2010年10月22日金曜日

Wesley Mission

2008年度3月海外調査(シドニー) [NO.6]


訪問先名称:Wesley Mission

Ashfield Independent Living Centre
Out -reach Service
訪問日時:2008.3.11


Weasly missionは若者生活自立支援のためのCommunity Servicesを提供している教会系の非営利団体。この団体が提供するCommunity Servicesの一つがAccommodation Services

財源:Community Servicesの一つがAccommodation Services(宿泊設備提供)で、その財源は連邦政府と州政府両方のSupported Accommodation Assistant Program(SAAP)から得て運営。このプログラムを実施するのはDepartment of Community Service(地域社会省)。この団体の実施しているAccommodation Serviceはその中の一つであり、団体が提供する他のサービスと連携しながら実施している。


【宿泊施設提供プログラム】
宿泊施設提供プログラム(Independent Libing Progam)は、Street Outreach, External Living Skills Training,Living Skills Preparation, Residential Unit,Exit House,Aftercareなどの継続的な生活自立支援プログラムと連動して実施される。1994年から開始。
若者が全国をカバーしているYouth Assistant Association(YAA、若者情報センターのようなもの?) にアクセスするか直接Weasly missionに来ればAccommodation Servicesを受けることができる。


■対象:16歳~22歳、今すぐの一時的な宿泊が必要なものは対象とならない、家庭生活がうまくいかずホームレスになる若者の救済

■期間:緊急サービス:1ヶ月~3ヶ月、中期サービス:6ヶ月~12ヶ月、長期:12ヶ月~18ヶ月

■賃貸契約:法的な拘束性を持つLICENCE AGREEMENT(賃貸契約書)を取り交わして初めてAccommodation Servicesに参加することができる。権利・義務関係の発生。契約違反に対しては1回目は「警告」、3回目になると「退去命令」。実際の社会生活を学ばせる。目的は自立して生活できるようになることである。

■住居:2~3人で同居する形式で、11軒点在。普通の家の形、地域社会の中で生活することを学ぶため。モニターしやすい事務所の近くには緊急時用の宿泊施設があったが今は中長期用になっている。

■面談:職員は全員がパートタイム。それぞれのクライアント担当の職員が1週間に1~2回、1時間か2時間くらい面談。収入を得るための支援として1日4~8時間一緒に費やすこともある。お料理レッスンもまれにやる。「空きありますか?」の問い合わせから2回の面談を実施。1回目にはかなり詳細に渡るアセスメント(Client Interview Assessment Formに記入)。どこから来たのか、今までどこに住んでいたのか、学歴、犯罪歴など。


■契約:短期的、長期的目標を決めて、その達成のためにさまざまなプログラムに参加すること、ワーカーがそれをサポートするという契約関係の重要性。子どもが居る若者は親のスキルの勉強会にも参加。対人スキルを把握して共同生活で対人関係を学んでもらう。生活スキルとライフスキルも把握して、お料理、予算の作り方、時間の管理、教育、就労、衛生、健康の管理、掃除の仕方、対人関係の解決の仕方などの基礎的スキルがあるかどうか把握する。Accommodation Servicesへの参加にはクライエントの背景をチェックするため3人の推薦者(電話番号必要)が必要。親、クライエントを6ヶ月以上知っているもの。
もし、このような審査からこのアコモデーションにふさわしくない場合は別の組織を紹介する。
入居する為の第一条件は収入があること。雇用がない方には若者手当等があるが、このようなものは一時的な救済なのだということを学んでもらう。
また、次に教える事はライフスタイルを持つこと。たとえば食事(いくらぐらいでどの程度のものが食べられるか、また健康に良い食生活などを教える)
この近辺に6、7(?)箇所のアパートや一軒屋があり、それぞれ若者の段階によって移り住む。一番リスクのある若者は事務局と同じ棟の部屋にほぼ自立が近い若者の住まいは月1度ぐらい見に行くのみ。

■部屋代:1週間90ドルくらい。16歳17歳のように若い子は少し低額になるが、1週間に140ドルから160ドルの若者手当(basic incom)が支給される。靴ひもくらいの予算。学生でしたら財政的に大変だからカジュアル(非正規)な仕事につくように促す。最初めの6ヶ月は家賃(レント)は毎週70ドル、頭金(ボンド、後で返還分)が5ドル、光熱費が9ドル、電話代が6ドルの合計90ドル。光熱費や電話代の支払いは自分で管理できるようになったら若者に移譲。6ヶ月を過ぎると家賃を上げる、3ヶ月ごとに見直し10ドルぐらい上げていく。お仕事を持っている人には1ヶ月ごとに見直し、家賃とボンドを相互に上げる。ワーカーと予算計画を立てさせライフスタイルを維持できる最高限度に払える金額を払わせる。禁煙しなさい、自炊しなさい、クラブばかりいかないで勉強しなさい。 



【連携プログラム】
■準備プログラム(Living Skills Preparation):9つのステップをクリアーしていないとIndependent Libing Progamに参加できない。この9つのステップは、「Time Management」,「Budgeting」,「Cookinngu and Nutrition」,「Cleaning and Laundry,Orientation,Healty and Hygiene」などによって構成されている(詳しくはK2訳版「Living Skills Preparation Program」参照)。料理レッスン、献立計画、節約・家計、予算など、若者手当の使い方の指導。社会的家政学(宮本)のような学習プログラム。1ステップで1週間を充てるが、既にクリアーされているステップは省かれるからここのクライアントによって必要な準備期間は異なる。


■発展プログラム(Exit Housing):18ヶ月くらいになり家賃を90ドルから110ドルくらい払えるようになるとAccommodation Servicesを出て次のステップに移行するためのケースマネージメント(Exit Housing)に入る。115ドルも払えれば友達と一緒に230ドルくらいのところに入れるでしょう。子どもが居たら児童手当もあるからもっと高くても家賃が払えるでしょう。
この家を出るプログラム(Exit Housing)はIndependent Libing Progamの継続プログラム。共同生活(家具付き)から自分の家具を準備した単独生活。25歳まで18ヶ月プログラム。定額家賃、シングル130ドル、家族は160ドル、シングルマザー140ドル(子ども一人)。このプログラムではワーカーとの面談は1ヶ月に1回のみ。家賃以外は本人名義で、普通の賃貸契約の一歩手前。このプログラムにはいるまでに、家賃の4週間分の頭金、家具の準備、2週間の前払い家賃、そして食費(150ドルは必要)など、610ドルも準備していなくてはならない。なにごともことを始めるには準備が必要であることを学ばせる。
事務局の同じ棟にある部屋で住んでいる女性、シングルマザーで子供と一緒に住んでいる。近く次のステップに進む予定との事。
事務所の庭 住宅地にある普通の家。


■その他のプログラム
ワーカーがクライアントの家に赴いて実施するTraining Programもある。それから街のショッピングセンターなどのたまり場にいる若者に接近してホームレスになる前に早期介入し支援機関に紹介していく14歳から23歳を対象にしたYouth Outreach Programもあり、8年間サービスを提供してきている。若者のたまり場の運営や、学校が休み中の時間を使って安全な活動プログラムを提供している。サッカー、ロッククライミング、映画、カヤックなど若者興味のあることを計画化。ワーカーは学校とも密に連絡を取りながらと若者たちとの信頼関係を深めながら支援関係をつくりだしている。さらにはさまざまな就労サポート機関のネットワークであるジョブネットワークのひとつであるJPET(Job,Placement,Emploimento,Training)というプログラムも重要である。センターリンクで手当を受け取るためにはジョブネットワークが提供するこのようなプログラムに参加しなくてはならない。またこの間、早期介入策は発展し今では0歳から5歳児へのデーケアなどとより若年化してきている。
JEPTプログラムのスタッフ達、ミーティング中
アウトリーチ担当の女性。ここでは制服を着用し、すぐにわかるようにしていた。


■参考URL 
www.wesleymission.org.au