2012年12月18日火曜日

富川(プチョン)文化財団、부천문화재단



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訪問先名称
富川(プチョン)文化財団、부천문화재단
訪問日時
20121023日 10001520
場所
富川文化財団
(地下鉄1号線松内(ソンエ)駅 徒歩10分)
先方担当者
氏名 キム・ヘジュン(代表理事)
   その他、文化財団職員5
先方連絡先
所在地:
경기도 부천시 원미구 1 394-2 복사골 문화센터 4
京畿道富川市遠美13942 ボクサコル文化センタ4
電話番号:032-320-6300
メールアドレス:twtkr@bcfdagam
訪問者
宮本みち子、佐藤洋作、津富宏、白水崇真子、山本耕平、白谷素子、畑山麗衣、新谷周平(記録)、カン・ネヨン(通訳)

■入手資料等 財団紹介の小冊子
Bucheon Cultural Foundation News Letter, October 2012, vol.96
              Bucheon Cultural Foundation Annual Report 2011
■参考URL等 http://www.bcf.or.kr/
               http://blog.naver.com/mybcf
               www.facebook.com/mybcf
■その他参考資料等

【富川市の位置と財団の役割】
 富川(プチョン)市は、ソウル市と仁川(インチョン)市に挟まれたソウルのベッドタウンで、人口約90万人の都市である(ソウル市の人口は約1000万人)。富川文化財団がある松内(ソンエ)駅は、ソウル駅から地下鉄1号線で17駅目にある(日本で言えば、千葉県の市川市や船橋市にあたるだろうか)。
 富川文化財団は、市民の文化活動の交流を促進するための財団である。とくに富川市はベッドタウンであり企業都市ではないために、日本の横浜市や金沢市の文化政策も参考にしながら、文化の面に力を入れ、予算を投入しているという。国際的に知名度の高い祭もあるが、地域に居住している市民にとっては、必ずしもなじみ深いものにはなっていない。それゆえ、コミュニティをベースとした文化活動を盛んにするために、「文化分かち合いコーディネーター」を養成し、コミュニティセンター、学校、福祉館や図書館など、地域に送る必要があるという。あるいは、富川で育ったわけではない団体を富川に誘致したりもする。
 とくに、若者、女性、シニア(退職者、韓国では日本より定年が早い傾向にある)が地域に貢献できる道をつくることが財団の役割である。個人が講師をつとめたり、小さいチームを作ってプログラムを運営したり、あるいは、コミュニティビジネス、社会的企業等の組織の形で、市民とともにデザインをしていくのが財団の役目である。
 職員は、ここで80人、他の場を含めると170人いる。

【現在と今後の展望】
 地域で活動する若者を支援する基金(社会革新基金)をつくろうと考えているという。そして、ソーシャルベンチャーパートナーシップのネットワークに基金を運用する権限を与える。行政からの補助金と企業からの社会貢献によって基金を作って、民間で運用するような方向で今動いている。
 たとえば、国からの委託で財団が1年間若者のインキュベーティング事業を行うが、富川市では、14の若者の社会的企業を発掘した(全国では300)。発掘された社会的企業の約10%が現代自動車基金から援助を受けている。すでに社会的企業になっているモンタンのようなところは、社会革新基金や自治体の事業費を活用する方法もある。
2007年からの社会的企業育成法、今年からの協同組合法によって徐々にいい方向になっていると評価する。次の大統領選挙(12月)に際して、若者にどう希望をつくるかを考えており、夢を見る機会を提供し、それが社会問題を解決するエネルギーとなること、階層、世代に関係なく幸せになる文化を享受する権利を構築すること、すなわち、経済発展から文化の発展へと比重が移動していくこと、それが若者に大きな機会となると考えている。

【施設・設備】
 同じ建物内には、シアター、映像機材の貸出、健康家庭支援センター、女性センター、多文化家族支援センター、芸術図書館、若者カウンセリングセンター、退職者支援センター(シニア・ハッピー・デザイン・センター)、インキュベーションセンターなどが入っている。

【感想・考察】
 日本と同じように行政直営から民間委託への流れがあるようだが、財団やその代表理事の立場にもよるだろうが、決してその流れを悲観しているようには見えなかった。やむなく民間委託をするというよりは、積極的に若い世代の組織づくりを支援し、そこに委ねていこうとする姿勢を感じた。もちろんそれがどの程度の量と質を可能にするかによっては、国家にも社会にも期待されない日本の新自由主義と似たような状況を帰結するだろうが、いまだ自営業者的感覚や、労働運動の記憶が残るなかで、人々や若者が意思をもって柔軟に、ニーズに応じた新しい組織やサービスを作りあげていくことが可能であれば、日本とはまた違った大きな社会と、それに対する国家・行政との関係が築かれるかもしれない。