機関の、精神福祉やシェルターがある。家出も含めるが主ではない。今までは公式的に連携してこなかった。シェルターとの連携も今までもあったので、対外協力事業の中で公式的に連携をしようとなっている。シェルターの協議会と連携をしようと話をすすめている。
質問:代案学校とネットワークに関係しているフリースクールの決定的な違いは?
回答:お金の出所がちがう。私たちのフリースクールはソウル市から出るので市民にできるような自由なもの。代案学校は教育庁で、その場合はある程度の法的なものに従ってほしいといったもの。行政的なカリキュラムがあるといった違い。一番違うのは教育課程が異なっている。学歴を認定される、されないの違い。フリースクールは学歴を認定されなくても、治療や青少年が変わっていくという面では自由な教育課程。
質問;フリースクールには学校の教師がつれてくるのか?親が連れてくるのか?市民運動から?
回答:学校辞めてすぐに案内できるような仕組みではないので、自分たちが調べたり、学校から案内する。学校を辞めたいということはフリースクールにくるルートを選ぶしかない。学校を辞めていないで、フリースクールに通い卒業証書はあとからもらうという仕組みもある。
質問:韓国の不登校・登校拒否は、実数をさぐってもデータがない。不登校の数を調べている実態はある?
回答:統計は韓国の全数調査をしている教育科学部が調査している教育統計があり不登校の数を算定している。不登校、病気と・・・覚えていないが3つの分類があって調査されている。全体の総数はわかる
質問:外国に行く子が増えている。残りの病気は増えていない。実態としてはどうか
回答:留学と書いていても、留学でない場合がある。お金がある子は留学、お金がない子は不適応と書くしかない。留学をしても適応せず帰ってくる子は多い。
質問;その子たちがこのプログラムを利用するということは可能性があるわけですね。いじめ体験や排除された経験をもっている子が対象となってくるということですね
質問:なぜソウル市が条例をつくったりしてフリースクールに関わるようになったのか?民間だったら関わらなくても良いはず。民間側も関わられるのがいやになるはず。
回答:政治的にこういった問題意識をもった市長に変わった。民間の団体で活動していた人が市長になっている。
質問:今度の市長にはすべての分野で市民の力でソウル市を運営するという方針があるので、この分野でソウル市民を巻きこもうとしている。
質問:(高校までを対象とした)フリースクールなのに13~24歳を対象者にした理由は?
回答:青少年の年齢が高まっている。条例にものっている。19歳までなく20歳前半にのびた。成長する期間がのびた。ソウル市も同意してソウル市議会を通過した条例。青少年の前提が25歳にかわった。法律に定めて条例ができたのでそのようになっている。

感想・考察
都市型代案学校は都市の多様なネットワークを活用して新しい人文学を勉強し,インターンシップやプロジェクトを通して学校外青少年が自己成長ができる学校である。ソウル市代案教育センターは都市のなかにある小規模の代案学校を行政,財政,プログラムの側面から支援する、教育の新たなキーワードである「ネットワーク」ということばを積極的に実践する教育支援機関である。日本のフリースクール運動を見習いながら立ち上がってきたソウル市の代案教育運動であるが、その展開はハジャセンターが年々変化成長しているように、その質量とも我が国の状況を凌駕している。さらには2011年末にパク・ウンスンがソウル市長になり、フリースクール支援の法律的基盤が整えられ韓国の代案教育運動は新たな発展期を迎えている。

資料-ソウル特別市学校外青少年支援条例
「施行2012.7.30」「ソウル特別市条例、第5328号、2012.7.30制定」

第1条(目的) この条例は、学校外青少年に対する代案教育などの教育及び自立支援などで学校外青少年が健全な社会構成員としての成長を支援することを目的とする。

2条(定義) この条例で使用する用語の定義は以下である。
1.  学校外青少年とは、学業中断青少年と非進学青少年、勤労青少年など正規学校(「小·中等教育法」第2条の規定による学校)の教育を受けないすべての青少年のことをいう。
2.  代案教育とは、学校外青少年の欲求に符合するよう提供される人性及び適性中心の教育と現場体験中心の教育、進路教育をいう。
3.  代案教育とは、第2号の代案教育を行う機関として「小·中等教育法」の第4条の規定によって認可されていない機関をいう。

3条(市長の義務) ソウル特別市長(以下、市長という)は、学校外青少年が学校外の空間でも自尊感を回復し未来への夢を実現できるよう、学校外青少年達を有害環境から保護し、彼らの欲求に符合する支援政策を施行しなければならない。

4条(学校外青少年総合支援計画の樹立) 
    市長は学校外青少年に対する体系的で中断しない支援のため、毎年学校外青少年総合支援計画(以下、支援計画という)を樹立、施行しなければならない。
    支援計画には、次の各号の事業を遂行するため支援対象と規模及び方法などに関する事項が含まれなければならない。
1.  学校外青少年に対する社会的認識の改善事業。
2.  学校外青少年への教育支援事業。
3.  学校外青少年への自立支援事業。
4.  その他、 学校外青少年を支援するための事業。
    市長は、支援計画を樹立するため、毎年、学校外青少年の実態調査を行い、前年度事業の成果を評価しなければならない。
    市長は支援計画を樹立する際、直ちにソウル特別市議会所管の常任委員会に報告、支援計画による必要経費を来年の予算に反映しなければならない。

第5条(学校外青少年支援委員会の設置)
市長は、学校外青少年に対する支援施策を審議·諮問するため、ソウル特別市の学校外青少年支援委員会(以下、委員会という)を置く。
委員会は、学校外青少年支援対策に関する次の各号の事項を審議·諮問する。
支援計画の樹立·変更に関する事項。
非営利法人·民間団体の学校外青少年支援事業に対する財政支援に関する事項。
学校外青少年の有関機関ネットワーク及び地域社会の協力体系を構築することに関する事項。
学校外青少年の人権侵害及び差別事例に関する、関係機関の陳情及び改善要求に関する事項。
第11条の、ソウル特別市が学校外青少年支援センターを運営することに関する事項。
その他、学校外青少年への支援に関して、市長が会議付する事項。

第6条(委員会の構成など) 
    委員会は、委員長一人を含めた15名以内の委員で構成され、行政1副市長を委員長とする。但し、やむを得ない事情があった場合には女性家族政策室長に委任することが可能である。また、民間委員のなか、一人を互選し共同委員長とすることができる。
    委員会の委員は、次の各号のひとつに該当する人で、そのなかで市長が委嘱するが、行政1副市長、書生家族政策室長、教育協力局長、ソウル教育庁の生涯進路教育局長は当然職委員になる。
1.  ソウル特別市議会の議長が推薦する委員2名。
2.  青少年関連の専門家又専攻大学教授。
3.  ソウル特別市の館内警察庁及び少年分類審査員、保護観察所など、校正機関の青少年業務担当責任者。
4.  ソウル市館内雇用センター、職業専門学校など技術及び職業訓練機関の青少年業務担当。
5.  青少年関連事業を施行する非営利法人·民間団体の代表。
6.  学校外青少年の保護者代表。
7.  その他、青少年の教育、福祉に関する学識と経験豊かな人。
    委嘱委員の任期は2年としえん再任できる。ただ補欠委員の任期は前任者の残った任期とする。
    委員会の運営に必要な事項は規則できめる。

第7条(代案教育機関支援) 市長は、代案教育機関が学校外青少年支援事業を推進する際、必要な費用の全部又は一部を予算の範囲内で支援できる。

第8条(共有財産の無償貸付など)
市長は代案教育機関の設立運営のために必要な際には、「ソウル特別市共有財産及び物品管理条例」によって、共有財産を無償貸付するか優先賃貸又は使用料軽減などができる。但し、無償貸付、使用料軽減はソウル市が代案教育機関を直営又は委託する場合に限る。
市長は、不要物品などを代案教育機関に無償譲与することができる。

第9条(公共施設利用権) 市長は、代案教育機関の学習者が市管理の公共施設を利用する場合は「小·中等教育法」によって、学生と同等な権利と便宜を保障しなければならない。

第10条(地域社会と協力体系を構築) 市長は、学校外青少年の教育及び自立支援のため、教育庁、警察庁など有関機関と青少年支援センターまたは関連社会団体とは緊密に協力しなければならない。

第11条(学校外青少年支援センターの設置など) 
    市長は、学校外青少年支援事業を効率的に推進するため、ソウル特別市学校外青少年支援センター(以下、支援センターという)
    支援センターの機能は次の各号と同一。
1.  学校外青少年の成功事例発掘·広報。
2.  学校外青少年の相談と保護支援。
3.  学校外青少年の人権、差別の実態調査。
4.  代案教育プログラム開発·又は補給。
5.  学校外青少年の進路教育。
6.  学校外青少年の就職支援プログラムを運営。
7.  学校外青少年支援法案の研究。
8.  学校外青少年支援ネットワークの構築及び管理。
9.  代案教育機関への支援。
10.           潜在的学業中断青少年の予防事業支援。
11.           学校外青少年の復校支援プログラム運営。
12.           その他、市長が推進する学校外青少年支援事業に必要な事項。
    支援センターの組織などの運営に関する必要な事項は市長が決める。

第12条(支援センターの委託) 
市長は支援センターを効率的に運営するため、青少年関連事業を施行する非営利法人·民間団体などに委託することができる。この場合、委託方法と支援など必要な事項は「ソウル特別市行政事務の民間委託に関する条例」を準用する。

第13条(支援センターの指導·点検) 
市長は、監督上必要と認定する時は支援せんたーの運営と財産にかんする必要な報告させたり資料の提出をさせることができ、関係公務員に関係書類と施設の検査をさせることができる。
支援センターの長は指導、点検時指摘された事項は直ちに是正措置しなければならない。

第14条(施行規則)この条例に関する必要な事項は規則で決める。

付則 <第5328号、2012.7.30>
第1条(施行日)この条例は公布した日から施行する。
第2条(委託運営による経過措置) この条例の施行当時、委託運営中のソウル特別市代案教育センターはこの条例によってソウル特別市の学校外青少年の支援センターと見る。