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訪問先名称
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ECO11
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訪問日時
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2012年10月23日 14:00~15:00
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場所
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富川市 ボクサゴル文化センター3階
(ソンネ駅)
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先方担当者
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氏名 ペック・ヘス :Peak
Heshu(肩書き:代表 )
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先方連絡先
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所在地:富川市 ボクサゴル文化センター3階
電話番号:032-323-1189
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訪問者
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宮本 佐藤 津富 白水 宮本 山本 新谷 白谷 畑山(記録)
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■入手資料等
配布されたPPT
■参考URL等
エコ11のHP(http://www.eco11.co.kr/)
【概要】
地球温暖化や都市ヒート・アイランド現象がある中で、都市では家庭菜園をしたい人が増加している。しかし、なかなか家庭菜園をする土地もない。そこで、より手軽に家庭菜園ができるような機材や材料を提供している。実際に都市がもつ多様な空間を活用した農作で、農業が持つ生物多様性の保全、気候・大気・土壌保全、景観づくり、文化、余暇支援、教育、福祉などの多元的価値を都市の中で実現し、都市と農業の持続可能な開発を創り出しているエコ11での報告をする。
【目的と活動】
目 的:多元的価値を
都市の中で実現し都市と農業の 持続可能な発展を 作り出すこと。
-畑を通して考え方を変える-
例えば韓国では自殺率が高くなり、学校の暴力問題も課題になっている。一緒に畑の教育をすることで問題の緩和につながってくるのではと考えている。社会経済について若者が理解すること・特に都市農業分野で若者がはいって定着していくことを期待して若者中心に若者と一緒に活動しているのである。
活動内容:以下の事業を運営している。
・環境にやさしい 都市農業支援センター運営
・1人1菜園づくり 支援
・循環や都会・農業交流活動
・都市畑指導士の養成
・企業の社会貢献
・寄付畑の補給
・エコ生活実践
・環境にやさしい家庭菜園の資材開発
・学校ファームプログラムの工夫
家庭菜園の中で特に必要なのは堆肥だ。外部からもってくるのではなく、どのように循環できるのかを考えている。例えばスタッフの一人の若者がミミズを利用して土を作っている。これは堆肥にとっても良い。今後はこういったビジネスモデルも考えられる。代表はエコ11に入った若者がこういった開発や研究をしていってほしいと思っている。また家庭菜園自体、お金があれば道具を買ってできる。しかし、貧困層や高齢者福祉館にくる高齢者や地域福祉センターに来る人は自分で道具を購入し栽培することは難しい。こういった対象者に対して企業のCSRをつかい、畑づくりを実施したり、プログラムを通して貧困層に家庭菜園のキット(※1)を届けるようなこともしている。実際に家庭菜園をする道具の販売も行っている。
(学校ファームプログラム)
学校の中で子どもたちと畑を作ったり、農業を教えたりする教育プログラム。 土・堆肥・種・料理・病害といったテーマがあり、テーマに関連した(子どものクリエイティブ性を利用して)一つ一つの教育プログラムを実施。またエコ11の畑で採れた作物を使用し子どもたちと一緒に料理をしている。
(※1):企業の社会貢献事業(CSR)
畑キット:木を組み合わせて箱(プランタ)を作り、食物を植え、福祉館などに持っていくという一連のプログラムがある。これを会社に提案し、会社の社会的起業をコーディネートする。社員はボランティア活動として参加しているが、会社の宣伝のために社員に実習させる。エコ11はこの畑キットを会社へ持っていき、ワークショップを行う。現在使っているキットの箱は木工場に依頼して箱をつくっているが、今後は出来れば野菜卸売り場でのバレットをリサイクルして使用できればと考えている。キットは1箱10万ウォンで販売し、コーディネーター費用として支払われる。
一回のワークショップを行う450万ウォン(キット30個)の収入がある。この収入によって3人のスタッフの給料を支払うことができる。今年3月から8月まで畑キットの収入は4200万ウォンであった。畑キットで植える苗はレタスやトマト・とうがらし・キュウリなど。現在はネギを植えている様子。季節によって変えられる為、1年中可能な方法である。
【組織・運営】
2012年3月 エコ11設立(社会的企業グリーンプラスから独立)
代 表:ペク・ヘス
事務長:キム・トンヤン
社 員:キム・シンロン(現役大学4年生)
(その他男性2名)
団体設立時は“エコ11”の名前の由来と同様に11名のスタッフとスタートした。ペクさんとキム・トンヤンさんを加え、その他病害の専門者・社会的起業の支援をしている専門家・金融の専門家などペクさんと一緒の哲学の人が11人他分野から集まった。現在は病害の専門家と3人が実働体で、その他メンバーは投資をしている。理事会を1カ月に一回して運営して行っている。
【施設・設備】
もともとは撮影地だった為、電車の模型や線路などがある。
施設と畑は、富川市が富川文化財団に委託し、富川文化財団からエコ11へ畑と建物の運営権を委託している。
【質疑】
-関心について-
津富:代表の方の都市農業の関心はどこから?
代表:もともとはソウル大学出身。一人の主婦として生活していた。子どものアトピーから関心を持ち始めた。保育関係<保育士協会の代表>の活動をしていた。子どものおもちゃにも関心があり、穀物でおもちゃをつくっていたりした。
キム:社会科学を勉強していて社会課題に関心をもち、都市農業で解決できるのではと感じた。都市農業は今年から関心をもち始めた。
トンヤン:子どもの料理と教育に関心を持っていた。もともとはレストランのシェフをしていた。時間内に沢山作らないといけなくておもてなしとして作れなかった。心がない料理をつくることが嫌だった。
-畑について-
代表:今は畑自体が福祉にもなると思っている。
宮本;福祉ということについて具体的に話してほしい
代表:畑自体が経済的な効果ではなく、みんなに幸せを与えられるヒーリングやケアという意味で福祉という言葉をつかっている。人間にはすべて与えられる権利がある。各種権・それと同じで自然権がある。小さいが畑も自然権という意味があると思う。
-規模について-
宮本:今後考えている規模は?
代表:毎年5名ずつスタッフを増やして25名にしようと考えている
佐藤:事業は成り立つ?
ぺん:はい。企業のCSRが結構助かっている。
【感想・考察】
日本でも若者が農業に関心を持ち始めているのと同様に、韓国のエコ11でも現役の大学4年生の学生3人が働きにきていた。大学4年生のキムさんは週に4日エコ11で働いている。これは大学の“職務延長実習”という制度を利用している。この制度はこういった現場で働くことによって単位を認定され給料ももらえるという仕組みである。韓国の社会起業法をはじめ大学の制度が整っていることによって若者のチャンスの機会も増えている。農業の分野へも関わりやすさなどにも影響しているのではないかと思った。また、※1で触れた畑キットに関して、野菜を育てるというだけではやはり事業としては成り立たない。そこで企業のCSRを利用するという点はすごく良い事業だと感じた。また、季節によって野菜の苗を変えれば年間継続できる事業である。企業にとってもエコ11にとってもメリットのある事業だからこそ成り立っているものだと思う。実際に日本でも企業のCSRを利用しながらできる事業は多く存在していると思う。また“韓国では自殺率が高くなり、学校の暴力問題も課題になっている。一緒に畑の教育をすることで問題の緩和につながってくるのではと考えている”とあったが、実際に農業と学校の暴力問題の関係性や、農業の位置付けが見えにくい部分があるのではないかと思った。