2010年10月22日金曜日

BAYC (Birmingham Association of Youth Clubs)

2007年度海外調査(イギリス) [NO.2]     


訪問先名称:BAYC(Birmingham Association of Youth Clubs)
訪問日時:2007年11月26日


*【概要】*
ユースクラブの運営やユースグループのサポートを手がける団体。UK Youthという全国組織の一環という位置づけ。


*【活動内容】*
・BAYCは1898年に チョコレートのカウビーという会社が出した資金でできた団体。若い女性に自由な時間とか活動する機会を与えるためにできたもの。若い人と一緒に活動する長い歴史を持っている。百何年間の間に組織は必要に応じてだんだん変わってきた。といっても最終的な目的は若い人のために活動すること。若い人を世話をするのでなくて同等なパートナーとして活動すること。

・かつて炭坑があったブラックカントリーという地域の若者を対象に活動。

・若い女性と若い女性のために働く人のための活動を展開。代行レッスンや、教育から落ちこぼれた人のためのカリキュラム、若い未婚の母親などのための活動。アクションリサーチをやる若い人をサポートしている。このアクションリサーチはコミュニティーの中でどんな役割を負っているか若い人たち自身が調べに行く活動。若い障害者のために行っているプロジェクトもサポート。

・ユースチェンジというプロジェクト。13歳から25歳の中から選ばれた若者をパネルとして実際にプロジェクトが役に立っているかどうかを見るプロジェクトを展開。

・働いているユースワーカーはみんな資格のある人か資格を取る途中の人。その資格はデプロマ、大学卒業資格の一つ下だが、2010年までには大学卒業資格にかわる。フルタイムが8人、補助的にフルタイムの人が2人。その一人はコネクションサービスから来た人。事務関係のフルタイムが3人、その中の1人はユースワーカーとしても働いている。ボランティアは2人だが、実際にかかわっているボランティアは100人以上。90歳以上のボランテイアの人もいる。


*【質疑】*
Q.資格の内容は?
A.フルタイムで2年間、パートタイムでやると3年間かかります。ユースワークに関する理論に基づいた実践方法を教える。このコースの目的は、ボランティアのようなもので始めた人をマネージメントだとかプロジェクトをやるための資格です。ユースワークとかコミュニティーワーク、あとプレイワーク、あとマネージメントに関すること、文化的背景について、機会均等といったことについて理論に基づいた実践を勉強する。

Q.対象は?
A.主に13歳から19歳を対象にしています。援助金がここに集中しているからです。障害がある場合には28歳までです。そのやり方については公的なものであってもボランティアでも同じようなもの。一応基本的には若い人が自分で選んで活動に参加する。そのボランティアというのは学校教育と比べて義務ではないということです。

Q.コネクションズについて?
A.コネクションズでは若い人が自主的にかかわったこと以外では効果が現れていない。自主的に来ていないものに対しては事務的なことが多くなり学校的になってしまう。学校は嫌だと思っている若者に対してはコネクションズの効果は落ちてしまう。もともとコネクションズというのは若者がどこにいるか確認しておく必要があった。もともとキャリアサービスとして発展したわけだが、それがそれだけではだめでもっとインフォーマルなアプローチが必要になってきたが、それはユースワークがやってきたこと。今のコネクションズというのは書類の仕事が増えて統計を取る仕事が中心になってそんな仕事が増えてきている。コネクションズがユースワークに仕事を他の団体にコミッションしているところは成功している。そのような関係から連携したプロジェクトが始まっている。コネクションズが外部に委託して仕事をしているということだ。今、学校を出ても仕事がないので最初の仕事の体験をさせるというプロジェクトであるジャスタアス、障害者の仕事というのは政府の公金でやっているが、その活動をDVDでコネクションズに提出してコネクションズから仕事が来た。
Q.コネクションズは外に出すお金を持っているのか?
A.コネクションの資金には2種類あって、500ポンドまでの小規模なものはちょこちょこ出す。5000ポンドから10000ポンドまで出すものもある。このエリアでは50くらいのプロジェクトに援助している。財政というのは対象となる若者の数によって出る。例えば6000ポンドの支援より、3000ポンドを2つ支援することが一般的だ。このプロジェクトは効果があるかどうか考える。エリアごとの割り当てがある。あんまりいらないエリアには出ない。選択指標は仕事の質そのものよりは数的なもの。

Q.補助金の割合は?
A.コネクションズからは0.009%ぐらい。(笑い)個人の寄付が多い。まったくの寄付です。バーミンガム市からの補助金が全体の3%くらい。プロジェクトについてはそれぞれに基金をつくらなくてはならない。宝くじからはかなりくる。後、ソーシャルサービス(社会福祉)からの基金、銀行、プラミートラスト(?)、などからもらっている。例えば、自分たちの文化的遺産を維持するために出る宝くじ基金、若い人を調査してジャマイカに送ったりしてレポートを書いて、応募しもらっている。4ヶ月たったがそのようにして資金をつくっている。今やっているのは学校を退学させられた子どもたちを対象としたもの。学校を退学になったジャマイカ系の若い人たちを老人介護施設に送り込んで、昔話を集めて、最近は民族といわないで、文化的遺産についてレポートをしてウェブサイトにアップする。民族的アイデンティティーを確立するために。 文化的背景を確立させるプロジェクト。理論的には白人であろうと適応できる。

Q.そんな子どもたちがまじめにやるのか?
A.やって来ないからこっちか出ていく。退学になっている子どもを専門に扱っている組織に行って、そこに行かなくてはならないところ、そこでデモンストレーションをやってみせる。リファーラルユニットといってそこから専門に送る機関がある。そこへ出かけていく。学校の中にもリファーラルユニットがある。正規の学校教育は嫌だという子に、その代行教育の場をつくったり探したりして送る機関。いろいろネットがある。移行期間専用にいろいろある。正規の機関から落ちこぼれる人はいろいろあるのでユースワークの大きい役割がある。ユースワークというのは、正規の教育ではどうしようもないと言うところまでやった後に、具体的に働いたりさらになにかやりたい場合、どうゆう機会があるのか、どうゆう技術がいるのか、仕事体験をしてみるようなことに役に立っている。

Q.いろいろな問題を抱えている若者を地域の中で包括的な支援をやる政策がすすんでいるがその責任は?
A.コネクションズというのはもともとそんな理念に基づいて、就職だけではなくていろんなことでできてきた。しかし今はシュアスタートというところが住宅から、就職、それから食事まで全体の世話をする。結局コネクションズのパーソナルアドバイザー(PA)が責任を持ってみる。そのコネクションズの効果はPAの能力による。PAがユースワーク出身の場合には成功率が高い。PAの訓練はユースワークの2年の訓練を1年にまとめたものを使っている。

Q.コネクションズの統合政策はうまくいっていないのか?
A.5歳と19歳の真ん中は学校がやる。10代の妊娠が多いので、子どもを見るという場合に母親の面倒を見る。シュアスタートというのは、そういう名のセンターがある。子どもの時から始まるのでそういう地域を対象に初めている。

Q.今の制度は貧困層に対象としているがその他の層にはどんな問題があるのか?
A.統計として一度出てその地域への見方が確立するとそちらに資金が回る。バーミンガムの都市再生政策の対象になるところにお金が回る。空港の近くの地域を対象としているが白人が多くそうゆうところにはお金が回らない。実際には必ずしもそういう分けではなく、16歳で学校を出てその後をどうするかなどもユースワークの活動内容だ。そこにもお金は出る。5年前にそれまでの反省の結果、こうゆう仕事が必要だから何とかしようと言う方針に変わった。本当は、いろんなところで幅広く活動したいが、コネクションの規定に合わせて仕事しなくてはならないところがある。例えば、ユースワーカーと若者が一緒に仕事をしてユースワーカーのスキルを高めていくことが必要。将来に継続できるユースワーカーのスキルを高めたいがそんなことをやっている暇はない。プロジェクトの中で、そこのユースワーカーを訓練したいので、やっているがその時間は限られている。

Q.ユースワーカーはどんなところに配置されているのか?
A.ソーシャルワーカーとかそんなところにもユースワーカーを取り入れています。決められたことがやれるだけでなくそれ以上の活動ができように訓練したい。他のユースワークとも連携している、また政策をいかに実行するか注目している。若者自身が自分たちの声で政策決定者に届ける活動をしている。

Q.政策に影響を与えることができるか?
A.そう思いたい。政策機関とのネットワークに忠言を絶えず出している。我々はユース機関をまとめている組織だが、日本にはこれに対応するような組織はあるか?ここの活動はなぜアソシエーションかというと、資格もなくいろいろ善意だけでやっているような団体を援助する役割をやっている。登録しておくとここの資格のあるワーカーが支援する。そんなアソシエーションである。